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ISSは受験で重要?
女子学院中学でも出題されました!
ISSは日本も参加して実験をしている関係上、宇宙飛行士の滞在やその実験内容によっては大々的なニュースになるため、時事問題の題材になることもしばしば。
また、人工衛星の原理自体が理科の物理や地学に通じてくるため、題材になることもあります。
⇒ 2021年に女子学院中学の入試問題でも出題されました!
例えば、2020年の秋には野口聡一宇宙飛行士が、2021年の春には星出彰彦宇宙飛行士が、国際宇宙ステーションに船長として長期滞在をする予定です。
こういったニュースは時事問題として題材にされやすいため、中学受験ではチェックしておく必要があります。
そのためテキストに載ってはいるのですが、実物を見たことがあるという子どもは少ないのが現状。
実際子ども達にISSが見えるタイミングで空を見させても見つけられません。
一緒に空を見上げて、「ほら、あれ」と教えるとさすがにわかりますが。
晴れていれば見えることも多いため、やはり机上で完結させずに見せておきたいところです。
きぼうってなに?
きぼうというのは、ISSの中にある、日本の実験棟の名称です。
入試でも名称が問われることがよくあります。
まぁサービス問題ですね。
⇒ 女子学院中で出題されていました(笑)
意外とよく見えるISS
では国際宇宙ステーションについて簡単に。
国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)は、アメリカ合衆国、ロシア、日本、カナダ及び欧州宇宙機関 (ESA) が協力して運用している宇宙ステーションです。
日本の実験棟は「きぼう」という名前で有名ですね。
地球及び宇宙の観測、宇宙環境を利用した様々な研究や実験を行うための巨大な有人施設。
地上から約400km上空の熱圏を秒速約7.7km(時速約27,700km)で地球の赤道に対して51.6度の角度で飛行し、地球の周りを1日で約16周します。
つまり、24時間÷16周=1周1.5時間(90分)で回っている事になります。
先ほどの映像は昼と夜が1.5時間ごとに繰り返されていますから、45分は昼、45分は夜の地球が写っている事になります。
ちなみに国際宇宙ステーションは、なんと地球からも見えます。
条件が整えば肉眼でもハッキリと見る事ができます。
太陽光パネルに反射する光がかなり明るく、移動速度も他の星よりはるかに速いので、割と見つけやすいのが特徴。
まぁ肉眼だと移動していくただの光の点にしか見えませんが(笑)
でもうまくピントさえ合わせられれば双眼鏡でも見えます。
双眼鏡で見れば宇宙ステーションの形も見えます。
これは意外と知らない人も多いのです。
見やすい日時はJAXAのサイトより確認できます。
なんで波みたいに回ってるの?
これ、実は結構入試でも出るのです。
特に難関の学校では。
ISSの軌道を地図で見ると、波みたいに上に行ったり下に行ったりを繰り返しているんですね。
ISS自体は同じ速度で回っていますが、一周してくる間に地球が自転して動いてしまうので、波がズレていくことになります。
このズレは、22.5°
これも簡単に計算できます。
1周してくる90分(1.5時間)の間に自転で動いてしまうのですから、
360°÷24時間×1.5時間=22.5°
ですね。
なお、波上に動いて見えますが、これは平面の地図で見ているから。
地球儀でISSの軌道を見てみると、ちゃんと地球の周りをまわっているのです。
ただし、その軌道は赤道に対して51.6度傾いたもの。
地球が自転してもこの軌道は変わらないため、地図上で見ると少しずつずれて波のような軌道になって見えるのです。
つまり、ISSは北緯51.6度から南緯51.6度までの範囲内を飛んでいることになります。
ということは・・・
北極と南極の上空は飛んでいないんですね。
さてここで問題。
なぜ51.6度の範囲内にしたのでしょうか?
