目次
- 1 時事問題の使い方・注意点
- 1.1 香港国家安全維持法 施行
- 1.2 ロシア 改憲で大統領の任期数をリセット
- 1.3 都知事選 小池百合子氏が圧勝
- 1.4 九州豪雨 72時間雨量が観測史上最大多数
- 1.5 国交省 リニア協議で仲介案
- 1.6 マツタケ 絶滅危惧種に
- 1.7 10年以内に日本人初の月面着陸 日米合意
- 1.8 ネオワイズ彗星
- 1.9 2日未明の火球の隕石発見
- 1.10 藤井聡太七段 最年少タイトル獲得
- 1.11 中国が沖ノ鳥島で無断海洋調査
- 1.12 Go To トラベル 開始
- 1.13 ナチスに関わる最後の裁判 有罪に
- 1.14 星出さん ISSへ
- 1.15 東北と北陸で記録的な大雨
- 1.16 景気回復71カ月 戦後最長ならず
- 1.17 香港 民主派12人の立候補資格取り消し
- 1.18 台湾の李登輝元総統 死去
時事問題の使い方・注意点
中学受験対策・高校受験対策・定期テスト対策としても使いやすいように重要度を表示しています。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項は押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めたりしないように!
香港国家安全維持法 施行
7月1日:★★★
中国の立法機関である全国人民代表大会(全人代)が「香港国家安全維持法」を6月30日に全会一致で可決・成立。習近平(しゅうきんぺい)国家主席が同日公布。日本時間7月1日午前0時に施行。香港がイギリスから返還されて23年となる7月1日に合わせた。高度な自治を返還後50年間にわたって保障した「一国二制度」が形骸化(けいがいか)されることになった。
この発端となったアヘン戦争は教科書にも載っている重要な戦争。そのため、香港の場所、一国二制度、香港国家安全維持法、イギリスあたりは関連事項として出される可能性があります。それにしても周知期間も置かず、成立後に即時施行、さらに即日逮捕者を出すあたり、さすが中国政府ですね。
⇒ 香港についてはこちら(^^)/
ロシア 改憲で大統領の任期数をリセット
7月3日:★
ロシアのプーチン大統領が長期続投する体制を整えるため、憲法改正の賛否を問う全国投票が行われ、8割近い賛成を得られて承認された。これにより、大統領の連続3選を禁じている現行憲法に、「現職や大統領経験者の過去の任期は数えない」という条項を加えた。これにより、プーチン大統領は最大で2036年まで実権を握れることになる。
そもそもこの投票自体がプーチンの支配を受けているという主張をする反対派もいるため何とも言えませんが、長期政権が海外から支持されやすいのは間違いありません。
都知事選 小池百合子氏が圧勝
7月5日:★
任期満了に伴う東京都知事選が行われ、無所属で現職の小池百合子氏が圧勝。新型コロナウイルス関連の報道で、連日メディアに出ていたことが選挙にも影響したと言われている。
小池氏に関しては、以前の都知事選の時に自民党と決裂し、自民党員は小池氏に投票してはならないという党の制約があることを露呈されるなど、社会問題を表面化。
今回は新型コロナウイルスの関係で選挙活動が制限される中、現職である小池氏は意図せずとも連日メディアに取り上げられ、それ自体が選挙活動になった。心理学ではこれを単純接触の原理といい、見る回数が増えると親近感が湧く効果によるもの。有名人が突然政治家になることが多いのもこのため。何となくではなく、理由をもって選べるようになって欲しいものですね。
九州豪雨 72時間雨量が観測史上最大多数
7月9日:★★★
梅雨前線の影響で豪雨となった九州で、3~8日に観測された72時間の雨量が27地点で観測史上最大となっていたと気象庁が発表。積乱雲が帯状に連なる線状降水帯が発生していたことが原因。最も多かったのは大分県日田市(ひたし)の862ミリで、2017年の九州北部豪雨に福岡県朝倉市で観測された616ミリを上回った。
災害関係で出て来た用語は時事問題になりやすいため、どんなものかも含めて押さえておきましょう。
国交省 リニア協議で仲介案
7月9日:★
