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2017年10月の時事問題・親向けの解説

■10月1日
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・カタルーニャで独立投票

スペイン北東部のカタルーニャ地方で独立の是非を問う住民投票が行われた。国は憲法違反だとして投票そのものの差し止めを求めているが,州政府は強行した。そのため治安部隊などと独立派の市民が衝突し,けが人も出ている。投票は即日開票され,独立多数となった。

スペインのカタルーニャ地方は今回に限らず以前から独立志向が強く,スペインに取り込まれた時から弾圧を受けていた。そのため度々独立が叫ばれていたが,今回は税制に対する不満が爆発し,独立投票という形になった。カタルーニャの問題は非常に時事性が高いので,スペイン,カタルーニャの場所は調べておくこと。

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■10月8日
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・神戸製鋼所 強度などの性能データ改ざん

神戸製鋼所アルミ製品の一部で強度などの性能データを改ざんして納入していたと発表。不正は組織的に約10年前から行われていた。

神戸製鋼所は日本でも有数の製鋼会社。その納入先は国内では三菱やJRを始め,世界にも多数あり,日本の物づくりの信頼性がゆらぐ事態となっている。時事としてはそこまでではないが,日本の産業に関わる重要なニュース。三菱自動車や日産の不正,東芝の不正など,このところ日本の不正が世界を騒がせている。こういうことがあったという事は知っておきましょう。ちなみに今回の件とは関係ないが,神戸製鋼は安倍総理がサラリーマン時代に勤めていた会社でもある。

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■10月10日
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・みちびき4号機 打ち上げ成功

みちびき4号機を搭載したH2Aロケット36号機鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ,予定の衛星軌道に投入することに成功した。

みちびきは電波で地上の位置を計測するための測位衛星。これによりGPSによる位置情報の精度が格段に向上し,現在10メートル程度ある誤差を,最小で6cmまで減らせる見込み。現在はアメリカのGPSとの併用で位置情報を検索しているが,将来的にはこれを日本の衛星をあと3機打ち上げ,7機体制で6cmの誤差を実現することを目指す。なお,H2Aロケットの打ち上げはこれで30回連続で成功,成功率は97.2%となった。人工衛星の名前は非常によく出るため,しっかり押さえておきましょう。また,種子島の場所も確認しておくこと。

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■10月12日
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・米 ユネスコ脱退

米国務省は,「ユネスコは反イスラエル的偏向を続けている」,とユネスコの政治的な姿勢を非難。トランプ大統領も脱退の意向を伝えており,時期に離脱すると考えられている。パレスチナ自治区ヘブロン旧市街を世界遺産に登録したことに反発したと思われる。イスラエルもこの後に脱退を表明。

ユネスコは195か国が加盟している国連の専門機関で,世界遺産を登録していることで有名。今回の脱退のきっかけとなったのは,ユネスコがヘブロンにあるユダヤ人の祖先の墓と信じている場所を,ユダヤ人のものではなく,パレスチナのものとして登録したこと。そのため平等性にかけるとしてアメリカとイスラエルの反発を招いた。イスラエルの場所は押さえておきましょう。

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■10月18日
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・第19回 中国共産党 党大会

北京(ペキン)で開幕した中国共産党第19回党大会で,習近平総書記(国家主席)が3時間半に渡る演説を行った。演説で習主席は2049年の建国100年に向けた「富強民主国家」の実現を2段階で達成する新たな国家目標を設定した。また,側近である陳敏爾(ちん・びんじ)氏が来年3月の全国人民代表大会(国会)で国家副主席に就任することが内定した。陳氏が最高指導部の常務委員と国家副主席を兼務することで,5年後に国家主席の任期を迎える習氏の後継地位を固めることとなる。

中国は次々と強引に改革を進めているため,勢いがあるが中身がないとも言われている。しかし中身がなくとも既成事実を積み上げていくことで権力の範囲を広げられているのも事実。中国の動向は今後も重要な位置づけになりそうですね。

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■10月19日
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・天皇退位19年3月末 新元号は4月1日から

政府は天皇陛下の退位日を2019年3月31日(平成31年)とし,皇太子が4月1日から即位,新しい元号にすることで最終調整に入った。新元号についてはまだ決定していない。

天皇の退位は光格天皇以来約200年ぶり。退位後は「上皇」となる。皇太子は現在57歳なので,59歳で天皇となることになる。現在の天皇は現在83歳なので,85歳で退位。現在の天皇が天皇になられたときは55歳なので,それよりも高齢での即位。ちなみに現在の天皇誕生日12月23日で,新天皇2月23日。つまり,即位した4月1日の時点ですでに新天皇の誕生日は過ぎているため,このままでは祝日が1日減ることになる。うまいこと現在の天皇誕生日を祝日として残し,祝日を増やして欲しいものですね。

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■10月19日
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・米コンシューマーリポート トヨタが首位

アメリカのコンシューマーリポート(消費者情報誌)の発表した自動車ブランド別信頼性ランキングで,トヨタが1位を獲得した。順位は以下の通り。

1位:トヨタ(愛知)

2位:レクサス(トヨタの高級車ブランド)

3位:起亜(韓国)

