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2017年3月の時事問題・親向けの解説

■3月1日
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・受動喫煙 悪質違反の施設には最大50万円

厚生労働省は他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙防止策に罰則を付けた健康増進法改正案を発表。30平方メートル以下のバーなどに限っては例外として認めるが,居酒屋やレストランなどは屋内禁煙,喫煙専用室を設置することとなった。また,悪質な場合は施設管理者に最大50万円の罰金を科すとともに,吸った本人に30万円の過料を科す。

最近は若い人もたばこを吸わなくなり,徐々に減りつつありますが,それでも売り上げは変わっていないたばこ業界。なぜ売り上げは変わっていないと思いますか?要するに高くても吸う人がいるため,吸わなくなった人の分を値上げで補っているのです。税金が高くなったということもありますが。最近では無煙たばこや電子タバこといったものが出てきています。喫煙者は肩身のせまい思いをさせることとなりそうですが,全部吸えずに漏れてしまう以上,副流煙の責任は喫煙者にあるという状況。ということで,これは時事と言うより保健の範囲ですね。ちなみにあまりいう人はいませんが,嫌煙権なるものが存在し,たばこを吸わない人が吸うなと言えば,たばこは吸うことができないのです。

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■3月1日
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・色彩の商標登録 日本初

MONOの消しゴムセブンイレブンの看板色彩が商標登録として日本で初めて認められた。今まで500件近い商標登録が申請されてきたが,全て認められていなかった。

確かにMONOにしてもセブンイレブンにしても,色彩と色の配置だけで認識できますよね。商標登録は早い者勝ちというところがあるため,今や世界中で色々なものが商標登録されています。これから商標登録そのものがビジネスになっていく社会になりそうですね。

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■3月3日
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・シン・ゴジラ 作品賞を含む最多7冠

第40回日本アカデミー賞授賞式で,映画「シン・ゴジラ」が最優秀作品賞と最優秀監督賞を含む最多7冠に輝き,圧勝となった。

時事性はないかも知れませんが,ゴジラは何気に社会問題,主に核や環境問題を提起する映画だったりします。最も時代によって監督がかわったりしているので,意味合いが薄れている作品やコメディーのようになってしまっている作品もありますが,有名どころは見てみると環境について考えるきっかけになるかも知れませんね。

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■3月5日
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・自民党の総裁任期 9年までに変更

安倍政権の長期化を目的とし,現在最長2期6年だったルールを見直し,3期9年までと党則を改正。これにより安倍晋三首相2018年9月の総裁選に3期目をかけて出馬する事が可能となる。

長らくころころと1年ごとに変わる政権だった日本の総理大臣ですが,安倍首相は非常に長く,総理大臣の中では安倍首相よりも長く勤めていたのは桂太郎伊藤博文吉田茂佐藤栄作中曽根康弘小泉純一郎の6名のみ。もし3期目を全うした場合は,歴代首相の在任期間の中で1位となる。森友学園問題で揺れている安倍政権ですが,果たしてどうなるでしょうか。

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■3月11日
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・スウェーデンで徴兵制復活

スウェーデンが7年前に廃止した徴兵制を来年の1月から復活させることを決めた。これはロシアの脅威に対抗するためとのこと。18歳の男女が対象で,年間4000人が軍隊に徴集されることになる。

徴兵制というと日本では昔のイメージがありますが,現在でも徴兵制を行っている国はあります。身近なところでは韓国ロシアブラジルメキシコオーストリアギリシャトルコベトナムなども徴兵制を行っています。スウェーデンはナポレオン戦争以来戦争には参加していないため,200年以上非同盟,中立を貫いてきました。そのため200年近く戦争もしてきていないのですが,ロシアが2014年にウクライナ南部のクリミアを軍事力に物を言わせて編入したことで周辺諸国が警戒。スウェーデンも他人ごとではなくなってしまったため,徴兵制を復活させたというわけです。徴兵制は行っても,戦争は行われなければいいのですが,果たして…

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■3月12日
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・陸上自衛隊 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)から撤収

安倍首相は南スーダンから自衛隊を撤収させることを決断し,発表。派遣期間が5年を超え,過去最長になったことや,施設の整備に区切りがついたとのこと。

PKOは紛争が起こっている地域で停戦や監視などを行って,紛争解決を促すための国連の活動。報告書の内容や稲田防衛大臣の失言などで非難を浴びましたが,とうとう撤収となりました。野党からはそのあたりから,参加5原則が崩れ,自衛隊の安全確保ができなくなったから撤収するのではないかと言った指摘があります。とりあえずその真偽のほどはおいておき,南スーダンの場所PKOとは何かは知っておいた方がいいでしょう。

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■3月12日
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・サウジアラビアのサルマン国王 46年ぶりの来日

