目次
ファイの時事問題の特徴と使い方・注意点
四谷大塚の全国大会出場者を始め、サピックスや日能研といった中学受験、高校受験の進学塾上位の子、及び保護者が多数利用しています(≧▽≦)
単純にテストに出る所を押さえたものではなく、親子で話題にするだけで子供が賢くなるネタ、ポイントを紹介。
必要のない部分、細かい数字は極力減らし、小学生・中学生でもわかりやすい簡単な言葉で印象付けしておくことで、関連事項が押さえやすいようにまとめています。
また、中学受験対策・高校受験対策・定期試験対策としても使いやすいように、重要度を★マークで表示。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。
親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めないように!
2021年3月の時事問題
中国 台湾産パイナップルの輸入停止
3月1日:☆
中国共産党が台湾産のパイナップルの輸入を停止。何度か害虫が見つかったためとしているが、台湾政府は中国での台湾産パイナップルの権益合格率は99.79%のため、政治的圧力に利用された可能性が高いと発表し、中国共産党を非難。
国際ルールとしては、貿易を政治利用して脅迫の材料にしてはいけないことになっていますが、確かめようもない言いがかりをつけてしまえば違反にもできないという、ザルのようなルール。中国共産党はそれを利用して、あちこちで圧力をかけています。日本にもレアメタルの輸出規制を行ったことがありましたね。
中国共産党の非難になりかねないため、このニュース自体が時事問題となることはないでしょうが、ルール通り生きていても通用しない相手がいることは知っておいてもいいでしょう。真面目に勉強だけしていればいいというわけではない、ということです。
EU 男女の賃金格差の公表義務付け
3月4日:★
EU(欧州連合)は、男女間の賃金格差の解消に向けて、250人以上雇用する企業には、男女別の平均賃金を公表することを義務付ける方針を決定。罰金などの罰則も設ける。
男女差別、人種差別について、日本は欧米諸国の中でもかなり遅れている方だと言われていますが、EUはさらに先へ踏み込んだ形となりました。
日本はまだ格差があるどころか、どれだけあるのか実態すら把握できていない現状ですから、意識する人、モノ言う労働者がもっと増えて欲しいところですが、ほとんど増えていません。
その原因の一旦に教育があります。今の大人たちは丸暗記で勉強して来た世代なので、仕組みがよくわかっていない上、考えることもしないんですね。だから都合のいい労働者を量産する体制になってしまっているのです。
それを脱却するには、子どもでも、こういうニュースを通じて現状をしっかり伝え、考えてもらう機会を取って欲しいところですね。
世界初 レベル3の自動運転を発売
3月5日:☆
ホンダは市販車として世界初となる「レベル3」の自動運転機能を搭載した車(レジェンド)を発売。当面の間、自動運転になるのは高速道路限定だが、レベル1・2とは違い、運転の責任がシステムにも生じることになる。ただし、緊急時はドライバーが運転することになるため、テレビやスマートフォンの操作はできるが、席を離れることはできない。
自動運転というとテスラやgoogleを始めとする海外の自動車が先行しているように感じますが、実は法整備が追い付いていなかったんですね。そのため、技術はあっても実用化にはこぎつけなかったのです。
それに対して今回日本は世界に先駆けて法整備を進めており、リードを取ることができたという感じです。珍しく法改正が早かった理由は、東京オリンピックを見据えてのことでしたが、残念ながらオリンピック自体はどうなることやら…ですね。
自動車は日本の主要産業なので、気にかけて子どもと話す機会を設けておくと、地理の問題が解きやすくなるでしょう。
香港議会 愛国者重視の選挙制度改正案可決
3月11日:☆
中国の全国人民代表大会は香港の選挙制度を見直す「愛国者による香港統治」の決定案を可決。これにより共産党政権に従う愛国者であることが出馬条件となり、民意を反映する余地は大幅に削られ、高度な自治を認めた1国2制度は事実上消滅することになった。
香港では民主化を求めて若い子たちが立ち上がり、ルールにのっとって民主運動をしていましたが、中国共産党がそのルール自体を変えるという方法で潰したというニュースです。
隣の国のことなので関係ないことのように感じるかも知れませんが、自分がルールを守って正しいことをしていても、権力者が都合のいいようにルールチェンジしてしまうということ自体は、日本でも普通に起こっていることです。子どもにルールを教えるだけではなく、ルールチェンジが起きる可能性まで踏まえて考えられる思考力を身につけさせておきたいところですね。
千葉知事選 熊谷俊人氏が当選
3月21日:★
千葉県知事選が行われ、新人で前千葉市長で無所属の熊谷俊人(くまがいとしひと)氏が当選。3期務めた森田健作知事が引退するため、変わることになった。なお、熊谷氏は当時最年少で市長となり、3期務めた。市長から知事への転身は大阪府の吉村洋文知事に次いで2人目となる。
ローカルなニュースなので、千葉県民以外関係ありません。教室が千葉市の蘇我にあるので、載せました。千葉県民は時事問題になる可能性があるため、押さえておいた方がいいでしょう。
スエズ運河でコンテナ船が座礁 通行止めに
3月23日:★★
スエズ運河で大型コンテナ船が座礁した事故により、大量の船舶が立ち往生し、原油輸送や製造業も影響を受けることになった。座礁した船は愛媛県の正栄汽船所属のエバーギブン。多くの船が影響を受けることになったため、エジプトは賠償請求をする予定。
スエズ運河は地中海とインド洋をつなぐ運河で、この運河を通らずに南アフリカの南側の海から回ってくると、1か月以上も余分にかかるため、とても重要な運河となっています。時事性も高いため、場所は確認しておきましょう。