4位:アウディ(ドイツ)

5位:BMW(ドイツ)

6位:スバル(群馬)

7位:インフィニティ(日産の高級車ブランド)

8位:ビュイック(アメリカのGMブランドの1つ)

9位:ホンダ(三重)

10位:ヒュンダイ(韓国)

11位:日産(神奈川県横浜)

12位:マツダ(広島)

時事性はありませんが,日本は車が主要産業の国。日本ブランドと主要工場の場所は覚えておきましょう。ちなみに韓国の起亜,ヒュンダイは以前まで日本のコピー,劣化版などと揶揄(やゆ)されていたが,最近は技術力も上昇。また,時代は電気自動車(EV)自動運転に向かっているが,日本は規制が厳しく,開発が遅れている。さらに中国も政府が後押しする形で世界に進出することを狙っているため,自動車産業の競争は激化していくと考えられる。

なお,トランプ大統領「アメリカ車が売れていないのは不公平」と主張していたが,このランキングを見る限り,アメリカ車は8位のビュイック,15位のフォード,17位のクライスラー,18位のシボレー,20位のジープ,21のテスラ,22位のリンカーン,24位のダッジ,25位のラム,26位のGMC,27位(最下位)のキャデラックと,軒並み下位を占めている。アメリカの消費者レポートでありながらこの評価を受けている現状が,果たして不公平だから売れていないと言えるのかどうか疑問ですね。

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■10月20日
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・日経平均株価 過去最高とタイ記録の14営業日続伸

日経平均株価の終値(おわりね)が14営業日続伸し,高度経済成長期1960年12月から61年1月までに記録した最高記録と並んだ。これは56年9か月ぶり。

1960年と言えば,ローマオリンピックが開催された年で,この次の1964年東京オリンピック。それに向けて経済が活性化した時期です。ちなみにカラーテレビが放送され始めたのもこの年。

日経平均とは,日本経済新聞社が始めた日本の代表的な株の株価を表したもの。平均と言っているが,小中学校で習う平均とはちょっと違い,各会社の株価の算出方法に合わせて修正する。また,どの株を使うかも世の中の実情に合わせて入れ替えも行っている。株価というのは世界情勢や会社の状況などによってアップダウンを繰り返しているもので,それが14営業日(約3週間)連続で上昇しているということは,経済的にかなり上昇基調が強まっている事を示している。自民党もこれを主張しているが,果たして自民党だから株価が伸びているのか世界経済に引っ張られる形で伸びているのか。いずれにしても経済が上向いているなら給与も上げて欲しいものですね。

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■10月21日
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・スペイン政府 カタルーニャ州の自治権を停止

スペイン政府のマリアノ・ラホイ首相は「カタルーニャ自治政府の合法性を取り戻すため,憲法155条に明記された手続きを進める」として,自治権を停止することを決定。月内にも上院が承認し,中央政府の権限で州議会を解散,6か月以内に議員選を実施することになる。カタルーニャ州のカルレス・プッチダモン州首相は,「中央政府が抑圧を続けるならば,住民投票の結果に基づき,州議会が独立宣言を採択する」と述べた。

スペイン憲法144条には「危機の際には中央政府による直接統治が可能」と定めている。つまり,今回のカタルーニャ州の独立気運を高まりを危機的状況ととらえ,自治権を剥奪して直接統治することにしたというもの。時事性が非常に高いニュースなので,カタルーニャの場所首相と州首相の名前は覚えておくように。とくにプッチダモンはヨーグルトのプチダノンと似ているため,面白がって出題する先生もいるはず。

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■10月22日
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・衆議院選挙 投開票

衆議院選挙の投開票が行われた。結果は議席数465人の内,与党(自民党・公明党)313人となり,改憲に必要な3分の2である310人をこえた。

時事性が非常に高いのでよく覚えておくこと。特に選挙の名前「衆議院選挙」と議席数465は必須。与党が自民党公明党ということも覚えておきましょう。また,野党の名称として,希望の党維新の会立憲民主党共産党社民党も覚えておきましょう。

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■10月31日
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・エアドゥ 機長不足で34便運休

AIRDOは羽田-新千歳間,新千歳-仙台間で合計34便を運休すると発表。運休の理由としては,退職などによりパイロットの確保が難しくなったため。

AIRDOは全日空(ANA)と提携している航空会社。格安を売りにしており,日本航空(JAL),全日空(ANA)よりも安く乗ることができる。格安航空会社といえばスカイマーク,バニラエア,ピーチアビエーション,スターフライヤーなどがあり,最近は海外進出も加速しているため,海外旅行へも安く行けるということもあり人気が出てきている。しかしながらここにきてかれこれ20年近く言われてきたパイロット不足が現実味を帯びてきた。パイロットは養成に非常に時間とお金がかかり,試験も難関な事から狭き門とされていた。そのままではまずいということで,試験,特に身体検査の部分を緩和したり,大学がパイロットの養成に乗り出して対策をしたりしてきているが,追いついていない現状が浮き彫りになってしまったというニュース。パイロットになりたい子どもがいるので取り上げてみただけで,時事性はないでしょう。

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アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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