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2019年11月:親子で学ぶ、中学受験のための時事問題

首里城で火災

11月1日:★★★

沖縄県那覇市の首里城で大規模な火災が発生し,正殿を含む7棟が全焼した。

首里城は世界遺産に登録されている場所でもあるため,時事性は非常に高くなります。場所と名称は押さえておきましょう。なお,世界遺産の構成要素はあくまで石垣のため,木造建築部分が消失しても世界遺産から除外されることはありません。

日本提出の核廃絶決議案 国連で採択

11月2日:★

国連総会で日本政府が提出した核兵器のない世界に向けた行動指針を盛り込んだ決議案が賛成多数で採択された。しかしアメリカは棄権し,ロシア,中国,北朝鮮,シリアは反対。昨年に比べて賛成は12カ国減り,棄権が2カ国増加。日本の核廃絶決議案は26年連続で採択されているが,日本もオーストラリアが提出した核禁止条約には反対しており,核をどのように扱っていくかは日本も含めて意見が割れている。

実効性が低いため時事性は高くありませんが,核廃絶について核保有国が子どもの喧嘩のような状態になっているのが良くわかります。結局やられる可能性があるからやり返す手を捨てきれないということです。

安倍首相 タイのASEAN関連会合へ出発

11月3日:★★

安倍晋三首相が3~5日に行われるタイのバンコクで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するために出発した。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉や,中国の李克強(りこくきょう)首相らとの会談も予定している。

ASEAN(Association of Southeast Asian Nations:東南アジア諸国連合)やRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)という言葉は時事問題として出てくる可能性があります。

小中学生の9割が近視 失明のおそれあり

11月3日:☆

慶應大学のグループが東京都内の小中学生1400人を対象に調べたところ,9割近くが近視で,特に中学生の1割が強度近視という将来失明につながる病気を発症する危険性がある状態であることがわかった。近視は屋外活動の減少に伴って増えるとされ,2050年には世界人口の半数が近視になるという試算があり,世界保健機関WHO:World Health Organization)も深刻な懸念を示している。

時事性はありませんがWHOはニュースでも度々出てくるので,押さえておいた方がいいでしょう。単純に子どもの視力に関する記事として取り上げました。近視は環境に合わせて進化しているとも考えられていますが,この先人類は視力を必要としないということなのでしょうか。

救急救命士 病院内でも処置可能に

11月5日:☆

厚生労働省は救急救命士の活動について,病院内でも認める方針を固めた。救命士の資格を持ちながら,院内では救命措置に携われない状況を改善し,救命医の負担を軽減する。

救命士は事故現場や救急車内のみ救命活動をすることが許されているが,あくまで医師の指示のもとで,という条件付き。さらに病院内では医師がいるだろうということで救命行為は認められていない。しかし最近は医師不足が問題になり,負担軽減の必要性にせまられているため,このような変更をすることになりました。時事性はありませんが,高齢化社会とは切り離せない問題のため,ネタにはなる可能性があります。

成田空港 3本目の滑走路建設へ

12月5日:☆

国土交通省は成田空港の基本方針を53年ぶりに改訂し,3本目の滑走路を新設に着手することになった。これにより,発着回数は1.7倍に増やせる見込み。

成田空港には現在2本の滑走路があり,当初3本目は横風時に使う用として建設する予定でした。しかし土地買収問題で反対運動が起き,1本目の段階からなかなか計画が進まない状況でした。最近の航空機は高性能化し,横風時でも安全に着陸できるようになってきたことから,3本とも平行に並ぶ滑走路にして,早急に滑走路の本数を増やすことを優先することを決定しました。時事性はありませんが,成田空港については中学受験では交通手段の一つとして重要なもののため,押さえておくといいでしょう。

トランプ大統領 パリ協定からの離脱を通告

11月5日:★

アメリカのトランプ大統領は,地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を正式に決定し,国連に通告。「パリ協定はアメリカの労働者やビジネスに不公平な経済的負担を強いる」としている。

パリ協定とは,18世紀の産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目指そうと,温室効果ガスの削減目標を設定して実行していくことを目指しているます。しかしアメリカは現在温暖化ガスを削減するために工場を止めるよりも,経済を活性化させたいため,離脱することを決定しました。協定名自体を聞かれることはないでしょうが,選択肢の1つとして出てくることはありますので,名前は知っておくようにするといいでしょう。

住民票の旧姓併記が可能に

11月5日:★

公的な身分証明書となる住民票やマイナンバーカードへ結婚前の旧姓を併記できる制度が開始。戸籍書類がなくても旧姓の証明を楽にし,旧姓でも活動しやすくすることが狙い。

以前は寿退社といって,結婚したら専業主婦になる人も多かったため旧姓がなくても問題にはなりませんでしたが,働く女性が増えたため,途中で名前が変わることが不便になってきました。そのために旧姓を併記し,苗字が変わっても支障が出にくいようにしていこうという狙いです。なお,現在日本の法律では夫婦別姓は認められていません。時事性は高くありませんが,なぜ併記が必要になってきたのかという背景を考えさせると,公民の力につながってきます。

