日常の現象は入試で使える
子どもは割と天気や気象に敏感で、知識はなくても、雨だ風だとしょっちゅう天気の様子を話題にします。
この日も
とい言い出しました。
しかしこれは改めて教えなくても中学受験の知識で説明できるんですね。
そして台風との位置関係が分かれば今後の天気もある程度説明できてしまいます。
今日は中学受験の子どもが聞いてきた疑問に対して行った授業を紹介致します。
まず最低限必要な知識として、台風の周りの風が吹く方向を確認します。
これは衛星写真の雲の動きと一緒(正確には衛星写真の雲の動きは、上空で台風から噴き出したもの)なので、イメージしやすいと思いますが、左回りで吸い込んでいきます。
以上!
たったこれだけわかっていれば後は常識的な内容で説明できてしまいます。
今回の台風は現時点では九州の左側に位置していました。
そのため、日本地図を書いてもらい、そこに台風の位置を書かせました。
そしてその台風の周りの風(左回り)を矢印で書き込ませました。
実は台風の位置をタブレットで調べさせた時に、風向きを見てしまうというトラブルがありましたが、まぁ確認したところわかってはいたようなので大丈夫でしょう。
準備はこれだけです。
ここまで書かせれば,なぜ暖かくなるかが説明できるはずです。
ファイの中学受験生にも同様の手順でヒントを与えましたが、この後は自分たちで説明できていました。
答えは
「左回りの風が、暖かい南の風を巻き込んでくるから!」
です。
さらにもう一歩踏み込んで、今後の天気がどうなるかを考えさせてみました。
子ども達の予想は
「気温が上昇していく。理由は、台風は北東へ進み、中国地方の北側、さらに日本列島に北側へ行く。すると関東地方には南からの風がより流れてくることになり、暑くなるから。」
というもの。
また
「南からの風は海を渡ってくるため、湿度が高めになる」
というものでした。
実際の天気は想定よりも台風の位置が北にあることと、北東に低気圧があることを考慮していないため、天気予報では若干のずれがありそうですが、概ね正解と言っていいでしょう。
これだけ説明していますが、実はこの子達、天気の授業は1~2回程度しかやっていません。
問題演習も2回程度。
しかも最後にやったのは3か月以上前。
それでもこれだけ説明できていしまうのは、暗記していないからです。
子ども達が以前気象に興味を持ったタイミングで話した知識が頭に残っていて、それを組み合わせて説明しているのです。
興味を持ったものだけ勉強すればバランスは崩れますが、丸暗記とは違い,次々とところてん式に忘れてしまうということもありません。
子ども達からしても、自分が疑問に思ったことが解決されていくに過ぎないので、勉強という感覚が薄いから頭に残りやすいのです。
「親がついて何度教えてもできるようにならない!覚えられない!」
という方、ファイの子のようにお子様にあった勉強のやり方へ変えてみませんか?
「何で突然こんなに蒸し暑くなったの?」