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「中学校で習う歴史が教えられるほどよくわかる」の出版と執筆の裏話

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書籍の概要

中学校で習う歴史が教えられるほどよくわかる
中学校で習う歴史が教えられるほどよくわかる

出版社 ‏ : ‎ ベレ出版 (2023/8/7)
発売日 ‏ : ‎ 2023/8/7
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 303ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4860647343
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4860647346

「暗記が苦手」「教科書を読んでもよくわからない」「歴史をきちんと理解したい」という方におススメの歴史学習書です。中学校で習うレベルの歴史(じつは教養として必要十分な知識が詰まっている)を、他人に教えられるくらいに理解しながら学ぶことができます。
本書では、単に事実や用語を羅列するのではなく、教科書に書かれていないような、ちょっと深掘りした内容も盛り込むことによって、「なぜ」「どうして」という因果関係がしっかりわかるように解説していきます。
例えば、「なぜ平将門は乱を起こしたのか」「ソ連はなぜキューバにミサイルを設置したのか」など、教科書では結論しか触れられていない部分の「つながり」にも焦点を当てて、丁寧に説明しています。
本書で学習すれば、教科書でいまひとつよく理解できなかったところも、「なるほどそういうことだったのか!」と、これまで暗記するだけだった歴史のモヤモヤした部分が解消されていくでしょう。やさしい語り口で、歴史の影響や現在とのつながりについても触れられているので、歴史が苦手な方や中高生でも興味をもって読み進むことができる「かゆい所に手が届く」歴史学習書です。

対象と意識したこと

塾生

「え!?先生って理系じゃなかった!??」

そうなんです。

実はバリバリの理系で、大手の塾でガンガン実績を出していたときも理系でした。

ファイでは全教科教えているので、文系理系を感じることはないと思いますが、元々は歴史が大嫌いだったのです。

そんな先生がなぜ歴史の本を書いているのでしょうか。

そこについては「まえがき」に書きましたので、割愛させて頂いて、ここでは本書に書けなかったことをお話致します。

さて、元々この本は、ベレ出版の担当者が私のブログを見つけて下さったことから、「歴史の本を書いてみない?」とお声かけを頂き、出版するに至りました。

そのため、書籍の内容には著者の教育方針や、ファイでの指導を参考にした部分が多く盛り込まれています。

その一つが、「教えないこと」です。

お母さん

「教えられるほどよくわかる」なのに「教えない」とはどういうこと?