サウジアラビアのサルマン国王が来日。サウジアラビアの国王が来日するのは46年ぶりで,サルマン国王の来日は即位後初めてとなる。サウジアラビアは原油価格の低迷が続く中,石油に頼らない経済構造を作ることを目指しており,日本に経済協力を求める狙いがある。

サウジアラビアは石油で成り立っている国。以前は埋蔵量があと何年分と言われたが,現在では掘削技術の向上に伴い,しばらくは大丈夫そう。ところが世界的に石油による二酸化炭素の排出が問題視されはじめ,エコな社会構造に。そのため石油の使用量は次第に減っており,石油で成り立っている国は,石油以外の産業でやっていけるように構造改革をしなければならなくなった。そこで日本に技術を求めてきている。サウジアラビアを始め,石油産業で成り立っている国は場所も含めて調べておきましょう。

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■3月14日
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・教員負担軽減のため部活動指導員を導入

文部科学省は部活動の指導や退会への引率を行う「部活動指導員」を学校に置けるように省令を改正したと発表。

日本にいると当たり前になりがちですが,日本の部活のあり方は国際的に見るとかなり特殊。日本の場合,部活と言うと基本的にその学校に在学している間は同じ部活を続けるものというイメージがありますが,海外ではシーズン毎に部活を変えることが多い。また,日本では部活優先という学校も少なくないのですが,海外では勉強優先が基本。部活が単位として認められているところも結構あります。また,日本では学校や部活動によっては土日の部活動,しかも一日中というのが当たり前という部活もありますが,海外では休みの日は子どもも休むのが普通。部活や試合をする場合もありますが,日本のようにガッツリやるところはほとんどありません。色々な事情があるとはいえ,日本の部活動の現状は国際的には普通ではない状態なようです。先生が大変と言われていますが,冷静に考えれば子どもたちも十分大変で,ブラック企業ならぬブラック部活さながらの状況。だから部活はしない方がいいとは思いませんが,部活の在り方,位置づけは親子でもしっかり決めておく必要がありますね。それはそうとダンス部。どんどん人気が出てきていますね。一過性のものにならず定着していくと部活の在り方も変わってくるかも知れませんね。

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■3月28日
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・核兵器禁止条約交渉会議に日本が不参加

岸田外相が核なき世界に逆効果だとして,核兵器禁止条約交渉会議に不参加を表明した。この会議には核兵器国が参加していないため,核兵器国と非核兵器国との対立を一層深めかねないと指摘した。

日本は世界で唯一の被爆国として核廃絶に関して大きな影響力を有している。今回の会議は核保有国が参加しておらず,いくら話したところで核兵器を持っている国が参加してくれない以上,非難をするしかない状況になりかねないのは事実。しかし,日本が参加しないことで,結局はアメリカの核の傘に守られているから避難できないのだろうと言われてしまうのも事実。真相はわかりかねますが,いずれにせよ核がない世界はまだ夢のようです。ちなみに時事問題として使われることはおそらくないでしょう。

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■3月28日
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・JA 直販拡大で米9割に

JA全農(全国農業協同組合連合会)は農家から出荷した農産物の直接販売を増やすと明記した事業改革方針を発表。米に関しては現在の4割から9割へ拡大。これにより卸売業者を経由するよりも利益率を高められ,農家の収益増につながる。

JAというと農業関係のニュースでよく聞く通り,非常に力のある団体です。元々自営に近い農家は力が弱く,生活も苦しい人が多かった。そのため,協力しあってやっていく団体として現在の農協の基となる組織が誕生。農家から米を全て買い上げ,農協として販売することで,安定供給と安定収益を図って来た。政府も第二次世界大戦時に食糧管理制度で米を全て固定価格で買い上げてくれたため,農協の組織力は拡大。つい数年前までは農協を通さないと市場に農作物が流れない,流させないという所まで影響力を持っていた。ところが,価格は全てJAの言い値でないとならなかったり,JAが販売している肥料や農耕器具を使わなければならないなどの制約が大きく,農家の収入は一向に上がらず苦しくなる一方になった。さらに政府は1970年に減反政策を開始し,米が余って来たから田んぼを減らして生産量を削減していく事にしたため,生活できなくなる農家が増えた。政府もその影響を最小限にしようと補助金を出して収益が減った分を補てんしてきた。これがJAを思い上がらせる結果となり,国から補助金を絞り出すための組織に変わっていってしまった。結果,農作物の自由化が進めば進むほど国も農家も追い込まれていったため,次第に農家がJAを通さずに個人的に卸すようになった。するとその方が儲かるとしてJA離れが次第に広がっていった。このままでは補助金も出してもらえない,農家も離れていく一方,ということで,やっと本格的な改革に乗り出してこの政策に。というところ。守られていた農業から,世界で勝てる農業へと改革が進むといいものです。