ヒントは冷戦終結です。
軌道傾斜角51.6度の理由
国際宇宙ステーションが打ち上げられたのは1998年。
冷戦終結が1989年。
国際宇宙ステーションの構想はそれよりも早い段階から行われていたため、冷戦下ではソ連が参加する予定ではありませんでした。
しかし冷戦が終結。
ロシア(旧ソ連)も加わって国際的に協力して宇宙開発をしようという事になり、国際宇宙ステーションが打ち上げられました。
ISSは人も滞在して研究を行うため、定期的に物資を供給しなければなりません。
ということは、アメリカだけではなく、ロシアも打ち上げることになります。
ところが、ロシアの打ち上げ基地であるバイコヌール宇宙基地は北緯50度近いのです。
もし軌道系射角がアメリカの打ち上げ基地に合わせて合った場合、ロシアのロケットは無理な軌道でISSに行かなければならなくなります。
そこで、アメリカ、ロシア双方のロケットが行きやすいように、51.6度という角度に決められたのです。
打ち上げ角度についても題材になることがありますので、ちょっと知っていると話しのネタになるでしょう。
宇宙飛行士の給料はどれくらい?
子供に大人気の疑問がこれ。
特に男の子は宇宙飛行士の話になると必ずと言って言い程聞いてきます。
ズバリ1000万円程度です。
実は案外少ないんですね。
命をかけて活動しているのに、これなら飛行機のパイロットの方が断然収入がいい(笑)
しかしこれには理由があります。
日本人宇宙飛行士の場合、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と呼ばれる国立研究開発法人の所属になり、NASAに派遣されるという形を取ります。
そしてこの機関の所轄は内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省による共同管轄組織。
つまり、公務員に準じる形になるのです。
だからそこまで給料が高くないのです。
しかしもちろん命を懸けていることには違いありませんし、何かあっては困ります。
そのため、給料自体は少なくても、家族を含めて身の回りのことは、安心して生活ができるようにバックアップしてくれます。
ライブ映像も楽しめるISS
これはNASAが公開しているISS(International Space Station:国際宇宙ステーション)のライブ映像です。
綺麗な地球の映像が見られました?
リアルタイム映像なので、夜の部分に入ってしまうと真っ暗な画像になります。
その場合はしばらくしてからまた見てみましょう。
国際宇宙ステーションが今どのあたりの上空を飛んでいるかも一緒に表示されているので、いつ頃見られるかはわかりやすいでしょう。
こちらでも別の角度からのライブ映像を流しています。
ISSの観測は、天体観測の中でも比較的容易に出来る屋外授業になるので、ぜひお子様と夜空を見上げてみて下さいね(^^)/
ISS関連のアプリはLINE公式アカウントで「ISS」と送信すると出てきますので、ぜひご利用下さい。
女子学院中学の問題を解いてみよう
(1)エ
(2)キ
(3)③ 22.5 ④ 16 ⑤ 1
(4)オ
(5)省略 ※とある大手塾で出回った解答は間違っていましたので注意。
(6)イ
(7)ア
上のブログでも書いているため、解説は省略します。
速さの計算と円周の求め方、最低限の地図の見方と地球の原理さえ知っていれば解けるため、小5でも解くことはできるでしょう。
今回は女子学院中の問題を紹介しましたが、難関校の問題は身近なものをネタにして出されることが増えてきました。
この女子学院中の問題はドンピシャでこのブログそのままでしたから。
ファイでは合格を勉強を狙っているわけではありませんが、結果的に合格に結び付く思考力を身に着けられることが多々あります。
とはいえ、身近なところから教えるのは決して簡単ではありません。
ご家庭で教えるのが難しくなってきた場合には、ぜひご相談下さい。
月1万円からアドバイスしています。
この計算の部分はそのまま女子学院中学の入試問題でも出題されています。
難関校ではこのように実際の現象を題材に用いた問題が出題されることが多々あります。
そしてファイのブログにはそのようなネタが沢山!
ファイのブログが難関校受験者に人気なのはそういう理由なんですね!(≧ω≦)