ファイでは基本的に教える授業はしていません。

わからないところが出ても、ヒントに留めて最後まで教えませんし、塾や学校のような授業もしません。

子ども達と「雑談」をするなかで、興味がありそうなら自分で調べて深めてもらうことを狙って話をしています。

そしてそれら興味がありそうなものや、実際に子ども達が興味を持っていたものは全て書き溜めてストックしています。

今回歴史の本を書くにあたって軸にしたものは、その書き留めたネタ帳です。

つまり学校の授業や受験に寄せて書くのではなく、子どもたちが歴史を好きになる、興味を持ってくれたきっかけになるものを集めていった本になります。

お母さん

「え?じゃあ受験とは関係のない話が書いてある本ということですか?」

いいえ、そうではありません。

書籍を書く段階での出版社側のコンセプトが「中学校の歴史を一通り学び直しできるように」ということだったので、雑学本にはしていません。

あくまで教科書の流れに沿う形で、教科書の太字になっている部分はもちろん、受験で必要となる用語には触れるように作ってあります

その上で、教科書では語られない空白の部分に焦点を当てて書くようにしました。

この空白部分というのが、子ども達が疑問に思ったり、興味を持ったりしていたところになります。

そしてこれらを集めて、つなげて書いているうちに、結局は中学校の歴史どころか、中学受験や高校で習う日本史もカバーできてしまうような内容になりました。

そのため、中学受験、高校受験では十分通用する内容になっています。

しかしそれでは結局ただの参考書になってしまいます。

でも私が書きたかったのは参考書ではありません。

そこで、どちらかというと、親に読んでもらうことを意識して書きました。

親が学ぶことで子が学ぶ

通常参考書は、子どもが自分で勉強するために、自分で読んで使うものになります。

しかしこの本は、親が読んで、子どもと話をすることを目的として書きました。

これはなぜかというと、親が学ぶ姿勢を見せることで、子どもも学ぶようになるからです。

よく勉強させるなら塾に入れる、という選択が取られますが、これは親がやらせていることであり、本人が主体的にやっていることにはなりません。

そしてこれは親が勉強をさせていることになり、子どもが主体的に勉強することにはつながりにくくしてしまいます。

実際勉強しない子どもに「親が勉強している様子を見たことがあるか」と聞くと、9割以上の子が「見たことがない」と答えます。

逆に当たり前のように勉強している子に同じ質問をすると、「勉強しているのを見たことがある」と答える子が半数を超えるのです。

つまり親が勉強している様子を見せるだけで、子どもが勉強するようになる確率が、グッと上がるのです。

最もこの勉強というのには、子どもに教えるために親が先取りして勉強するケースは含まれません。

なぜなら子どもと親の興味が一致していないからです。

うまくいくのは、あくまで親自身が楽しんで勉強している様子であり、子ども自身も楽しんで勉強できる状況にある家庭です。

なので親が勉強してきた歴史を、今学び直しする中で、楽しいと思えれば、子どもも歴史を楽しく勉強できるだろう、と考えました。

実際ファイの授業は親子で一緒に受けることができるのですが、親が楽しんで授業を受けていると、子どもも楽しんで授業を聞くため、成績が上がりやすくなるのです。

それを本で再現できれば、と思いながら書いていきました。

そのため、以前の教科書と変わったところは意識して説明を加えており、子どもの教科書を見ながら話ができるネタをちりばめてあります。

また、親世代の受験では、歴史は暗記させられることが多かったため、その意味や理由をよくわからないまま覚えているものが多くあります。

それらを解消していくことで、子どもと楽しく話をできることを狙いました。

こうすることで、子どもの歴史に対する抵抗を少なくできるのです。

暗記しない歴史

もう一つ意識したのが、「暗記しない歴史」です。

通常「歴史=暗記科目」と言われるほど、暗記の代名詞として扱われますが、私は歴史を暗記科目だとは思っていません。

そのため、ファイで授業するときも、覚えろとは言いませんし、これを覚えておけば大丈夫という話もしません。

むしろ「そんなの覚えるなよ」という話をすることの方が圧倒的に多くあります。

それでも塾生たちは、苦手だった子でも社会ができるようになり、暗記しなくても全然困っていません。

これは今の受験問題が暗記を必要としなくなったこともありますが、暗記しない歴史の方が、子ども達にとって面白いというのも理由の一つです。

テストのため、受験のために歴史を勉強しようとすると、受験に出るところだけを勉強しようとしがちになります。

しかしそのような勉強はどうしても虫食いになり、一貫性がなくなってしまうので、面白くなくなるのです。

一方私は、覚えさせもしなければ、テストに出ないようなことばかりを話します。

すると子どもたちは歴史に興味を持ち、自分で調べはじめ、結果的に受験の勉強もカバーできてしまうのです。

この本でも、そのコンセプトはそのままに、覚えようとしなくても楽しくなって勝手に勉強してくれやすいところを重点的に押さえていますので、子どもと話すときの参考にして頂けることでしょう。

また、歴史を暗記しないで勉強するための方法として、本書の考え方を参考にして頂ければ幸いです。

執筆の裏話

この本を執筆するにあたり、子ども達が興味を持った場所のネタ帳を軸にしたのは先ほどお話した通りですが、中学校の教科書相当のことを学べるようにというコンセプトもあったため、小中学校の教科書はもちろん、受験用の参考書も参考にさせて頂きました。

その中には大手中学受験塾のテキストはもちろん、大手の教材会社のものもありました。

私自身の記憶も曖昧なので、それらを併用しながら書いていったのですが、有識者のチェックによりバシバシと赤字で修正を入れられました

特に修正が多かったのが年号です。

私は基本的に年号は覚えなくていいという考え方なので、歴史の本を書くにあたっても、年号にはあまり触れずに進めていこうと思っていました。

しかしどうしても流れを説明する過程で年号が必要になり、その年号を参考書などの年表で拾い上げて入れていったのですが、これらが結構な割合で間違えていたのです。

お母さん

「え?年号デタラメなんですか?」

はい、実はでたらめな年号が結構ありました。

しかも大手の有名な塾で使用されているテキストにあるものも、です。

その理由には、

受験用テキストが間違いだらけな理由
  • 新しい発見により年号が変わってしまったもの
  • そもそも年号がハッキリしないものに、適当に年号を割り振っていたもの
  • 何を基準に年号を設定したのかわからないもの
  • 具体的な出来事ではなく、抽象的な出来事や、総称に年号を割り振ったもの

