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2019年12月:親子で学ぶ、中学受験のための時事問題

EU 初の女性トップに

12月1日:★★★

欧州連合(EU)の欧州委員会で,フォンデアライエン委員長が女性初のトップとなった。

世界で続々と女性初が増えてきており,いずれも時事問題になりやすい傾向があります。名前と顔は押さえておいた方がいいでしょう。

卓球の張本智和 日本男子初の2位

12月1日:☆

卓球の男子ワールドカップが中国の成都で行われ,張本智和(はりもとともかず)が日本男子初の銀メダルを獲得。

体育で時事問題があるときは押さえておきましょう。

非正規公務員にもボーナス支給

12月1日:☆

来年度から全国の非正規公務員にもボーナスが支給されることになった。非正規労働者の働き方改革の一環で,待遇改善を目指す。現在の段階で,年間の人件費が約130億円膨らむ見通し。

2年前に成立した改正法で,2020年4月から施行される。この記事自体には時事性はありませんが,働き方改革は安倍政権の課題でもあるため,どのような取り組みをしているかは押さえておきましょう。

ながら運転 即免停に

12月1日:☆

改正道路交通法が施行され,運転中にスマートフォンを使用する行為などに対する罰則を強化,一発免停となる可能性もある厳しい罰則へ変わった。

ポケモンGoをやりながら運転し,事故につながってしまったことから,ながら運転には厳しい目が向けられてきています。子どもはまだ運転しないので関係ありませんが,保護者様の送り迎えではよく見かける光景です。
なお,停車中はスマホをいじってもも問題ありません。また,通話も手に持たなければいいことになっています。

市販類似薬 保険対象外に

12月1日:★

全世代型社会保障改革の一環として,市販の医薬品と同じような効果がある薬について,公的医療保険の対象から除外することを決定。

これも時事性はそこまで高くありませんが,医療保険が財政を圧迫していることは押させておくと,使える日が来るかも知れません。

流行語大賞決定

12月2日:★

年間大賞に「ONE TEAM」が選ばれた。トップテンには「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ」「タピる」「KuToo」「〇〇ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」が選ばれていた。

流行語大賞をネタにする先生がいらっしゃいます。一応押さえておいた方がいいでしょう。

医師の中村哲さん死亡

12月4日:☆

アフガニスタンで長年人道支援と復興に携わっていた医師の中村哲(てつ)さんが銃撃により死亡。中村さんはNGOとして農地の再生,医療支援を行っていた。

不幸な事件なため時事問題にはしにくいと思いますが,関連事項は入試でも重要な単元です。特にNGO(非政府組織:non-governmental organizations)はどんなものかよくわかっていない子も多いので,中村さんの活動内容から印象付けをしておくといいでしょう。アフガニスタンの場所も確認しておきましょう。

日米貿易協定を可決,承認

12月4日:★★

日米貿易協定が参院本会議で可決,承認された。これにより米国産の牛肉や豚肉などの農産品の関税が現在の38.5%から徐々に引き下げられ,2033年には9%になる予定。逆にアメリカは日本が輸出する自動車以外の工業品の関税を削減,撤廃する予定。

貿易に関する話題は時事問題になりやすいため,押さえておきましょう。特に協定の名称,その結果どうなるかについては重要です。

公立学校の教員 休暇まとめ取り可能に

12月4日:☆

教員の働き方改革で,勤務時間を年単位で調整する「変形労働時間制」を学校教員にも適用できるようにする「改正教員給与特別措置法」が参議院本会議で可決,成立。これによると,学校の繁忙期にあたる4,6,10,11月の勤務時間を週3時間伸ばし,その分を夏休みにまとめて休暇として取れるようにすることを想定。

教員は子どもがいる限り多忙から解放されず,しかも子どもがいない時でも事務作業に追われ,一般的な労働基準に当てはめるとまともに仕事ができない現状があります。そのため,繁忙期が存在する仕事に関しては「変形労働時間制」といって,その時期にまとめて働く分,繁忙期外でその分の休みを取れるようにしています。例えば長期間に渡り船の上で過ごす国際線貨物便の船長の場合,長期間に渡り休みなく業務に当たることになるため,一度帰って来るとまとめて休暇を取得することができます。時事性としては高くありませんが,働き方は今後の子ども達世代の大きな課題になります。つまり,入試でもテーマとしてあげられるということです。教員の話題に限らず,自身の経験に基づく話でも構わないので,話してあげるように意識してみて下さい。

妊婦加算を廃止し,新制度

12月6日:★

厚生労働省は妊婦が受診した際の追加料金である妊婦加算を廃止する方針を決定。妊婦に限定せず,通常使っている医療機関から別の医療機関に情報を共有する場合に追加負担を求める制度をつくる。

