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期限に対する考え方から伸びしろが見える
今回のご紹介するご相談は,「子どもなりに頑張って時間をとって勉強しているようだけど,一向に伸びる気配がない」というものです。
確かによく頑張って解いている形跡はあります。
一日で結構な量をこなしているのでしょう。
勉強のやり方も,問題ないとは言えませんが,答えを写しているとかそういう状態ではありませんでした。
ところがちょっと進め方に引っ掛かったのです。
そこでこう聞いてみました。
子どもと話をするときに,「明日までにやらなければいけないんだもん!」というような話をよく聞きませんか?
案の定,よく聞くとのことでした。
この言い訳,勉強ができない子程よく使います。
当たり前ですよね。
勉強ができる子は,明日までにやらなければならないものなんて,残っている方が珍しいですから。
この言い訳を良くする子は,成績を上げようとする前に,根本的なところから変えていかなければなりません。
なぜ「明日までに」という状態になってしまう?
まず,なぜ「明日までに」という子が伸びないのかをお話しましょう。
この理由は非常に簡単で,明日までにやらなければならないものを今やらなければいけないということは,今やらなければならないことはやらないことを意味するからです。
では今やらなければならないことは何なのか,といいますと,今すぐには必要ではないけれど,将来必要になることです。
それが何か,は子どもの状況によって異なります。
例えば,1週間後に提出しなければならない宿題があるとします。
この宿題は1週間前には言われていますが,この子はできません。
なぜなら,この1週間前に出された別の宿題の期限が明日に,明後日に迫っているからです。
そこで先に提出期限が近いものからやっていきます。
すると1週間後に提出と言われた宿題が,結局直前まで終わっていない,という状況になってしまうのです。
こういう子が言う「時間がない」というのは本当だったんですね。
できる子は終わらせる時間がある
できる子は,一週間前に言われた宿題を,すぐに始めることができる時間があるんですね。
なぜなら,明日,明後日提出の宿題はもう片付いていますから。
結局,単純に言われたことをすぐやる時間があるから回せるのです。
どうすればうまく回せるようになる?
簡単です。
新しく出された宿題から優先的にやるようにするだけです。
今既に回っていない状態で,新しいものから取り掛かったら,以前出されて明日,明後日でやらなければならない宿題ができなくなるのではないか?
もっともです。
だから,思い切って捨てます。
もちろん捨てていい宿題のタイミングを選びます。
捨てても大丈夫なタイミングで捨ててしまい,新しいものからやるように変えてしまうのです。
これをやるときは,大胆に,かつ確実にやらなければなりません。
中途半端にやってもできないものが溜まるだけです。
だから捨てるならバサッと,躊躇なく捨てます!
後は新しいものからやる習慣を続けるだけです。
これで「明日までに」というサイクルは打ち破れます。
それでもできない時は?
もちろん長年過ごしてきた生活スタイルや考え方がそう簡単に変わるわけがありません。
そのため,一時的に捨てても,すぐにまた後回しにする習慣が顔を出し,いつの間にか戻ってしまう事もしばしば。
それでも根気強く続けるしかありません。
また後回しになりかけたら捨てて新しいものから。
そんなに捨てまくっていると成績が下がるのではないかと思いますが,その通り。
下がります。
「それじゃ意味ない!」と思うかも知れませんが,「そのままでも意味ない!」ので,変えたいならやるしかないのです。
平均台をどう歩く?
平均台を歩く時,一輪車に乗るとき,自転車を乗るとき,どこかで聞いたことがあると思いますが,不安になるほど目の前を見ようとします。
平均台なら足元,一輪車も足元,自転車もタイヤを見ようとしてしまいます。
ところが,練習の段階では落ちても転んでも,「前を見ろ」と言われます。
これは前を見て目標に向けて歩くことで,バランスがとりやすくなるからなんですね。
足元を見ているとバランスが取れません。
結果的にふらついてしまって落ちたり転んだりしてしまうのです。
期限も同じ。
今一時的に失敗を繰り返すかも知れませんが,それを一生繰り返すわけではありません。
慣れてきてしまえば,そちらの方が上手く回せるようになるのです。
目先の点数下落なんて大したことありません。
期限は一生ついて回りますから。
今やるべきことは何か?
明日の提出期限に間に合わせることではありません。
そこを親自身がいつまでも勘違いしていると,いつまでたっても期限に振り回されます。
いつまでたっても,本当に必要なことができず,伸びません。
必要ないことを切り捨てて,本当に今やるべきことをやるから伸びるのです。
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