国土交通省はリニア中央新幹線の静岡県内の工事を巡り、静岡県とJR東海に対して環境への影響が軽微だと道められる範囲内で、準備工事を進める仲介案を提示。2027年の開業に道筋をつけたい考えを示した。これにより、静岡県には水資源への影響が少ないトンネル掘削工事に必要な作業場の整備を進めることを要請、JR東海には環境への影響を話し合う有識者会議が終わるまではトンネル掘削工事に着手しないよう要請した。
「中央リニア新幹線は静岡を通るの?」と思っている子が多かったのですが、実は若干通っています。静岡の大井川上流、ちょっと出っ張っているエリアを横断する形で通過しているんですね。こういった鉄道の通過地点は時事問題を始め、入試でもよく問われます。細かい所ですが、このちょっとのエリアが注目を集めると問題になりやすいため、押さえておいた方がいいでしょう。
マツタケ 絶滅危惧種に
7月9日:★
IUCN(国際自然保護連合)が世界の絶滅危惧種をまとめたレッドリストの最新版を公表。日本の動植物では、マツタケ、ヤシガニが入った。なお、環境省による国内の評価では、マツタケは準絶滅危惧種に指定されている。
それほど大きなニュースになったわけでもなく、すぐにマツタケが食べられなくなるわけでもないため、時事問題としてはそれほど重要ではないとは思いますが、レッドリストに入ったという事は、何も手を打たなければ絶滅の危険性があるということでもあります。よって今後の状況によっては時事問題の重要性が高まってくる可能性もあります。
なお、絶滅危惧種は最近入試問題でも題材に扱われることが増えてきていますので、環境問題が出て来たときに合わせて勉強しておくといいでしょう。
⇒ 環境省レッドデータブック・レッドリスト
10年以内に日本人初の月面着陸 日米合意
7月10日:★
日米両政府は、日本人宇宙飛行士が初の月面着陸を行う方向を示した、月探査協力に関する共同声明を発表。アメリカはアルテミス計画で2024年に月面へ人を送る。その計画で日本人宇宙飛行士も月に送る予定。
宇宙開発は理系の学校を中心に度々題材として出されます。特に今回日本人の始めての月面着陸が実現する可能性があり、今後も注目は高まっていくでしょう。計画名や宇宙飛行士の名前、ロケットや探査機の名前は注目していきましょう。
ネオワイズ彗星
7月10日:☆
2020年3月に発見された新彗星、ネオワイズ彗星が7月に見ごろを迎えた。当初の予想よりも少々明るく、7月8日には、1~2等級の明るさで観測されていた。その後はゆっくりと暗くなりながらも、7月中は肉眼でも見える明るさで観測された。
次に来るのは数千年後という彗星なので、この彗星自体が問題になることはまずないでしょう。しかし、彗星ネタ自体は入試でもよく題材になるものです。特に小学生の場合、彗星と流れ星の違いがわかっていないこともよくあるため、原理を確認しておくといいでしょう。
2日未明の火球の隕石発見
7月13日:☆
国立科学博物館は7月2日未明に関東上空で目撃された火球の隕石を、千葉県習志野市で発見。発見された2つの破片は約70g。国際隕石学会に「習志野隕石」の名称で登録申請する。国内で発見された隕石は53例目。
ローカルなニュースなので、習志野市の周辺では時事問題にされる可能性はあります。
流星は宇宙の塵が地球の大気との摩擦で燃える時に光るもので、地球全体で見ると、1日あたり2兆個とも言われます。しかしその内、本体が地上へ落下する隕石となると1日あたり100個程度とも言われ、さらにその隕石が発見される確率は極めて低い確率と言われています。
流星や隕石は小中学生にとっては神秘的な現象で、天体への興味の導入として使えるため、話しのネタにしてみると知識の幅が広げられるでしょう。
藤井聡太七段 最年少タイトル獲得
7月16日:★
将棋の棋聖戦(きせいせん)で、高校生の藤井聡太七段が勝ち、17歳11か月での最年少タイトルを獲得。最年少タイトル獲得記録の更新は30年ぶり。
将棋は時事問題に関係ないと思うかも知れませんが、時代の寵児(ちょうじ)となった人物は時事問題に出題されやすくなります。
定期テスト対策としてなら、名前と試合のタイトルは押さえておくといいでしょう。
中国が沖ノ鳥島で無断海洋調査
7月18日:★
中国が沖ノ鳥島周辺の日本の排他的経済水域内で、無断で海洋調査をしていたとして日本政府が抗議。これに対して中国は「あれは島だという根拠がない」などとして批判。
沖ノ鳥島は国際法で認められた島ですが、あなたは島だという根拠を説明できますか?もし「島と習った」と主張するだけなら、中国共産党のしている情報統制となんら変わりありません。
⇒ 沖ノ鳥島は岩ではない理由を説明できますか?
