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七夕を「たなばた」と読む理由と雨が多い理由から中学受験を学ぶ

なぜ七夕を「たなばた」と読むのか

七夕ネタで受験勉強ができる!

塾生
七夕でたなばたって読むのが不思議

というコメントを塾生から頂いたので、七夕について授業しました。

ファイではこのように子どものふとした疑問をネタに授業してしまいます

七夕と受験は一見関係なさそうですが、受験に通じるような話題もかなりあるんですね。

そんな授業をちょっと紹介しましょう。

なぜ「たなばた」?

七夕を「たなばた」と読むのはなぜでしょうか。

七夕の話は毎年誰かが疑問に思って聞いてくるため、毎年考えさせてみていますが、織姫と彦星のストーリーを知っていると、結構予想できるものです。

ぜひ考えさせてみて下さい。

ここではいきなり答えを書いてしまいますが、七夕というのは元々違う読み方で、「たなばた」と呼ばれていた行事と一致していたため、合わさってしまったのです。※諸説あり

もう少し詳しくお話し致しますと、七夕は本来「しちせき」と呼ばれていた宮中行事の1つでした。

これは中国から伝わった詩歌や織物が上達するようにというお祈りの行事を取り込んだもの。

お祈りの方法は、梶という植物の葉に和歌を書いて祀り、星に願うというもの。

織物の上達を願うことから、織姫伝説にあやかって七夕の日に行われていました。

そしてそれとは別に、収穫に感謝して布を捧げる行事がありました。

この行事は水の上に棚を作り、そこで機を織ることから,棚機(たなばた)と呼ばれていました。

昔は機で織った布を税として納めたり、お供え物にしたりしていたことからも、機織りが自然に感謝し、祈りをささげるものとして重要だったことがわかります。

7月に行われていたのは収穫期にあたるためですね。

もうおわかりですね。

これらの行事が庶民の行事として広まり始めた時に混ざってしまったのです。

そのため、七夕(しちせき)=棚機(たなばた)という混同がおき、七夕=「たなばた」となったのです。

漢字と読み方が著しく違うときは大抵こんなものです。

こういうのを考えてみるのも思考力を養う題材として面白いですね。

七夕を「たなばた」と読むようになった理由

七夕(しちせき)+棚機(たなばた)⇒七夕(たなばた)と読むようになった!

・七夕(しちせき):機織りの上達を願う行事
・棚機(たなばた):収穫を願う儀式

七夕の日はなぜ曇りが多い?

さて、毎年のことながら、今年も七夕について触れておきましょう。

東京で七夕が快晴だった最後の年は2017年。

その前は13年前の2004年。

さらにその前は1973年。

間に晴れは何年かあったものの、ほとんどが星が見えるレベルではないくもりか雨

塾生

「なんでこんなに七夕は雨ばかりなのか…」

「いや,そもそも何でこんな雨ばかりの日を七夕としたのか…」

ファイではこのような質問をしてくる子が毎年現れます。

なんてことない疑問ですが、もしこんな疑問を持ったらすごい事。

こんな所から勉強がスタートするのですから。

暦は季節感覚を養わせる

実は昔、七夕は今の7月7日ではなかったのです。

旧暦ってご存知ですか?

これは中学受験、特に難関校や公立中高一貫では結構出ます

特に理科よりも算数の規則性として出ることが多いですね。

算数なので知らなくても解けるのですが、知っていた方が自信を持って挑めますね。

ここからは実際の授業でのやりとりを基に説明していきましょう。

子どもたちがどういう所に興味を持って、どんな風に勉強とつなげていけるのか、参考になればと思います。

塾生

「旧暦って何?」

切替先生

「今の暦はグレゴリオ暦といって、日本では1873年に導入されたものなんですね。旧暦というのはその前に使っていた暦のことです。」

塾生

「グレゴリオ暦って何?」

切替先生

「単純にうるう年がある一番新しい暦と覚えていれば問題ありません。

それ以前は天保暦という暦を使っていました。

天保暦というのは旧暦、太陽太陰暦の最後のバージョンです。」

塾生

「そんなの知らなーい!」

切替先生

「意外となじみ深いものもあるんですよ?