などがありました。

なのでこれは有識者の方に結構突っ込まれました^^;

何を基準にした年号なのか、と。

例えば645年の大化の改新は、受験では当たり前のように645年となっていますが、大化の改新は中大兄皇子と中臣鎌足によって行われた改革の総称であり、645年に起きたのは乙巳の変です。

こんな勢いでまー直される直される。

そして様々な出版社から出されている歴史漫画も参考にさせて頂きましたが、あれも細かい部分を文字にすると結構間違いが多く、正確には違う、みたいな修正が多数入りました

あれもよく見ると「事実と異なる描写があります」みたいなことが書いてあるんですよね。

もちろんテストに出るような重要な部分を間違えているわけではありませんから、テスト勉強と言う意味では大して問題ではありません。

しかし私はそういうテキストにない隙間の部分に手を出そうとしてしまったため、チェックが入ってしまった、というわけです。

そして教科書が虫食いだらけの理由も実感させられました。

小中学校で習う歴史は、大切な部分だけに絞って教えることで、負担を少なくしているのですが、そうすることで、なぜ大切なのかがわからなくなってしまっているんですね。

例えば聖徳太子の後に突然小野妹子が出てくる理由も、ポルトガル船が鉄砲を持っていた理由も、教科書では削られてしまっているので、なぜ大切なのかがわからなくなってしまっているんですね。

じゃあその空白をちゃんと埋めて教えればいいじゃないか、と私もずっと思っていたのですが、教科書ではそれができないことを痛感させられました。

教科書には確かなこと以外は載せられないのです。

そのため、説になっているものや、ハッキリしていないことについては、全く触れられないままスルーするしかなくなり、空白だらけの教科書になってしまうのです。

誰もが知っている邪馬台国が教科書では場所については一切触れられていないのも、そういう事情があるからなんですね。

もちろんこれが現状の日本の教育であり、先生の技量も含めて効率的であるためにこのような仕組みにしたのでしょうから、これ自体を否定するつもりはありません。

しかし親が接する中で学ばせるのであれば、正しさを追求する教育に縛られる必要はないはずです。

むしろ正しくない事柄こそ、子どもに考えるきっかけを与え、成長のチャンスを生むのではないでしょうか。

そんなわけで、この本にはあるカラクリを仕込みました

そしてその種明かしをあとがきでしようと思ったのですが、なんと紙面をギリギリまで使いきってしまったため、カットされてしまいました(笑)

なので種明かしをせずに終わってしまっていますが、それもまた勉強のきっかけになるかなと思いますので、もしよかったら考えてみて下さい。

そんなたいそうなカラクリではありません。

でも知ったらもう一度読み直してみたくなるかもしれません。

そうしたらもう一周勉強することになるじゃないですか(笑)

子どもは本来勉強が好きなので、そういうのに気づくと勝手に勉強してくれるのです。

勉強なんて、やらせようとしなくても、意外と簡単に食いついてくれるんですよ。

増刷になったら、その時は追記しようかな(笑)

あ、実は出版前から予約が多くて足りなかったようで、いきなり増刷になったんですよ。

それだけ他のシリーズが人気だったってことですね。

本当にみなさんには感謝しかありません。

大人気ですから、ぜひベレ出版の他のシリーズもよろしくお願いします(^^)

最後にあとがきで書けなかったお礼と挨拶をここに書かせて頂きます。

この本を執筆するにあたって協力して下さったベレ出版、及び編集者の方々、応援して下さった塾生と保護者様、そして本書を手に取って下さった読者様に感謝を述べて終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。

特に最初に私のブログを見て声をかけて下さった担当様。

声をかけて下さって本当にありがとうございました。

文章の稚拙さで多大なるご迷惑をおかけすることになって本当に申し訳ありません^^;

執筆して初めて実感しましたが、本当にチェックがものすごく細かくて厳しいんですよ。

正確さなら、ネット情報より書籍に軍配が上がるのは、こうやって様々な角度からチェックが入っているからなんですね。

また、私が執筆に集中したいからと言って、泊まり込みで育児を丸投げしている間、文句も言わず、ワンオペでずっと頑張ってくれていた最愛の妻にもお礼を言いたいと思います。

いつも暖かく支えてくれてありがとうございます。

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