RCEP インドが撤退

11月5日:★

RCEP(アールセップ:東アジア地域包括的経済連携)の首脳会議がタイのバンコクで開かれ,そこでインドはRCEPに参加しない方針を伝えた。RCEPはインドを抜いた15カ国での発足を目指すことになる。

RCEPという言葉は題材にされる可能性があるため,押さえておいた方がいいでしょう。要するに関税を撤廃して,自由貿易で経済を活性化させようというものです。しかしながらインドはすでに様々なものを中国から大量に購入しているため,関税をなくすことになると,さらに中国へお金が流れてしまうことから不参加を表明しました。子どもは関税を身近に感じておらず理解しにくいため,関税についての話題として触れておくといいでしょう。

中国 18歳未満のオンラインゲームを制限

11月6日:☆

香港中国政府は,青少年のゲーム依存症対策として,オンラインゲームに制限を設ける処置を発表。夜間の利用ができなくなり,時間制限も設けられる。また,課金の制限も行われる。さらにゲームの会社にはこのルールを守らせる義務が与えられ,警察もゲーム会社が身元確認をできるように協力する。

ゲーム依存症は世界中で問題になっており,日本でもゲーム依存症が原因で不登校に発展する子が増えています。日本では中国のような思い切ったことができないのですが,もし中毒にならせたくなければ,やはりある程度強硬手段に出る必要があるということの現れでもあります。

桜島で噴火

11月8日:★

鹿児島県桜島で爆発的な噴火があり,噴煙が火口から5500メートルまで上がった。噴煙の高さは記録に残る中で一番高い大規模な噴火。気象庁は桜島の噴火警戒レベルを3(入山規制)にした。

桜島が噴火すること自体は日常的なので珍しいことではありませんが,桜島は地理でも重要な場所のため,周辺事項も含めて確認しておくといいでしょう。

ベルリンの壁 崩壊から30年

11月9日:★

1989年ドイツベルリンの壁が崩壊してから30年を迎え,記念式典が行われた。メルケル首相は「自由や民主主義は当たり前にあるものではなく,守られていくもの」と訴えた。

ベルリンの壁は東西冷戦の象徴と言われ,1961年に作られてから28年間ベルリンを分けていました。ベルリンの壁崩壊から2年,冷戦は終了しソ連も崩壊。この辺りは関連事項として出題される可能性はあります。勉強として覚える必要はありませんが,ベルリンの壁とはどのようなものだったのかという話は聞かせてあげるといいでしょう。

ポリオウイルス流出

11月9日:☆

大阪の微生物病研究会のワクチンを製造する子会社で,ポリオウイルスを含む培養液を誤って下水に流してしまったと発表。培養液は海水で薄められ,数週間で死滅することから,人体への影響はないと発表。

時事性はありませんが,病気やワクチンに関することは時々題材として用いられます。それ自体が大して重要な問題となるわけではありませんが,見知らぬ名前か聞いたことがあるかは受験生にとって大きな差になります。なお,ポリオは対抗策がないため,日本では生後3~18か月の間にワクチンを投与しています。

即位を祝うパレード

11月10日:☆

天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀音列の儀」が行われ,約5キロのコースをオープンカーで走行した。

パレード自体の時事性は低いのですが,即位の礼の一環ということを考えると,関連事項として問われる可能性はあります。儀式の名前は知っている程度には押さえておくのがいいでしょう。

文化的タトゥー認めて

11月13日:☆

群馬県渋川市は伊香保温泉に文化としてタトゥー(入れ墨)をする外国人の入浴をできる限り容認するように要請。2020年東京五輪・パラリンピックで来る外国人に配慮して欲しいとした。

日本で入れ墨をしているのは暴力団やヤクザといった人たちで,入れ墨を見るとそういった人たちを思い浮かべて怖い思いをするため,入れ墨をしている人を一律にお断りしています。しかし世界では入れ墨が文化となっている国もあり,その人達が日本に来ると,入れ墨というだけで入浴を断割られてしまうケースもあり,柔軟な対応を求めた形です。さすがに今の時代,入れ墨をしている外国人を見かけるようになりましたし,入れ墨=反社会的勢力とは思わなくなってきていると思います。時事性はありませんが,文化の違いの例として触れておくといいでしょう。

はやぶさ2 小惑星リュウグウを出発

11月13日:★

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は小惑星リュウグウの上空にある探査機はやぶさ2が地球へ向けて帰路についたと発表。2020年12月頃に地球へ接近する予定。

今回は大きなトラブルもなくミッションを成し遂げそうな気配のハヤブサ2。これ自体が時事に問われることはないと思いますが,ハヤブサ2自体は入試問題に出てくることが多いため,話題として押さえておく方がいいでしょう。

大嘗宮の儀が行われた

11月14日:★

天皇陛下の即位に伴う皇室行事,大嘗祭(だいじょうさい)の中核儀式,大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀が行われた。

