目次
- 1 イギリス EU離脱
- 2 護衛艦たかなみ 中東の調査へ
- 3 世界陸連 ナイキの厚底シューズを規制
- 4 聖火リレーの第一走者 史上初の女性に
- 5 WHOが台湾排除
- 6 新型ウイルス警告の医師 死亡
- 7 浜松のウナギ購入額 転落
- 8 新型肺炎死者数 SARS超え
- 9 網走 過去2番目に遅い流氷到来
- 10 南極で過去最高気温 18.3℃
- 11 H2Aロケット 打ち上げ成功
- 12 フィリピン 米軍地位協定を破棄
- 13 新型肺炎 「COVID-19」と命名
- 14 世界最高齢の男性 112歳
- 15 聴覚障害者向けの津波警報
- 16 台風19号を「令和元年東日本台風」と命名
- 17 関東地方で春一番 昨年より15日早い
- 18 日本政府 全ての学校を休校要請
- 19 楽天 公正取引委員会が緊急停止命令
- 20 音楽教室でも著作権料発生 JASRAC勝訴
イギリス EU離脱
2月1日:★★★
イギリスが47年間参加してきたEU離脱。
EU離脱は時事性が非常に高い問題です。こちらの記事も合わせて読んでおきましょう。
⇒ イギリスのEU離脱から学ぶ受験の小ネタ
護衛艦たかなみ 中東の調査へ
2月2日:★
海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が横須賀基地を出港し,中東の調査・研究にあたることとなった。自衛隊が長期間派遣されるのは初めて。
今回の措置は,アメリカが求める中東・ホルムズ海峡の安全確保のための有志連合に答えるためのもの。日本はイランとの関係も考えて有志連合には参加しませんが,防衛省設置法の調査・研究という規定に基づいてなら派遣できるため,このような措置でアメリカの顔も立てました。中東問題は難しいため直接的に時事問題にはなりにくいのですが,「たかなみ」の名前くらいは耳に入れておくといいでしょう。
世界陸連 ナイキの厚底シューズを規制
2月7日:☆
ナイキが開発した厚底シューズを使うことで,長距離の世界新記録が続出している問題で,世界陸連がシューズ規制の再強化を示唆。1つの靴が持つ利点が大きすぎると判断した場合は規制強化される可能性があるとした。
現代の記録を前回の東京オリンピックの時に出していたら,ほとんど全員が世界記録状態だと言われます。その要因が技術の進歩。今回のナイキの厚底シューズもその技術の進歩の1つですが,最近の進歩は著しく,パラリンピックの選手が健常者のオリンピック選手の記録を抜く可能性があるとまで言われています。どこまでが能力で,どこからが技術なのか,境目が難しい問題ではありますが,ロボットと生命の境目と同様,境目の線引きは今後どんどん難しいものになっていくでしょう。その辺りをテーマに話してあげられるといいですね。
聖火リレーの第一走者 史上初の女性に
2月7日:★
五輪委員会は東京五輪の聖火リレーの第一走者を,アンナ・コラカキ氏にすることを発表。アンナ氏はリオデジャネイロ五輪の射撃競技で金メダルに輝いた選手。オリンピック史上初の女性第一走者となる。2番目には日本人最初の走者として,アテネ五輪のマラソン競技で金メダルを取った野口みずきさんが走る。
女性初の第一走者ということもあり,時事問題にされることもあるでしょう。名前ぐらいは押させておきましょう。
WHOが台湾排除
2月7日:☆
スイスのジュネーブで開かれている世界保健機関(WHO)は,新型コロナウイルスの対応を巡り,「国ではなく地域の参加は認められない」として台湾を排除した。しかし,実際には中国と台湾は仲が悪く,連携が取れないのではないか,ということで日本は「特定の地域がオブザーバーとしての参加さえ認められないことによる地理的な空白を生み出すべきではない」と非難した。
要するに,台湾は国ではないから,中国が参加すればそれでいいでしょ,ということです。日本に例えるなら,ダイヤモンドプリンセス号の問題があるから,東京と神奈川が参加する,みたいな感じです。この後に及んでそんなことやっている場合でもないと思いますが…
⇒ 後日台湾の専門家の参加が認められました。
新型ウイルス警告の医師 死亡
2月8日:☆
新型コロナウイルスの感染拡大について,中国政府が公表する前にSNSで「SARSのようなウイルスが発生している」と警鐘を鳴らしていた医師,李文亮(りぶんりょう)氏が自らも新型コロナウイルスに感染して亡くなった。李さんは発表当時,中国当局から「デマを流して社会の混乱を招こうとした」として処分されていた。また中国当局は「人から人への感染はない」「院内感染はない」と発表していた。しかし実際には感染力が強く,瞬く間に感染が拡大。これに対して通常はタブーとされている中国当局の体制非難が相次いでいる。