若干マニアックなので時事性は薄いですが,コメ問題はさかのぼれば歴史とリンクしています。コメ問題と歴史を照らし合わせていくと,違った側面が見えて面白いですよ。

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■3月30日
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・愛媛の伊方原発 運転差し止めを認めず

広島,愛媛の住民4人が四国電力の伊方(いかた)原発に対して運転差し止めを求めたが,広島地裁が住民側の訴えを退けた。伊方原発は安全審査に合格し,昨年8月に再稼働している。

日本で現在稼働している原発は,鹿児島川内(せんだい)原発2基,愛媛県伊方原発1基の合計3基。福井県高浜原発は住民側の申し立てにより運転差し止め中。原発関連の時事はこのブログでも何度も取り上げていますが,ニュースに流された意見は扇動(せんどう)されているだけの可能性があるので,しっかりと自分で情報を集め,その上で自分の考えを持てるようにすることが大切意見がない状況というのは,政治家が自分たちの都合のいいように物事を動かしていく事につながってしまいます。

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■3月31日
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・ギャンブル依存症 都市部の成人の2.7%

厚生労働省はギャンブル依存症対策に関する関係閣僚会議で,都市部の成人の2.7%がパチンコや競馬などのギャンブル依存が疑われる状態になったことがあるとの調査結果を公表。これは単純計算で全国で280万人にも上ることになる。

IR法案によりギャンブルが合法化されると,ギャンブル依存の問題は必ずついて回る。ギャンブルは中毒性が高いため,一度ハマると散財するまで続けてしまうため,人生が大きく狂ってしまう可能性が高い。カジノは大きな収入源となりうるが,そのために犠牲になる人々も多いはず。有り余ったお金で楽しむか,人生をかけてお金を賭けるかは大きな差。時事性は薄いが,この問題はずーっとついて回ることになるので,ギャンブル依存に陥らないためにもぜひ興味を持って欲しいところ。ちなみになぜギャンブルが禁止されている日本において,競馬,パチンコ,スロット,競輪,競艇,オートレースなどは合法とされているのか,この辺りは調べてみると面白いでしょう。

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■3月31日
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・小中学校の新学習指導要領を告知

文部科学省が官報で新学習指導要領を告知した。主な変更点は以下の通り。

「聖徳太子」は歴史研究から厩戸王(うまやどのおう)と併記していたが,歴史教育の連続性から復活させた。

「異性への関心」という言葉はそのまま。LGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)が社会的に認知され始めたため,「異性」に限定するのはどうなのかという意見が出ていたが,そのまま残すことになった。

英語を小3からスタート。

竹島,尖閣諸島を「固有の領土」と明記。

・中学武道に「銃剣道」が追加。

これも時事性はありませんが,時代によって学ぶことが違うというのは興味深いところです。現在の子ども達が学ぶことと,将来の子どもたちが学ぶことはまた変わっているかも知れません。今習っている事,大人たちが習ってきたことが必ずしも正しいとは限らないという典型でしょう。それはそうと,目を引くのは「銃剣道」。これは元々幕末から明治にかけて,フランスの格闘術を基に,日本で銃の扱いと剣道を混ぜて改良されて正式に採用された武術。第二次世界大戦終了後にGHQにより武道を禁止され,銃剣道も消えました。それがここで復活するというと,軍国主義的で何とも物騒な感じもしますが,実は銃剣道は自衛隊ではまだ訓練の一環として使われています。また,具体的な中身(実際に選択できる武術)を見てみると,結局今までと変わっていないようです。というのも,実は競技人口が少ないだけで,国体の正式な競技種目なんですね。しかも競技人口は薙刀(なぎなた)より多いとか。だから名前を入れたというだけらしいですね。まぁイメージも大切ですが,結局は何の武道にしても,その武道を通して何を学ばせるかの方が重要ですね。

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■3月31日
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・朴槿恵逮捕 大統領経験者の逮捕3人目

韓国のソウル中央地裁は朴槿恵(パククネ)前大統領の逮捕状を発付し,朴槿恵氏は拘留所に収監された。これは大統領経験者としては3人目となる。

朴槿恵氏は収賄(しゅうわい)の容疑で逮捕された。事の発端は2014年。朴槿恵大統領の友人の崔順実(チェスンシル)氏の娘が,馬術の韓国代表選考会で特別待遇を受けたのではないかという疑惑が国会質疑で提訴された。その後の調査で朴槿恵氏が馬術協会やその他の崔順実の関連団体に資金を送っていたことが明らかになって来た。その中でも特に問題となったのが,大企業であるサムスングループが関わっていたこと。これにより収賄の疑惑が高まり,逮捕となった。大々的なニュースとなっているが,実は韓国大統領本人やその親族の逮捕は1988年の民主化以降毎回起こっている。しかも一人以外は全て収賄。日本でも収賄は問題になりますが,政治家はやはりお金と無縁というわけにはいかないのでしょうね。

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アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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