例えば十五夜

月が見えなくなる新月を1日とし、満月までは約15日だったので、十五夜は仲秋の名月となったわけです。

正確には15日ではないので本当に満月になるのはごくわずかでしたが。

一日を朔日と書くのを見た事ありませんか?

この(さく)というのも旧暦に関係しています。

朔というのは実は新月の事なのです。

大晦日も暦に関係しています。」

塾生

「なんで”大”晦日なの?小さい晦日もあるの?」

切替先生

「素晴らしい!

実はあるんです。

小晦日とは言いませんが、晦日というのは『つごもり』と読み、月が新月で見えなくなる『月隠り(つきごもり)」』が転じて出来た言葉です。

要するに、一年で一番最後に月ごもりする日を大晦日(おおつごもり)としていたため、新暦になっても一年の最後が大晦日という言葉で残っているのです。

端午の節句七五三お盆、そして今回のテーマ、七夕も同じ。

日本の年中行事は旧暦が影響していることが多いのです。」

七夕の短冊

旧暦七夕と新暦七夕のお天気比較(場所:東京)

さて、天気の話に戻りましょう。

現在の七夕(7月7日)が旧暦の七夕と日付がずれているために雨が多くなっているとするなら、 旧暦の七夕はどうだったのでしょうか?

実は旧暦と新暦はピッタリ何日ずれているというわけではありません。

ちょっと計算は面倒なので端折ります。

とりあえず結果だけ見て見ましょう。


西暦7月7日の天気旧暦旧暦の天気
2000年8月6日くもり
2001年くもり8月25日快晴
2002年晴れ8月15日晴れ
2003年8月4日快晴
2004年快晴8月22日くもり
2005年くもり8月11日くもり
2006年くもり7月31日くもり
2007年くもり8月19日くもり
2008年8月7日くもり
2009年くもり8月26日快晴
2010年8月16日くもり
2011年くもり8月6日くもり
2012年8月24日快晴
2013年8月13日くもり
2014年8月2日晴れ
2015年8月20日くもり
2016年くもり8月9日晴れ
2017年晴れ8月28日晴れ
2018年くもり8月17日晴れ
2019年8月7日
2020年8月25日快晴
2021年のちくもり8月14日
2022年くもりのち晴れ8月4日
2023年くもり8月22日晴れ
2024年くもり8月10日晴れ
2025年8月29日
2026年8月19日
2027年8月8日
2028年8月26日
2029年8月16日
2030年8月5日
新暦七夕と旧暦七夕の東京の天気一覧

ざーっと2000年から並べ立ててみましたがいかがですか?

ぱっと見ただけでも明らかに天気に差がありますよね(笑)

2004年から2008年までの5年間は旧暦でもくもり続きとはいえ、少なくとも旧暦の七夕は2度しか雨が降っていません

そして必ず晴れるとまではいきませんが、 快晴の確率も結構高い事がわかるでしょう。

そう、七夕はちゃんと晴れやすい日に設定されていたのです。

旧暦では。

ただ、ここ数年は旧暦でも雨の日が多いですね。

温暖化の影響でしょうか…

ちなみに七夕が終わると織姫、彦星は見えなくなると思っている子も結構いるようです。

中学受験生がそんなこと言ったら問題外ですけどね(笑)

夏の星座というのは、一日限りのものではなく、春から秋まで時間と高さは変わるとはいえ、見ることができます。

もちろん旧暦の七夕でも見られます。

せっかくの天体観測のきっかけを雨の七夕だけで終わらせてはもったいない!

ぜひ夏休みに夜空を見上げて、話題作りの一環にしてみて下さいね。

このように子どもの疑問から受験に通じる話題へつなげていきたいと思いましたら、ぜひお問合せ下さい。

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日々の生活から勉強につなげるので、子どもの勉強へ向かう姿勢がどんどん変わっていきますよ!

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