これ自体に時事性はありませんが,中国政府の在り方が批難されるという現象は前代未聞の出来事です。通常なら握りつぶされていますからね。しかし今回はあまりに非難が多すぎて対応しきれないようです。一個人でも情報を発信する力が強くなった一方,嘘であっても力のある人の発言が真実として広がってしまう危うさが露呈していますね。その辺りは子どもに意識させておくといいでしょう。
浜松のウナギ購入額 転落
2月8日:★
浜名湖産のうなぎで有名な浜松のかば焼き購入が全国16位となり,11年連続で守ってきた1位から陥落した。浜松市民は安い海外産のうなぎは購入せず,高くても地元浜松で取れたウナギを購入する傾向があるため,海外産を食べる他県に負けたとみられている。
何位になったか,自体は出ないでしょう。浜松,浜名湖がウナギの養殖の産地だという部分は関連事項として出る可能性があります。なお,ウナギは回遊魚のため,日本産でも台湾産でも,取った船の国籍が違うだけで中身は一緒です。そのため,日本がいくら規制をかけて絶滅から救おうとしても,日本の業者が台湾の業者から仕入れてしまえば,日本の法律は適用されず,いくらでも買えることになってしまいます。この辺りの仕組みも,一度聞けば忘れないので話してあげるといいでしょう。
新型肺炎死者数 SARS超え
2月9日:☆
新型コロナウイルスによる肺炎での死者数が800人を超え,2002年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の全世界の死者数774人を上回った。
上回ったこと自体の時事性は高くありませんが,上回ったということは社会的影響が大きくなるということですから,関連して起きる出来事には注目しておきたいところです。
網走 過去2番目に遅い流氷到来
2月9日:☆
北海道網走市(あばしりし)にオホーツク海からの流氷が到来。平年よりも19日,昨年より27日遅い到来で,過去2番目に遅い観測となった。
網走の流氷は観光地として有名ですが,入試の話題にもなります。流氷は北風に流されて来るため,北風が弱まると流氷の接岸が遅れます。北風が弱まるということは,気温が下がりにくいので,暖冬だったということです。この辺りはちょっと考えれば受験の知識でカバーできるので,考えさせてみるといいでしょう。
南極で過去最高気温 18.3℃
2月10日:☆
世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)は南極で6日に過去最高気温の18.3℃を記録したと発表。フェーン現象が影響したとみられている。
北極の氷が解けても海水面は上昇しないと言われていますが,南極は大陸に乗っている氷が流れ出してしまうため,気温が上がるということは海水面の上昇に直結します。気温自体の時事性は高くありませんが,南極は温暖化で地球規模の影響を及ぼすことは押させておきましょう。
H2Aロケット 打ち上げ成功
2月10日:☆
北朝鮮の軍事施設を監視するための偵察衛星(光学7号機)を搭載したH2Aロケット41号機が種子島宇宙センターから打ち上げられた。H2Aロケットは35回連続で打ち上げ成功し,成功率は97.56%となった。
偵察衛星なので時事性は低いでしょうが,H2Aロケットは日本の産業用ロケットとして世界へ売りだしている主要ロケットです。今後も宇宙開発が加速していきますので,名前は知っているといいでしょう。
フィリピン 米軍地位協定を破棄
2月11日:★
フィリピン政府(ドゥテルテ大統領)は米軍との間で結んでいる地位協定を破棄することを,アメリカ側に通告。撤回されない場合は半年後に失効となり,両国間の同盟関係が弱くなる。
日本に直接関係はないため時事性は低いと思われますが,フィリピンとアメリカの軍事協力が弱まると,中国が勢力を伸ばしてきます。そうなると日本の影響力も弱くなる可能性があるため,全く関係ないとは言えません。
新型肺炎 「COVID-19」と命名
2月12日:★★★
世界保健機関(WHO:World Health Organization)のテドロス事務局長は,スイスのジュネーブで開いた記者会見で,新型コロナウイルスが引き起こす病気をCOVID-19(コビッドナインティーン)と命名したことを発表。また,ワクチン開発に18か月かかる見通しを示した。
coronavirus(コロナウイルス)+Disease(病)+2019から作られた名称です。これだけ世界的に知名度を上げたウイルスですから,時事性は高くなります。知らなければ解けないので,覚えておきましょう。
17日追記:厚生労働省が