病気で通院したわけでもない眼科や歯科でも妊婦加算が取られ,妊婦税と揶揄された制度。この少子化の時代に子育て支援こそ必要と政府自身が言っているにもかかわらず,時代に逆行した制度ができてしまいました。今回この制度は廃止され,新たに制度を作ることになりましたが,よくよく見ると理不尽な制度は沢山あります。妊婦加算について覚えるというより,制度が必要な理由,そして問題点を考えられる視点は持っておくといいでしょう。もちろん妊婦加算についても,保護者の方が子どもと少しでも話せれば,ぜひ話題にしてみて下さい。

洋上風力発電第一号 長崎へ

12月6日:☆

洋上風力発電の促進区域に,長崎県五島市沖が指定される見通しになった。

通常の風力発電と比べて,洋上風力発電は風量が安定するため,効率的に発電できます。発電の種類は多様化しており,入試でもネタになることが多いため,それぞれのメリットデメリットを考えてみるといいでしょう。発電の種類には以下のものがあります。

  • 水力発電
  • 火力発電
  • 原子力発電
  • 太陽光発電
  • 地熱発電
  • 風力発電,洋上風力発電
  • 波力発電
  • 冷熱発電

といったものがあります。

記述式問題 年内には方針

12月6日:☆

萩生田文部科学大臣は2021年1月に始める大学入学共通テストで,国語と数学の記述問題を導入するかどうかについて,年内には方針を固める考えを示した。

記述問題は採点基準が人によりばらけてしまうため,大人数が受験する試験ではなかなか導入が難しい試験になります。以前案として出された問題も,記述とはしながら縛りが多すぎて,「ほぼ答えが決まっている誘導問題」という非難を浴びています。わかり切っていたはずですが,記述や個性を認める問題にすればするほど,点数化が難しくなります。これを機に点数化から離れていってくれるといいのですが…というわけで,決定事項でもないため時事性はありません。

あおり運転 厳罰化へ道交法改正

12月6日:☆

警視庁は道路交通法を改正し,あおり運転の罰則を新たに作ると共に,違反者の運転免許を取り消す方針を固めた。

ネットであおり運転が問いただされる映像が出回ったことにより,厳罰化を求める声が強まっていました。これそのものの時事性は高くありませんが,面白いのは,自分が違反をしているという認識がない人が多いこと。

例えば横断歩道はもちろん,道路では歩行者,自転車優先ということを知らない人が多く,車が全然止まらないことも話題になってきています。「人の振り見て我が振り直せ」ですね。対車だけがあおり運転ではないということです。

そして社会性を身につけさせるために知っておきたいことがもう一つ。あおり運転は以前からあったはずなのに,なぜ今さら問題視されたのか,ということです。これは映像が簡単に撮れ,ネット上に簡単にあげられるようになったため,つまりドライブレコーダーとSNSの普及が要因です。子どもにも問いかけてみましょう。

東名あおり運転 一審を破棄,差し戻し

12月6日:☆

2017年に東名高速道路であおり運転をした末に追突事故を誘発,4人を死傷させた事件の控訴審判決で,危険運転致死傷罪の成立を認めた一審の判断に誤りはないとした一方,訴訟手続きが違法だったとして裁判員裁判の判決を破棄し,審理を地裁に差し戻した。

時事性はありませんが,何を言っているのかわからないという子が多かったため説明します。

裁判員が行う裁判では,裁判官3名と裁判員6名が多数決で評決します。問題になったのは,あおり運転と追突事故との因果関係。弁護側は「あおって停車させたら必ず追突事故が起きるとは限らず,あおり運転のみの罪を問うべき」としていましたが,十分な反論機会を与えないまま判決を下したことを問題視しました。裁判員裁判という制度は入試でも出てくるので,きっかけがあれば話題にしてみて下さい。

中国で焚書(ふんしょ)

12月10日:☆

中国の公立図書館で,一部書籍が「偏向している」として焼却処分となった。中国共産党にとって不都合な書籍を排除するためだとみられる。

書籍を焼却処分することを焚書(ふんしょ)といいます。書籍から政権にとって不都合な情報が流れないようにするためのもので,日本では「図書館戦争」という本を知っている方ならご存知でしょう。要するに思想弾圧の一環です。日本でもかつて行われていました。今の日本では表現の自由として焚書が行われることはありませんが,不都合なことは証拠隠滅するあたりは日本政府も中国政府と変わらないかも知れませんね。

高校生がウランを購入して精製

12月11日:☆

放射性物質であるウランを高校生がネットオークションで購入し,精製。原子炉等規制法違反容疑で書類送検された。ウランは精製が不十分で,核燃料として使うウラン精鉱(イエローケーキ)にはなっていなかった。

放射能は遺伝子を破壊してしまう放射線を出す非常に危険な物質。目に見えないので危険性を感じていない子も多いのですが,目に見えないだけで影響を受けてしまいます。福島第一原発が事故を起こしたことで安全性に疑問が出て,入試でも話題になることが増えています。このニュース自体が時事問題になることはないと思いますが,原子力関係は押さえておいた方がいいでしょう。