ファミマ 「はだいろ」表記の下着回収
3月26日:☆
ファミリーマートは女性向けの下着の色の表記を「はだいろ」と記したところ、不適切だという指摘があり、「ベージュ」へと変更。
30代より上の年代には普通だった「肌色」という表記は、肌の色はこうあるべきという固定観念や差別につながりかねないため、現在使われなくなった色の名前です。
以前記事にしたことがありますので、ぜひ合わせてご覧下さい。
尼崎の商店街 ナッジ理論でWHOが注目
3月29日:☆
尼崎市の商店街で行われた新型コロナウイルス対策が、ナッジ理論の活用例としてWHOが紹介した。紹介されたのは、距離を置いて地面に貼られた足跡のマーク。
ナッジ理論とは、自然と望ましい行動に導く仕掛けのことをいいます。特に言葉は用いていないのに、自然と誘導されるものが注目を浴びていて、足跡マークもついついそこへ立ってしまうというナッジ理論が活用された事例でした。
このナッジ理論は最近様々なところで使われるようになっており、気づかない間に誘導されていることが結構あります。例えばゴミを入れると音が鳴るゴミ箱。音が楽しくて、ついついゴミを探してまで入れてしまいますよね。子どもの左右そろえることで一つの絵になる靴も同じです。こういうナッジ理論の仕組みを使って子どもを誘導すると、子どもも楽しいけど、親がやって欲しいこともやってくれるという楽な子育てができるようになります。
「水素水で老化防止」 根拠なし
3月30日:☆
水素水で合理的な根拠のない健康効果をうたったとして、消費者庁は景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を関係会社に出した。各社はそれぞれ資料を提出したが、国は「信頼できる十分なデータは見当たらない」とした。
美容、健康に関する様々なものが出回っていますが、もっともらしいことが書いてあっても、それが本当かはわかりません。花粉を水に変えるマスクでも同じことが起きましたが、お金を持っている会社は、いかにももっともらしく大体的に宣伝することで、それを世の中の風潮にしてしまう力があります。ファイのブログでも何度も話をしていますが、もちろん塾業界にもあふれています。それらを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考える力を、これからの子ども達には持ってもらいたいですね。
東京都心で黄砂 10年ぶりの観測
3月30日:★
気象庁は東京都心で黄砂が観測されたと発表。都心で観測されるのは10年ぶり。なお、黄砂の観測は担当者が目視で行っている。
黄砂については地理で問われることが多いため、どんなことが起きるのか、どこから来るのかは押さえておいた方がいいでしょう。
また、黄砂の影響として、アレルギー症状や呼吸器疾患、循環器疾患を起こすことがあります。砂が大量に舞うことで、視界が悪くなることもあります。
黄砂はユーラシア大陸のゴビ砂漠とタクラマカン砂漠の砂が、偏西風に乗って日本まで運ばれてきたもの。砂漠というと暑い気がしますが、あくまで乾燥した台地のこと。ゴビ砂漠は冬にマイナス40℃になることもあります。
また、砂漠というと、サハラ砂漠やサウジアラビアのように砂が広がっている場所をイメージしがちですが、実は世界の大部分を占めている砂漠は岩石砂漠。サハラ砂漠も世界一の広さではありますが、その大部分は岩石砂漠なんですね。では、世界一の砂砂漠はというと、それがタクラマカン砂漠だと言われています。
男女格差 日本は世界120位
3月31日:★
世界経済フォーラム(WEF:The World Economic Forum)は、世界156カ国の男女格差を比較した報告書を発表。それによると、日本は世界156カ国中120位で、G7の中では最下位となった。また、世界全体で男女格差が解消するのにかかる年数は136年と予想した。
なお、男女格差報告書は教育・健康・政治・経済の4分野で評価している。主要国のランキングは以下の通り。
- 1位 アイスランド
- 2位 フィンランド
- 3位 ノルウェー
- 4位 ニュージーランド
- 5位 スウェーデン
- 11位 ドイツ
- 16位 フランス
- 23位 イギリス
- 24位 カナダ
- 30位 アメリカ
- 63位 イタリア
- 81位 ロシア
- 102位 韓国
- 107位 中国
- 120位 日本
黄砂については地理で問われることが多いため、どんなことが起きるのか、どこから来るのかは押さえておいた方がいいでしょう。
また、黄砂の影響として、アレルギー症状や呼吸器疾患、循環器疾患を起こすことがあります。砂が大量に舞うことで、視界が悪くなることもあります。
WHO武漢調査報告書に懸念表明
3月31日:☆
日本やアメリカをはじめとする14カ国が、WHO(World Health Organization:世界保健機関)が新型コロナウイルスの発生源を巡る調査をした報告書に対して「中国政府が調査に介入し、独立した客観的な調査結果が得られたとは考えにくい。中国政府は透明性を欠き、基礎データを提供しておらず、協力したとは言い難い」という懸念を示す共同声明を発表。中国政府とWHOを批判した。
独立した国際機関であるはずのWHOが、中国政府の顔色を窺って、中国政府に対して不都合なことを結託して隠している疑いがある、ということですね。これ自体時事性はありませんが、戦勝国主導で作られた国際連合という組織の在り方自体が問われるような状況となっているため、国際連合の仕組みを学ぶ上でも話題にしておくと楽になるでしょう。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項を押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。