■2月3日
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・アメリカ マティス国防長官が来日
マティス国防長官は安倍首相や稲田朋美防衛大臣らとかいだんし,共同会見で安全保障の状況について話し,尖閣諸島は日本の市政下にあり,日米安全保障条約の適応範囲内だと明言した。
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■2月8日
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・稲田朋美防衛相 「戦闘だと憲法第9条上の問題となる」と答弁
自衛隊の南スーダンの首都ジュバで行われている南スーダン国連平和維持活動(PKO)の活動報告書(日報)で,昨年7月に政府軍と反政府勢力の大規模な衝突が起き,戦車も繰り出されて死傷者が数百人出た出来事に関して「戦闘」という言葉が用いられていた。これに対して,稲田朋美防衛相は「戦闘ではなく,大規模な武力衝突だった」と答弁。その理由について,「戦闘と表現してしまうと憲法第9条上の問題となる」と述べた。
これの何が問題かおわかりになりますか?
実は自衛隊のPKOの派遣についてはルールがあります。そのルールには「戦場にはPKOを派遣しない」という事が決められている。そのため,派遣先で戦闘が行われているということになれば,そこは戦場と言うことになり,PKOの派遣ルールに反するということになってしまう。だから戦場ではないとするため,「大規模な武力衝突」と置き換えた。要するに言葉や表現の違いだけで,解釈を変えて合法にできると明言してしまったのと同じだということです。これは政治家がよく使う方法なので今更感がありますが,「言葉の解釈は人により異なる」という点については頭の片隅に入れておいた方がいいでしょう。
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■2月13日
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・ロシアが北方領土近辺の無人島に命名
北方領土の歯舞群島や色丹島近くの名前がなかった5つの無人島に命名。旧ソ連やロシアの政治家,軍人らの名前をつけた。これに対して日本は「わが国の立場と相いれず,極めて遺憾だ」と述べた。
これも毎度のことながら,北方領土の場所は押さえておくこと。こういうニュースを見ていると,毎回遺憾だ遺憾だと述べてばかりでちっとも話が進まないと思ってしまいがちですが,言わなくなったら認めてしまったことになってしまうのが怖い所。手出しができない以上,口先だけでも出さなければならない現状。領土問題は難しいですね。
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■2月14日
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・日米首脳会談
アメリカのワシントンで行われた日米首脳会談で,従来通り強固な同盟を確認し,安全保障の基盤強化で一致。それに影響が及ばないような経済分野の枠組みの創設で合意した。また,この中で尖閣諸島は日弁安全保障条約の対象になることが発表された。
これまで日本の自動車産業の在り方を非難してきたトランプ氏だったが,この時はその話題が大きく取り上げられなかった様子。ビジネスマンとしての発言なのか,政治家としての発言なのか,わからなくてみんな振り回されてますね。とりあえずワシントンの場所の確認をしておきましょう。
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■2月15日
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・1月の訪日外国人 1月としては過去最高の約230万人
観光庁が1月の訪日外国人旅行者が昨年よりも24%増加して229万5700人となり,1月としては過去最高となったと発表。これは1ヶ月の記録として過去最高の昨年7月の229万7000人だった。今回増えた要因は中国の旧正月による旅行者増加によるもので63万人,韓国からは62万人となっている。
政府は2020年までに年間の訪日外国人旅行者の数を4000万人にすることを目標として掲げています。そのため,旅行や観光関係の政策は国策ともいえます。ところでなぜ政府は外国人旅行者を増やそうとしているのでしょうか?これは単純に,旅行で来てくれた外国人は,観光地へ訪れて色々な所にお金を使ってくれます。お金を使ってくれれば経済が循環します。円は長らく外国へ流出していたため,外国人が日本でお金を使ってくれれば,円が日本に戻ってくるというわけです。時事としては大体どれくらいの人数が旅行に来ているかと問われることがありますので,230万人という人数を頭に入れておきましょう。
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■2月17日
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・来年度末の待機児童ゼロ 達成困難
昨年2月の「保育園落ちた。日本死ね!!!」の社会問題から1年経ち,2017年度末までに待機児童をゼロにするという目標と政策を掲げてきた安倍晋三首相は,「働く女性が増え,保育園のニーズも上昇してきていて追いつかない。来年度末の達成は困難」と答弁した。
共働きの夫婦にとって,子どもを預けられる保育園はなくてはならない存在。ところが保育園には安全対策の観点から法律的に厳しい縛りがあり,受け入れ人数にも制限がある。そのため希望者がいても受け入れられる場所がないと審査や抽選となる。これに不合格となると保育園に通わせられなくなり,夫婦の共働きが出来なくなる。すると収入面での負担が大きくなるため,その後の子育てにも影響が出る。また,2人目,3人目を育てる費用もなく,ますます少子化が進んでしまう。そのためこれは保育園だけの問題ではなく,今後の日本の将来を左右しかねない大問題だということを頭に入れておきましょう。
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■2月17日
