中学受験・高校受験で必須!
2024年度を目途に20年ぶりに紙幣と硬貨を刷新することが伝えられましたね。
この話題は時事問題はもちろん中学受験、高校受験でも狙われますので、押さえておいた方がいい関連事項を含めて見ておきましょう。
とはいえ保護者の方がこれを全て話す必要はありません。
知っている話題に無理せず関連付けられるものを、子どもと話してみて下さい。
子どもが興味を持たなくても押し付けないようにしましょう!
どこか別の場所でまたこの話を聞いたときに興味を持つきっかけになればいいのです。
肖像画のデザイン、ビフォーアフター
まず変更前と変更後の肖像画とデザインについて確認しておきましょう。
新紙幣ばかりに注目しているときは、以前の紙幣について問われることがあります。
- 1万円札
福沢諭吉、平等院の鳳凰像
⇒ 渋沢栄一、東京駅丸の内駅舎 - 5千円札
樋口一葉、燕子花図屏風
⇒ 津田梅子、藤(ふじ) - 1千円札
野口英世、逆さ富士
⇒ 北里柴三郎、富嶽三十六景
渋沢栄一
実業家で「日本資本主義の父」とも言われます。
日本最初の銀行であり最初の株式会社である、第一国立銀行の創設者ですね。
第一国立銀行は後に第一銀行、帝国銀行、第一勧業銀行となり、現在はみずほ銀行となっています。
他にも500近い企業の設立に関わったとされ、有名なものに現在の東京証券取引所、富岡製糸場、キリンホールディングス、サッポロホールディングス、東京ガス、帝国ホテル、東京海上日動火災保険、王子製紙、秩父鉄道、東洋紡、理化学研究所、一橋大学などがあります。
鉄道会社を次々と設立して日本の鉄道網を築き上げたのも渋沢です。
「財閥って聞いたことあるけど、渋沢栄一が作った会社は財閥とは違うの?」
このような質問をよく聞きます。
歴史を学んでいる子だと、4大財閥も学んでいるので、渋沢栄一の会社と財閥の違いがわからなくなってしまうのです。
簡単にまとめておきましょう。
- 財閥:1人のトップが全体を取り仕切って、独裁的な経営をしていた。
- 渋沢栄一の会社:用途ごとに個別に会社を立ち上げたため、権力が集中しなかった。
これが大きく異なる点です。
これは渋沢が「私利を追わず公益を図る」という理念のもとに会社を作っていたためと言われています。
ちなみに渋沢栄一は実は韓国で初めて紙幣が作られた時の肖像画に採用されています。
とは言っても韓国が率先して採用したわけではなく、日本が占領していた時代に第一銀行が作った紙幣なので韓国からしてみたら黒歴史の1つなわけです。
津田梅子
女子教育の先駆者で、現在の津田塾大学の創立者です。
6歳で岩倉使節団に参加し、11年間アメリカで過ごしました。
当時女子教育といえば花嫁修業が当たり前で、読み書きそろばんなんてものは女性がするものではないという風潮でした。
そんな中留学から帰ってきた津田梅子は日本の女性の地位の低さにショックを受け、女子教育に力を入れたと言われています。
岩倉使節団というのは教科書にも出てくる重要な用語の1つで、欧米の文化を学ぶために派遣された留学生です。
女子教育に力を入れたという点では、現在の日本女子大の創設者である広岡浅子も「あさがきた」のドラマの影響で有名になりました。
よく違いを聞かれますが、広岡浅子は実業家なのに対して、津田梅子は教師という点で大きく異なります。
ここまでだと岩倉使節団ぐらいしか子どもの知識に引っ掛かりそうもないのですが、ヘレンケラーやナイチンゲールとも会っている人、という話をすると大抵の子はピンと来て関連付けされます。
また、日本語を忘れてしまって英語しか話せなくなったというのもインパクトがあり、記憶に残りやすいはずです。
ちなみに千葉ネタですが、津田梅子の父親、津田仙(つだせん)は佐倉城で生まれ、現在の佐倉高校の前身である成徳書院で学んでいます。
日本で初めて通信販売を行い、雑誌カタログでトウモロコシの種を売ったそうです。
北里柴三郎
北里柴三郎はペスト菌の発見、破傷風、コレラの治療法開発(血清療法)で有名です。
日本の細菌学の父と言われています。
北里大学の母体でもある北里研究所、慶応大学医学部の創設者。
野口英世の紹介状を書いてアメリカへ留学させた。
破傷風というのは破傷風菌という菌が傷口から入り感染する病気で、体のしびれや痛みを伴い、死亡することもあり、日本では三種混合ワクチンに含まれています。
ペストは香港で大流行した致死率90%ともいわれる病気で、北里がペストの感染源であるネズミの駆除のために猫を飼うことを推奨したことが、現在の香港と猫の風景となっています。
コレラは日本でも大流行し、北里自身も2人の弟をコレラで失ったことがコレラ研究のきっかけになったと言われています。
血清療法を確立したものの日本では理解されず、自分の娘で実証して信頼を得ました。
なお血清療法とは、馬などの体内にその病原体の毒素を入れ、それに対する免疫作用で大量に作られた抗体を取り出して感染者に投与する方法です。
雑なたとえをするならば、友達の家で花粉をまき散らして、友達が花粉症対策として取り入れた空気清浄機を自分の家にもらって(奪って)きて、自分の家の花粉を減らす、みたいな治療法です。
関連するものはいくらでもある!
さすがに新紙幣については、まだ実物は手に入りません。
しかし見本は見ることができます。
また、それぞれ偉業を成し遂げたから肖像に採用されています。
ということは、調べれば何かしら身近なものとの関連事項が見つかるものです。
ここには入試で重要な部分を中心にまとめましたが、子どもの興味は入試に関係なく広がっていくものです。
手元に来れば必ず話題になりますから、できれば事前に少しでも調べておきたいところです。
これから外国人が日本に来る機会が増えて、紙幣に書かれている人が何をした人か説明できなかったら日本人として恥ずかしいですからね(^^;
また、ここにあるものも、無理せず、へーと思ったことを1つでも子どもと共有して、名前と関連付けられるきっかけを与えられるといいでしょう。
放っておいても何度もこの話題に触れることになるでしょうから、触れやすくなるきっかけを与えておくことが大切です。
ファイではこのように時事問題から授業を派生させています。
一見受験に関係ないようなものも、身近なものに関連するため、印象付けがしやすくなります。
丸暗記でうまくいかない子が、次々と成績アップに成功していますので、ぜひ真似してみて下さい。
また、月1万円で、保護者向けアドバイスも行っていますので、お子様との関りにお困りの方はご相談下さい。
動画はファイの授業(雑談)を行ったときのものです。子ども達がどういうところに興味を持っているのかの参考にどうぞ!