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勉強はどこでやる?
「いい学校に通わせるためには塾は絶対に必要ですか?」
というご質問を頂いたのでお答えしようと思います。
まず私は「勉強は本来家でやるものだ」と思っています。
塾でやらなければいけないなんて事はありません。
それでも塾に通わせる親が多いのは,家で勉強できる環境が失われてきたからです。
そもそも学校という所は,基礎学力をつける所です。
その基礎学力さえつけていれば,学校の目的は十分達しているのですが,学歴社会を境に受験戦争時代へ突入していきます。
「少しでもいい学校へ」
そういう思いから難しい学校に合格するための専門的な指導を受けられる塾を必要とする人が増えました。
こうなると学校側もより優秀な子を取るために,入試問題をどんどん難しくしていきました。
結果,中学入試に至っては,完全に学校の指導レベルと乖離するまでになってしまいました。
学校よりも難しい問題を要求される矛盾
さて,話を戻して塾が必要かどうかですが,「受験」と言うものが先行してしまったがゆえに,今では学校のレベルと乖離したレベルまで要求されてきます。
中高一貫は基本的な小学校の内容が分かっていればできるとはいえ,中学受験の勉強をやっている子が有利な現状に変わりはありません。
そのため塾が必要不可欠な状態になってしまいました。
しかし高校受験に関して言えば,公立高校なら塾が必要なのはほんの一握りの学校です。
ほとんどの学校は塾はなくても何とかなります。
理論的には。
なぜ塾は必要?
ではなぜ実際には塾に通う方が多いのかといいますと,遊びも多様化していってしまったからなんですね。
今では携帯ひとつ与えれば一日中不自由しない子もたくさんいます。
一昔前までは,遊ぶと言っても外が暗くなったら家に帰っていました。
でも今は帰ってきても携帯で友達と遊んでいられるのです。
友達とではなくても,テレビ,ゲーム,マンガなど時間をつぶすには事欠きません。
要するに,明らかに勉強しなくなった!のです。
そしてその環境を作っているのは,今の大人たちであり,今の社会です。
「いい加減携帯やめなさい!」
とは言いますが,親が与えなければ子どもは手にしませんからね。
実際学力テストでトップ常連の東北,北陸地方の県の通塾率は全国でも一番低い方。
逆に通塾率が高い都心部の子は,学力テストで中~下位。
塾には行っていない子の方が学力テストの点は高いのです。
そもそも勉強の仕方を知らない子ども達
そしてもう一つ。
小さい頃からそういう環境で育ってきている子どもは,いざ中学生になって勉強しなきゃ!と思っても勉強できないのです。
今まで勉強してきていないので,やり方がわからないのです。
小さい頃から勉強させていた方もいらっしゃるとは思いますが,本人のやる気もないのに机に縛り付けてさせていた勉強なんてすぐに限界が来ます。
結果本人が「勉強しよう!」と思ってもやり方がわからないからやっても成績が上がらない,という悪循環に陥るケースが多いのです。
逆に考えてみましょう。
習い事を好きで続けている子は,勝手に家で練習しませんか?
ピアノ,バイオリンが好きな子は,勉強の合間に休憩でピアノ,バイオリンを奏でます。
サッカーが好きな子は外で勝手にボールを蹴っています。
野球が好きな子は放っておいてもキャッチボールをします。
余程環境に難がない限り,好きな事は勝手にやるものです。しかもそれは苦痛になりません。
勉強を好きなことにできれば勝手にやる
では勉強は?
そう,勉強も同じです。
勉強だって苦じゃなければ勝手にやります。
勝手にやる勉強は,勝手に成績も上がっていきます。
つまり,小さい頃から勉強するのが当たり前になっている子は,塾に行かなくても受験で十分通用するのです。
ただ,先ほどもお話しした通り,基礎学力に関してはそれで十分なのですが,どう頑張っても自分ひとりでは限界という学校が存在するのは確かです。
それが主にトップ校や中学受験で多いのですが,この大きな原因は,時間がないから,です。
時間さえ気にしなければ,じーっくりと取り組んで,完成してから入試を受ければいい訳です。
しかしそうもいかないですよね。
入試にはタイムリミットがあります。
そのタイムリミットまでにどうやって合格ラインをクリアするか,そこに「塾独自の戦略」があるわけです。
「もしこのままでは行きたい所に行けない!」
そうなった時には塾は大いに皆さんの役に立ってくれるはずです。
最も受かればいいというものでもありませんが。
勉強に関する意識付けは親の役目
先ほども話した「環境」。
家で勉強する環境が整っているのなら,塾は必要ありません。
家で勉強できない環境なら,勉強するのが当たり前という環境に放り込めば最低限の事はやってくれます。
いずれにせよ,塾は目的を持って,目的にあった塾に通わせれば効果は得やすくなります。
「選択の幅を広げるために今から勉強させておく」という塾への通わせ方はオススメしません。
「勉強は塾でやるものだ」という意識が根付いてしまうと,塾以外では勉強しなくなってしまいますから。
そうなると受験に合格して塾をやめた途端にまた成績が下がり始めます。
結局また塾通いをさせるはめになり…
一時の受験のために無理させて,その後の長い人生において損なやり方をするのはもったいないですよね?
塾なんていらない
塾は必ずしも必要ではない!
あくまで家庭でできない勉強を補助するだけ!
という事です。
家で出来ない分を塾に委託しているだけなんです。
家で出来るなら何も塾なんて必要ありません。
私としては,家で勉強できるようにして欲しいという思いから学習法指導塾PHI(ファイ)を立ち上げています。
目先の受験にとらわれず,本質的な勉強ができるようになればその先の人生においても使える技術となります。
塾を選ぶ際は短期的な成績アップや合格といった目的ではなく,長期的に見てどういう子になって欲しいのか,ぜひそこまで考えて,目的にあった塾を探して頂きたいものです。
その上で,当てはまる塾がないならば,あえて塾に通わせる必要なんてありません。
学力や学歴だけが物を言う時代ではなくなってきています。
人間性は成績表だけで表せるものじゃないですからね。
成績表ではなく,子どもの個性を見て育ててあげて下さいね(^^)/
なお,PHIでは遠隔指導も行っております。遠隔指導は家庭学習の延長にある塾みたいなものですから,家庭学習の習慣をつけたいのであれば,塾に通わせるよりも効果的です。
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