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・気象庁 関東地方に春一番が吹いたと発表
春一番の条件は
・立春から春分
・日本海に低気圧
・関東地方に強い南風(最大風速8m以上)が吹き、気温が上昇
春一番が吹いたからすぐに気温が上昇していくわけではなく,また寒い日が来て,また暖かい日が来る。これを繰り返しながら徐々に暖かくなっていく。ここから三寒四温(さんかんしおん:3日寒い日が続き,4日暖かい日が来る)という言葉が使われる。そのため,春一番が春の訪れという訳ではないので,しばらくは寒暖差に気を付ける必要がある。なお,春一番ばかりがニュースになるが,春二番,春三番もある。しかし元々春一番は俳句の季語にも使われていた事もあり,季節の変わり目としての印象があるため気象庁でも発表しているが,本来気象用語ではなかったため,春一番のみの発表に留めている。
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■2月17日
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・領土編入前の竹島でアシカ漁 新たな資料を発見
島根県に属する竹島は現在韓国により不法占拠されており,要塞が築かれている。そのため日本は近づくことすらできず,韓国では国として「独島は韓国の島」という教育を子どもたちにしている。日本はこれに対して抗議しているが,韓国もそれに対して抗議を繰り広げている。日本は武力で奪い返すような事はしないため,資料を揃えて合法的に,国際的に認知を広げていく事を狙っているため,こうした資料は貴重。このニュース自体は時事問題性が薄いが,島根県の竹島に領土問題を抱えている事は良く出されるので,場所も調べて覚えておきましょう。
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■2月19日
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・中国 北朝鮮からの石炭輸入停止
中国は北朝鮮による核実験に対して,国連安全保障理事会が採択した制裁決議を履行するため,石炭の輸入停止を決定した。昨年1年間の石炭輸入額は約1300億円で,北朝鮮の貴重な収入源となっている。今まで中国は北朝鮮をかばって動いてこなかったため,実質的な制裁に結びつかなかったが,中国が動いたことで,国際的に本格的な制裁が行われる可能性がある。
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■2月22日
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・竹島の日で記念式典 韓国が抗議
島根県の条例で定められた「竹島の日」で記念式典が行われ,これについて韓国が抗議をしている。
毎度のことではありますが,竹島の場所はチェックしておきましょう。
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■2月23日
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・NASA 地球サイズの7つの惑星 生命体存在の可能性を発表
NASAは39光年先に地球サイズの7つの系外惑星を発見したと発表した。そのうち3つには表面に水が存在しうるハビタブルゾーンに存在し,生命体が存在する可能性もあるとしている。これまで地球は奇跡の惑星と言われていて,生命体が存在する惑星の発見は困難とされてきた。これは恒星(光っている天体)は発見しやすいが,この天体は燃えているため生命が存在しない。存在する可能性がある惑星は光っていないため見つけられないとされてきたため。技術が進歩し,惑星が次々と発見されるようになり,今回は生命体が存在する可能性がある惑星が発表された。しかも39光年という比較的近距離に位置し,実際に観測機を飛ばすことも可能な範囲ではある。とわくわくするような事を書いたが,時事性はない。あくまで可能性であり,生命体の発見ではないため。しかし天体は謎が多く,子どもが興味を持ちやすい単元でもあるため,ぜひ話題にして,想像を膨らませて欲しいところ。
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■2月23日
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・日産のカルロスゴーンCEO 退任
日産は日本の自動車産業の主力会社の1つで,現在トヨタに次ぐ2位の自動車会社。1999年に販売不振による経営危機となり,フランスのルノーと資本提携を行った。この時にCEOとしてルノーの副社長であるカルロスゴーンが就任し,経営再建をして復活した。後任には西川廣人がつく。自動車産業は日本の主力産業の1つであるため,大手自動車会社の名称,時事には耳を傾けておくといいでしょう。
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■2月24日
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・中3の英語力 目標達成は「書く」のみ
文部科学省は2016年夏に実施した中学3年生の英語力調査の結果を公表。これによると「聞く・話す・読む・書く」の4技能のうち,実用英語技能検定(英検)3級程度以上と評価された生徒が5割以上だったのは「書く」力のみとなり,その他は3割前後にとどまった。政府は17年度までに中学校の卒業段階の生徒の半数以上が英検3級程度以上の英語力を持つことを目標として掲げているが,達成は厳しい。
時事性というよりも,これから入試を控えている小中学生,及びその保護者の方々には知っておいて欲しい情報。今までの英語の指導では実際に使えない事が多いとのことで,英語指導の改革は日々行われている。その中でも特に力を入れているのが「聞く力」と「読む力」今年の千葉県の公立入試でもリスニングの割合が増加するなど,明らかな変化が出てきている。今までのようにひたすら書きまくって覚えたり,丸暗記で点が取れたりといった状況はもうなくなるということです。