Go To トラベル 開始
7月22日:★
東京オリンピック終了後の需要継続のために予定されていた、旅行費用の最大50%を還元するGo To トラベルを、東京オリンピックがなくなったものの7月22日から開始。新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んだ旅行と経済復興の呼び水にしたい考え。しかし感染が拡大している東京都から地方へ人が移動することにより、ウイルスも移動させる恐れがあるとして地方は反発。これにより、東京と住居者や東京を目的地とする旅行は当面対象外とすることになった。
⇒ 10月1日から東京も開始となります。
Go To トラベルの名称、東京が除外されることになったあたりは定期テストの時事問題では狙われる可能性があります。大して難しくもない時事なので、押さえておきましょう。
ナチスに関わる最後の裁判 有罪に
7月23日:★
ドイツの地方裁判所は、第二次世界大戦中にナチスの強制収容所で5200人以上のユダヤ人を殺害したことに関与した元看守の男性を2年間の保護観察処分とする有罪判決を言い渡した。終戦から75年が経過し、ナチスに関わる最後の裁判の1つと言われていた。
遠い昔の話、ではない現実を感じることができるでしょう。今の平成末期時代の子ども達にとって、戦争が昔の話であるのはもちろん、昭和ですら教科書の出来事と感じています。教科書の出来事ではなく、リアルだというのは、こういう時代を超えたつながりから感じるものです。受験には出なくても、話のきっかけにしてみるといいでしょう。
星出さん ISSへ
7月28日:★
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2021年春頃に打ち上げられるアメリカのスペースX社が製造したクルードラゴンで、星出彰彦宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)へ向かうことを発表。ISSでは日本人として2人目の船長を務めることになる予定。日本人初の船長は若田光一氏。
まだ計画が発表されただけなので時事問題になる程ではありませんが、来年打ち上げられれば時事性はぐんと高まります。中学校の定期試験では出される可能性もあるので、押さえておくといいでしょう。
東北と北陸で記録的な大雨
7月29日:☆
本州付近に停滞する梅雨前線の影響で、東北と北陸は記録的な大雨となった。特に山形県と新潟県の一部地域では、観測史上最多を記録。岩手県や福島県を含む7県17地点では観測史上最大を更新。
これ自体はまだ国の方針として何か打ち出されたわけではないため、時事性は低いのですが、災害関連は周辺事項を狙われる可能性は十分あります。身近なこととして、考えておくのもいいでしょう。
景気回復71カ月 戦後最長ならず
7月30日:★★
内閣府は2012年12月から始まった景気拡大局面が、18年10月をピークに後退に転じていたと認定。これにより景気拡大は71カ月となり、73カ月成長したいざなぎ景気には届かず、戦後最長とはならないことが確定。「人手不足経済と言われたが、賃金が上がらず、消費が伸びなかった」と分析。
神武景気、なべ底景気、岩戸景気、オリンピック景気、いざなぎ景気、バブル景気は知っておいた方がいいでしょう。そして今回の景気は2番目に長かったとはいえ、その成長率は年1.1%にとどまり、他の景気と比べてもはるかに低い。
経済性が強い話題なので、経済に関して学んでいなければ時事問題にされることはないでしょうが、経済をやったのであれば、出題される可能性はあります。また、時事問題として出題はされなくても、一体経済で何が起きているのかについては、子どもと話す機会を設けるといいでしょう。
香港 民主派12人の立候補資格取り消し
7月30日:★
香港の選挙管理当局は、9月6日に予定されている立法会選挙に立候補した民主派12人の立候補資格を取り消した。香港国家安全維持法への反対姿勢、言動が度を越えていたとし、中国共産党の支配にとって不都合な人物は選挙にすら出馬させない姿勢を明確に示した。
中国とはそういう国だ、とアメリカも強い口調で批判し、ヨーロッパ各国も次々と中国とは手を切る方向を示しています。香港自体は度々時事問題に出題されていますので、中国共産党の政治手法に注目すると同時に、日本の政治のあり方を学ぶ機会にできるといいでしょう。
台湾の李登輝元総統 死去
7月30日:★★
台湾の李登輝(りとうき)元総統が97歳で死去。李氏は台湾の民主化を進め、台湾民主化の父と呼ばれた。「22歳まで日本人だった」「尖閣諸島は日本の領土」と公言する程の親日家で、中国政府を「特殊な国と国の関係」と発言するなど、中国政府からは台湾独立派として批判されていた。
教科書外の出来事にされているため、知っている人自体が少ないと思いますが、大変な親日家だったので、今後の日本の報道次第では時事問題に出てくる可能性は十分あります。
わかりやすい説明ありがとうございます。
参考にして、頑張ってみます。
これからもお世話になります。