金庫から出てきた古銭
ふるーい金庫があり、そこから祖父のコレクションだったと思われる古銭が出てきました。
それを小学生に渡して調べさせてみると、ものすごい勢いで調べていきました。
今どきの子は調べるのがうまいですね。
全部で12枚あったのですが、あっという間に調べあげてしまいました。
出てきたのは
- 永楽通宝(えいらくつうほう):安土桃山時代(明銭)
- 寛永通宝(かんえいつうほう):江戸時代
- 大観通宝(だいかんつうほう):平安時代
- 至道元宝(しどうげんぽう):平安時代(宋銭)
- 康煕通宝(こうきつうほう):江戸時代
- 開元通宝(かいげんつうほう)飛鳥時代~平安時代
- 治平元宝(ちへいげんぽう):江戸時代
- 煕寧元宝(きねいげんぽう):江戸時代
- 乾隆通宝(かんりゅうつうほう):江戸時代
- 景徳元宝(けいとくげんぽう):平安時代
- 元豊通宝(げんぽうつうほう):江戸時代

永楽通宝と寛永通宝はよく出る
永楽通宝、寛永通宝は教科書やテキストでもよく見かける通貨ですね。
永楽通宝はそれまで使っていた中国の通貨(宋銭)ではなく、日本向けに作られた通貨でした。
また、永楽通宝からは日本国内での製造も行われ、まだ鋳造技術のレベルが低かった名残をみることができる通貨でもあります。
大きさがバラバラなんですね。
鋳造したものから型を取ってまた鋳造してというのを繰り返していったため、どんどん小さくなってしまったのです。
そして寛永通宝は日本での完全国産化に成功した通貨。
そのため流通量も製造場所も多く、製造した場所の特徴が表れている通貨でもあります。
香川県の銭形砂絵も寛永通宝をかたどったものですね。
開元通宝は、開元通宝(上下右左)なのか、開通元宝(上右下左)なのかわからない謎な通貨です。
一般的には開元通宝と呼ばれますが、開元という元号は実在するものの、この通貨が流通しているのは開元よりも100年も前なんですね。
そのため、本当は開通元宝なのに、元号が来たから開元通宝と呼ばれるようになったのではないか、とも言われています。

元宝と通宝
古銭には「〇〇元宝」と「〇〇通宝」の2種類があります。
この違いもこうやって並べて調べてみると見えてきます。
「〇〇元宝」というのは、元々中国にあった馬蹄銀(ばていぎん)と呼ばれる通貨が元宝とも呼ばれており、これの代わりに使うことになったものなので〇〇元宝となっています。
その後、「流通する宝」の意味で広く使われたのが「〇〇通宝」。
つまり、通宝の方が後なんですね。
ということは、富本銭や和同開珎は中国製ではないということになります。
見よう見まねで日本でも作ってみた通貨ですね。
ちょっと意味を知っていると、こんな風に時代を読むことができるようになります。

本物に触れると学ぶ機会が増える
やはり教科書に載っているものとは違い、本物は錆も出ていて、読みづらいのですが、本物を見ると子どもの目は輝きますね。
古銭というのは身近にはないかも知れませんが大量出土しているものは値段も安く、お土産屋さんで売られていることもしばしば。
今回出てきたものも決して珍しいものではなく、また状態がいいわけでもないため、高値がつきそうなものはありません。
それでも本物に触れる機会があると、子どもの中で少しずつ定着していくものです。
今回も調べていく中で時代を意識し、物流について考えていました。
千年以上前に作られたお金がこうして手元にあるのは不思議なものです。
ちょっとしたきっかけになるかも知れませんので、見かけたら触れてみましょう(^^)/
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