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■2月24日
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・プレミアムフライデー 初の実施
経済産業省が経団連などと連携し,月末金曜日の終業時間を午後3時に早めるよう企業に呼びかける「プレミアムフライデー」が全国的に実施された。これにより金曜日の夕方から夜にかけての消費を促す事を目的としているが,月末は仕事が多くなることから,早く帰らされることに批判的な意見も多い。しかし日本の今の現状はサービス残業などに垣間見える通り,お金も稼げない,消費する時間もないという経済が停滞する悪循環に陥っている。プレミアムフライデーの実施によりそれを打開できるかが見どころとなる。
中3の経済を勉強した時に学ぶことにはなるが,お金がないから節約するということを続けると,巡り巡って自分たちの首を絞めることになる。国として経済的に豊かになるためには,お金をどんどん使わなければならないというこの考え方は教えられただけでは理解できない。プレミアムフライデーの実施がどうして景気の回復に結びつくのか,ぜひあれこれ考えて,経済学の考え方を身に着けて欲しい。
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■2月24日
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・新62円切手にソメイヨシノ
はがきの郵便料金が6月1日から52円から62円へと値上げされる。これにより桜のソメイヨシノをデザインとした新62円切手が誕生する。また,現行の普通切手は販売終了となる。
切手は何気にすごい。結構奥が深いものです。はがきなら70円切手を貼れば世界中どこでも送れるんです。そう考えると不思議じゃないですか?
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■2月27日
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・第89回アカデミー賞 政治色の強い授賞式に
アカデミー賞は昨年1年間にアメリカで公開された作品を対象に選考されるもの。今年はトランプ大統領に対する政治反発からか黒人が多く選ばれたり,受賞者のスピーチでもトランプ政策の批判が目立ったりする授賞式となった。今年の受賞の抜粋は以下の通り。
・作品賞 : 「ムーンライト」(日本開は3月31日)
・監督賞 : デミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」
・主演男優賞 : ケイシ―・アフレック「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
・主演女優賞 : エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド」
・助演男優賞 : マハーシャラ・アリ「ムーンライト」
・助演女優賞 : ヴィオラ・デイヴィス「フェンス」
・アニメ賞 : 「ズートピア」
なお,時事性は低いので,テストのために作品名まで覚えておく必要はないでしょう。これから日本で公開されて話題になっていく映画なので,頭の片隅に入れておけば興味につながるかもしれませんね。
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■2月27日
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・2017年度予算案 過去最高の97兆円
2017年度の予算案は一般会計が過去最高の97兆4547億円となり,これが衆議院を通過した。これにより,憲法に衆議院の優越が記載されているため,年度内の予算決定が確実となった。これから参議院による審議に入るが,2月中に本予算の実質審議に入るのは平成11年以来18年ぶりの早い決定となった。
ニュースなどで「憲法の規定により年度内の予算決定が確実」と言われているが,この「憲法の規定」が何のことなのかわかっていない子が多かったので覚えておきましょう。「衆議院の優越」です。衆議院の決定は参議院よりも優先されると憲法に書いてあるため,衆議院を通過したということは,参議院でどのような結果になっても予算が成立するということです。これは日本の政治制度の仕組みであり,受験でもよく出るところなので,学年に関わらず知っておく方がいいでしょう。また,予算が97兆円,ざっくり100兆円近いということも覚えておきましょう。
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■2月28日
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・天皇皇后両陛下 ベトナムを公式訪問
ベトナムとの皇室同士の交流は以前よりあるが,天皇がベトナムを訪問したのは初めて。ベトナムでは友好親善が行われ,首都のハノイや古都であるフエを訪問。元残留日本兵の家族にも面会した。ベトナムの訪問の後は5日にタイへ訪問する。
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■2月28日
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・中国 無許可で日本のEEZ内を調査
岸田文雄外相は日本の排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)内で,中国が過去5年間に63件の無断調査を行っていた事を明らかにした。中国は日本のEEZだけではなく,南シナ海でも無断で海洋調査を行っていて,各国との摩擦を引き起こしている。
中国のEEZ云々は時事性が低いのですが,排他的経済水域とは何か,今回の無断調査の何が問題なのかは知っておいた方がいいでしょう。特に日本の資源は排他的経済水域によって守られているといっても過言ではないので,テストに出なくても重要な内容です。
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