- 風邪の症状や37・5度以上の発熱が4日以上続く。
- 強いだるさや息苦しさがある。
このどちらかに当てはまる場合は,保健所などに開設した専用窓口「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談するよう求めています。
世界最高齢の男性 112歳
2月12日:☆
新潟県上越市に住む渡辺智哲(ちてつ)さんが世界最高齢,112歳で存命中の男性として,ギネス世界記録に認定された。
時事性は全くありませんが,子どもはこういう一見くだらないデータに興味を持ちます。112年前といったら1908年(明治41年)。桂太郎内閣の年で,1904年には日露戦争,1910年には韓国併合があったあたりの時代です。江戸時代最後の将軍,徳川慶喜が死去したのが1913年なので,5歳くらいの新聞に綱吉死去の記事が載った時代を生きていたことになりますね。このように広げていくと,ただの年齢のギネス記録が歴史とつながっていきます。
⇒ 同月23日にお亡くなりになりました。
聴覚障害者向けの津波警報
2月14日:☆
気象庁は海水浴場で聴覚障害者へ津波警報を伝えるための旗を発表。赤と白の格子模様の旗となった。
時事性はありませんが,ノーマライゼーション(障害を持つものと持たないものが平等に生活する社会実現)のための一環としては公民に関連してきます。
台風19号を「令和元年東日本台風」と命名
2月19日:★★★
気象庁は昨年10月の台風19号を「令和元年東日本台風」と命名。1977年の沖永良部台風(おきのえらぶたいふう)以来の43年ぶり。なお,昨年9月の台風15号は「令和元年房総半島台風」と名付けた。
自然災害に名前をつけるということは,それだけ忘れずに教訓とするべき重要な出来事だった,ということです。関連事項も含めて時事性は非常に高いので,名称は押さえておきましょう。
関東地方で春一番 昨年より15日早い
2月22日:★
気象庁は関東地方で春一番が吹いたと発表。昨年よりも15日早い発生。
春一番は以下の条件に当てはまる風のことを指します。
- 立春から春分の間に吹く
- 日本海に低気圧がある
- 関東地方に最大風速8m以上の強い南風
なお,定義は地域によって違うため,関東で吹いたからといって日本全国春一番が吹いたわけではありません。また,春一番が春の訪れを感じさせるために注目を集めますが,春2番,春3番もあります。
日本政府 全ての学校を休校要請
2月27日:☆
安倍首相は新型コロナウイルス対策として,全学校の臨時休校を要請した。
現場にすら伝わっていない状況で,突然のメディアを通じた発表。判断は自治体に任せるので柔軟に,としたものの,要するに方針だけ決めて丸投げ。決断力という意味での評価は高いものの,フォロー体制ができていない状態での決定と発表に現場は大混乱になりました。しかしそれでも,暴動も起きず,何とかなってしまうあたりはさすが日本と言うべきでしょうか。
楽天 公正取引委員会が緊急停止命令
2月28日:★
楽天市場を運営する楽天が,一定金額以上購入した場合に送料を無料にし,その負担を店舗に求めている問題で,公正取引委員会は優越的な立場を利用した不当な要求にあたる疑いがあるとして,独占禁止法に基づく緊急停止命令を裁判所に申し立てた。
会社名が出ているので時事問題にはなりにくいとは思いますが,独占禁止法は受験でも出てくるキーワードの一つ。その市場を独占することで,価格操作することを指します。今回の場合は楽天市場に出店しているお店に価格設定の権利はあるものの,大元である楽天がその価格に関して口を出しているという所が問題になりました。同じようなことはamazonもgoogleもやっているんですけどね。
音楽教室でも著作権料発生 JASRAC勝訴
2月28日:★
音楽教室での演奏にも著作権料が発生するとして,JASRAC(日本音楽著作権協会)が著作権使用料の支払いを求めたことに対して,音楽教室が起こした裁判で,東京地裁は著作権料の徴収権に該当するとして,東京地裁は請求を棄却した。
今まで音楽教室は公衆に対する演奏でもなく,聞かせることを目的としていないため,著作権にも演奏権にも該当しないと主張してきましたが,習うためのものであっても著作権料が発生すると示された形となりました。これにより音楽教室の受講料が高くなることが予想されます。小さい子に音楽を習わせるのに費用負担が大きくなることを示しており,ますます子育てしにくい社会になりそうですね。それでなくても音楽は騒音の問題から練習もしにくくなっているというのに…
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