今年の漢字は「令」

12月12日:★★★

2019年の世相を表す今年の漢字に「令」が選ばれ,京都の世界遺産の清水寺で発表された。令和,発令(避難勧告,避難指示)が主な理由。

今年の漢字は時事問題の話題になりやすいので押さえておきましょう。

米中が貿易協議で部分合意

12月14日:★

米中両政府は両国の貿易協議が部分合意に達したと発表。合意文書は知的財産権,技術移転,食品・農産物,金融サービス,為替レート,貿易の拡大に及び,アメリカは発動済みの制裁関税を段階的に撤廃していく。

日本が直接かかわっているわけではないため,時事性はそこまで高くはありませんが,間接的には影響があります。貿易戦争が終わりに向かい始めたところで,今後の時事問題と絡んでくる可能性があるため,話題として押さえておくといいでしょう。

イギリス ジョンソン首相率いる保守党が大勝

12月14日:★★

イギリス下院の総選挙が行われ,ジョンソン首相率いる保守党が過半数を大きく超える議席を獲得。保守党はマニフェスト(選挙公約)で1月のEU離脱を掲げているため,一向に決まらなかったが,これでブレグジットの道筋がついた形となる。

日本では衆議院,参議院という呼び方ですが、イギリスの議会は上院,下院といいます。また、マニフェストという言葉は入試でも出てくる用語で,選挙に当選したらこういうことを実現します、という宣言の事を指します。最も日本の場合はマニフェストは当選するための綺麗事で,実現されるマニフェストはごくわずか,などと揶揄されていますが。一方何かと問題発言が多いトランプ大統領は,過去の大統領の中でもマニフェスト実行数が一番多いと言われています。これ自体は時事性は高くありませんが,周辺事項は問われる可能性があるので,話題にはしておくといいでしょう。

また,この選挙ではスコットランド民族党が議席を大きく伸ばしたことが話題となりました。スコットランドといえば,イギリスから独立するかしないかで住民投票を行ったところですね。スコットランドからしてみればEUに残留しておきたいところですから,スコットランドの住民は反対するためにスコットランド民族党へ投票した人が多かったということでしょう。地域ごとに代表者を決める小選挙区制ならではの特徴がハッキリ表れた結果ですね。

 ⇒ 開成中の入試で出題されました!

ジェンダーギャップ 日本は121位

12月17日:★

世界経済フォーラムのジェンダーギャップに関する報告書で,日本は過去最低の153カ国中121位となった。1位はアイスランドで上位は北欧諸国が占めた。報告書は経済,教育,健康,政治の4分野14項目を調査したもの。

ジェンダーギャップとは男女間格差を表す言葉で,性差別の指標とされ,日本は女性の賃金や管理職割合が低いことが評価が低い要因となっています。これ自体に時事性はありませんが,資料や関連事項として出題される可能性は十分あります。ジェンダーギャップ自体は意識しておいた方がいいでしょう。

東海第二原発 予算オーバー700億円

12月17日:☆

東海第二原発の再稼働に向けた安全対策工事の予算が700億円予算オーバーとなる2,500億円に膨らむ見通しとなった。

工事費用や予算そのものは時事になりにくいと思いますが、原子力発電自体はよく入試に出てきます。発電方法や原理といった周辺事項もおさえておきましょう。

自動ブレーキの義務化

12月17日:☆

国土交通省は新型乗用車に対して,自動ブレーキの搭載を義務化すると発表。国産車は2021年11月以降,輸入車は2024年6月頃から。

高齢ドライバーの踏み間違いによる事故が増加していることを踏まえた措置。これ自体の時事性は高くありませんが,高齢社会の問題点の1つとして押さえておくといいでしょう。

カムイ,ちゅら 太陽系外の天体を日本が命名

12月17日:☆

太陽系外の惑星,衛星の名前として,日本が提案していた「カムイ」と「ちゅら」が採用された。カムイはアイヌ民族の言葉で「神」を表し,ちゅらは沖縄の言葉で「美しい」という意味。

ちょっとマニアックなので,学校の先生が名前を出していなければ出題されないでしょう。

ドローンの所有者登録を義務付け

12月18日:☆

政府はドローン(小型無人機)に関する規制を強化するため,航空法とドローン規制法の改正案を通常国会に提出することを決定。所有者と機体情報の登録を義務付ける方針。

ドローンは一般人でも気軽に飛ばせることから様々な危険や問題が生じています。特に問題なのはテロ行為。東京オリンピックを控え,様々な安全対策が出てくるため,それらが何のために必要なのかは考える視点を持つといいでしょう。

人工衛星「つばめ」 最低飛行高度でギネス認定

12月24日:☆

2017年に打ち上げられた人工衛星「つばめ」の飛行高度167.4kmが,地球観測衛星の最低高度としてギネス記録に認定された。つばめは今年10月に大気圏で燃え尽きた。

つばめは低い高度で運用が可能かどうかを調べるための試験機でした。高度が低くなると空気抵抗が大きくなるため速度低下及び高度低下を起こす可能性がある一方,地表面に近い分,高解像度の映像を得やすくなります。時事性は高くありませんが,原理は受験の範囲なので知っておいてもいいでしょう。

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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