旅行のパンフレットは地理の勉強の宝庫!

これはとある旅行会社のパンフレット。ヨーロッパ旅行の地図の1ページです。これがポストに入っていたのですが,このパンフレットを見て,中学受験の小5の生徒が質問してきました。
「先生,なんで日本から離れてるところの方が早く着くの?」
ご存知の方からしたら大したことじゃないでしょうし,旅行雑誌を見てそんなところを見ないと思いますが,子どもはこういう所にも興味を示します。もう一度子どもが着目した場所に印をつけたパンフレットを見てみましょう。

ギリシャのアテネまでの直行便が12.5時間なのに対して,ノルウェーのベルゲンまでは11時間。チェコのプラハも11時間。クロアチアのドブロブニクも12時間。なぜ同じ成田からの直行便なのにギリシャよりも遠い所が早いかお分かりになりますか?
子ども達はこう考えていました。
「遠くに行く飛行機の方が速い!」
「飛行機が小さい!」
「風が強くてなかなか着陸できない!」
同じヨーロッパなのにわざわざ遅い飛行機で行く理由がないので当然違います。飛行機の大きさも風の強さも関係ありません。子どもの想像力はすごいもので,色々ととんでもない考えが出てきます。そこで地球儀を持ってこさせました。しばらく日本と見比べてみて,あーでもないこーでもないと話し,すぐに気が付きました。
「北極を通った方が近いんだ!」
日本とヨーロッパを見たとき,西に飛んでいくよりも,北から回っていった方が近いんですね。で,そうやっていくと,北東にある方が短い時間で行けることになる。だからギリシャの方が時間がかかるのです。
ちなみにこれ,中学入試や公立中高一貫でも題材となる問題です。大抵の場合,地図に線が引いてあって,どのルートを飛んでいくのが近いかという問題ですね。メルカトル図法の場合,真っすぐ左に線を引くと直線でたどり着いてしまうので,間違えてしまう子が多いのです。
今回は旅行のパンフレットでしたが,身近にあるものから学べる機会というのは結構多いものです。また,パンフレットは社会や経済を表していることが多く,見方を変えると様々なことを学ぶことができます。子どもが疑問に思うか思わないかは,親がどう勉強させているかにかかっているのです。
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