大嘗祭の儀は国家安寧(こっかあんねい)と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る儀式。お供え物のため通常は供え物として破棄していましたが,今回は食品ロスを減らすという観点から,障碍者施設の食材として提供されることになりました。あくまで皇室行事というだけで,一般行事ではないため時事性は高くないと思われますが,天皇の儀式の1つとしてそういうものがある程度には知っておくといいでしょう。

野球の国際大会で日本初優勝

11月17日:☆

野球の国際大会「プレミア12」の決勝が東京ドームで行われ,日本代表の侍ジャパンが,韓国に逆転勝ちして初優勝を果たした。

スポーツなので保健体育の時事問題に出る程度でしょう。

AIがセンター試験の英語で高得点

11月18日:☆

NTTが国立情報学研究所と共同で開発したAI(人工知能)が,大学入試センター試験の英語の筆記試験を200点満点中185点を取る好成績を達成したと発表。

AIが高得点を取れるということは,英語を話せなくてもAIが変わってくれる可能性があるということになり,入試の英語も人である必要がなくなってくるものを試験していることになります。今後子ども達に何を学ばせていくべきか,考えさせられますね。

安倍首相 在任期間歴代最長2887日越え

11月20日:★★★

安倍総理大臣は通算で2887日の在任期間となり,歴代過去最高だった桂太郎元総理大臣を抜いて最長となった。

在任期間が長いことは安定政権として世界からは評価されます。文書改ざんや隠蔽など,都合の悪いことにはふたをしながら維持している政権ではありますが,歴代最長となったことで時事問題にはしやすくなりました。中学受験では時事として政府の方針を問う問題を毎年出す学校もありますので,学校の傾向に合わせて押さえておきましょう。

ローマ法王訪日 広島,長崎を訪問

11月23日:★★★

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が来日し,広島,長崎を周り,被爆者のために祈りを捧げた。

ローマ法王はイタリア国内にあるバチカン市国の国家元首で,世界のカトリック信者を束ねている教皇でもあります。フランシスコ法王はその中でも,日本にも布教にきたザビエルが作ったイエズス会出身。日本では宗教自体に関心があまりない人も多いのでこれだけ騒がれている理由がわからない子も多いのですが,歴史とも関連があり,教皇の行う事は世界的には大ニュースなため,簡単にでも押さえておくといいでしょう。なお,ステンドグラスがある協会がカトリックです。

アメリカで香港人権法案が成立

11月28日:★

トランプ大統領が香港人権・民主主義法案に署名。香港の民主化を後押しするもので,中国政府は反発している。

香港の問題は以前の時事でも話していますので,そちらを参照。長期化しており,時事問題としても出しにくい話題のため,概要だけ押さえてあれば十分でしょう。なお,香港で24日に行われた区議会選挙では,民主派が85%の議席を獲得して圧勝しています。

著作権侵害物写り込むスクショはOK

11月27日:☆

文化庁はインターネット上の海賊版対策のため,ダウンロードを規制する著作権法の改正について,著作権侵害のイラストなどが一部に写り込んだスクリーンショットについては違法としない方針に転換。規制の対象となるのは,権利者の許可なくネット上に上げられた漫画や写真,論文などを著作権侵害物と知りながらダウンロードする行為。

リテラシーとして扱われる可能性はありますが,通常の社会としては時事性は高くありません。子どもの携帯の使い方として話しておく必要はあるでしょう。

チバニアン 3次審査通過

11月29日:★★★

地質学上の時代名の一つをチバニアン(千葉時代)と命名するための審査が3次審査まで通過した。これにより専門家による科学的な検討は事実上終了したため,国際学会の理事会で承認されれば,46憶年の地球の歴史の地質時代名の中に,日本の地名が付くこととなる。

千葉県市原市にある7万3000年前の地層は千葉セクションと言われ,地球の地磁気が最後に逆転した痕跡が残ります。この時代は今まで特に呼び名がなかったのですが,代表的な地質ということで,チバニアンという名称がつく可能性が高くなりました。もうほぼほぼ確定のところまで来たため,チバニアンは地層の問題と絡めて出される可能性が高いでしょう。

馬毛島 国が購入し米訓練に

11月29日:☆

政府はアメリカの空母艦載機の陸上離着陸訓練の移転先として,鹿児島県にあり現在無人島である馬毛島(まげとう)を活用することを決定。地権者との交渉も大筋で完了した。購入金額は160億円。

時事性は低いのですが,国策により大きなお金が一企業,一団体,一個人へ流れる例の一つです。尖閣諸島のときもそうでしたね。森かけ問題,桜を見る会の問題も,ここまで大きなお金ではないにせよ同じようなことが起きています。政府のお金の使い道は国民として見て考えていく必要がありますね。なお,大きなお金や黒い影が見えるお金の流れには子どもは敏感で,非常に興味を持ちます。経済の感覚をつかみやすくなるので,どうせわからないと決めつけずに話して見るといいでしょう。

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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