目次
- 1 6月1日 東京五輪聖火リレー 121日かけて全国857地区町村
- 2 6月2日 無人運転車両が逆走
- 3 6月12日 動物愛護法改正案成立
- 4 6月4日 天安門事件から30周年 香港で大規模な追悼集会
- 5 6月15日 レジ袋の有料化を明言 世耕経済産業相
- 6 6月7日 サニブラウンが100m走で日本新記録
- 7 6月12日 安倍首相 イラン訪問
- 8 6月13日 日本タンカーがホルムズ海峡付近で攻撃を受ける
- 9 6月7日 人口の自然減 初の40万人超え
- 10 6月7日 大学入学共通テスト英語 リスニングの比重大幅増加
- 11 6月9日 香港で逃犯条例に反対して大規模デモ
- 12 6月10日 カナダが脱プラスチック宣言
- 13 6月14日 残業代の未払い 原則5年へ法改正
- 14 6月25日 2026年冬季五輪 イタリア開催決定
6月1日 東京五輪聖火リレー 121日かけて全国857地区町村
聖火リレーのルートが決定。3月12日にギリシャのオリンピアで採火し,ギリシャ国内を巡り,アテネにて聖火引継ぎ。3月20日に宮城県の松島基地に到着し,その後全国各地を通過。基本的にはランナーによるリレーが行われるが,途中の長距離移動は車や飛行機を用いる。また,もし消えてしまった時のためにバックアップの火も用意している。
聖火リレー自体の時事性は低いのですが,巡る場所,特に最初の福島やご自身の住まいの地域に関する所は狙われる可能性があります。選ばれた地域には選ばれた意味があるので,そこと関連させて押さえておくといいでしょう。
6月2日 無人運転車両が逆走
横浜市の新交通システム「金沢シーサイドライン」が逆走して衝突。この車両は無人運転車両で,自動運転中だった。このような事故は過去30年間の歴史で初めての出来事。神戸のポートライナー,六甲ライナー,大阪のニュートラム,東京のゆりかもめ,舎人ライナー(とねりらいなー),千葉県舞浜のディズニーリゾートライン,関西国際空港のウイングシャトルなどがある。
自動運転は車だけではなく,あらゆるところで進んできている。車とは違い,同じ場所を走る電車の自動化は比較的容易なため,早くから進んでいますが,どうしても完全に事故は防ぎきれません。時事性はありませんが,今後の社会の先行きを示す事件ではありますので,これから発表されると思われる事故の原因は気にかけておくと自動運転化の弱点を考えられる視点を持てる子になるでしょう。
6月12日 動物愛護法改正案成立
販売用の犬猫へのマイクロチップの装着の義務化,販売するのは生後8週間以降,ペット虐待の罰則強化などが盛り込まれている。マイクロチップとは,犬猫の皮膚に埋め込む小さなチップで,ここには飼い主に関する情報と動物の情報が登録される。
犬猫を買ったはいいけれど,世話をできずに捨てて野良犬,野良猫になる問題がマイクロチップによりある程度は防げるようになるかも知れませんが,結局のところモラルの問題ですね。地域猫というのはご存知ですか?あまり浸透していない気がしますが,野良猫に餌を与えてはいけないという条例がある自治体もあります。また,条例では定めていなくても,餌を与えるなら与える人にも責任が伴います。避妊手術をして,次の世代の野良猫を増やさないようにしなければならないんですね。こうして一代限りとなって地域で可愛がられている猫を地域猫といいます。時事性は低いですが,中学受験で狙われる命の大切さを意識する上で,ペットを飼っている人には絶対知っておいて欲しいニュースです。
6月4日 天安門事件から30周年 香港で大規模な追悼集会
中国の香港で,天安門事件の追悼集会が行われ,数万人規模のデモ行進が行われた。参加者は一党独裁への反対,中国の民主化を訴えた。
1989年,中国の北京市にある天安門(てんあんもん)で中国政府が武力で学生の民主化運動を弾圧した事件を天安門事件という。現在中国では天安門と言うキーワードはタブーとされており,インターネットでも検索できず,歴史からも抹消されている。天安門について話す人やネット上の書き込みも検閲されており,若い人達は天安門で事件があったことすら知らずに育っている。香港はイギリスの植民地だったこともあり,返還されるときに高度な自治を約束したため,比較的民主化が進んでいる。そのため中国本土では抹消されたこの歴史と一党独裁政治を批判している。入試問題として出すにはデリケートな問題なので出ないとは思いますが,学校の試験程度なら出す先生もいるかも知れません。また,テストに出なくとも,このようなやり方をするのが中国政府(中国共産党)だということは知っておくと過去から現在に通じる中国を理解しやすくなるでしょう。
6月15日 レジ袋の有料化を明言 世耕経済産業相
世耕(せこう)経済産業相は来年のオリンピックに間に合うように,プラスチック製のレジ袋の有料化を義務付ける方針を明らかにした。
プラスチックのレジ袋は河川や海に流れ出て海洋汚染につながっており,プラスチックごみを減らすことで環境対策をすると同時に,使用する人に負担させることで一人ひとりに意識させる狙いもあります。まだ方針なので時事性は高くないですが,プラスチックごみの話題自体はとても重要な時事性を持っています。ウミガメの鼻に刺さった痛々しいストローの動画から,最近徐々に紙製のストローも出てきておりますので,折りに触れてお子様と話す機会を持つようにするといいでしょう。
6月7日 サニブラウンが100m走で日本新記録
サニブラウン・ハキーム選手が全米大学選手権の100m決勝で9秒97の日本新記録で3位となった。それまでの桐生祥秀の記録を0.01秒縮めた。
スポーツ系のニュースなので,体育のテストがある場合には名前と記録を覚えておくといいでしょう。
6月12日 安倍首相 イラン訪問
安倍晋三首相が日本の首相としては41年ぶりとなるイラン訪問をし,ハッサン・ロウハニ大統領やアヤトラ・アリ・ハメネイ最高指導者と会談。緊張するアメリカとイランの対立の仲介役となった形。
帰国中に日本のタンカーが攻撃されるといった事件が起き,仲介がうまくいったとは思えない状況ですが,比較的わかりにくい中東問題において,日本が関係したという事もあって,時事問題になる可能性は十分あります。子ども達に聞くとイランに怖いイメージを持っている子が多いようですが、実はNHKドラマ「おしん」が大好きな親日国なのです。なお,イランはイスラム教が強い国で,大統領よりも指導者の方が権力を持っています。イランの場所と大統領名,指導者名は押さえておきましょう。
6月13日 日本タンカーがホルムズ海峡付近で攻撃を受ける
安倍晋三首相がイラン訪問から帰国中にホルムズ海峡付近で日本のタンカーが攻撃を受けた。
アメリカはイランの仕業だとしていますが,いずれも不鮮明な映像ばかりで何を信じればいいのかわからない状況です。日本政府の立場としても,仲介役をした手前もあって,アメリカに同調はせず,客観的な証拠を見せて欲しいと話しているとのこと。時事問題として出題される可能性があるとすれば,ホルムズ海峡の場所(イランとドバイの間の海峡)くらいだと思いますが,それよりも子どもに考えさせたいのは,なぜ日本の自衛隊が全く動かないのか。実はこのタンカー,日本の会社の船ですが国籍はパナマなんですね。そして攻撃を受けた際,日本の船であることを示す国旗も掲げていなかった。つまり,自衛隊は日本を守るためのものなので,手が出せないということなんですね。じゃあなぜ日本国籍ではなくパナマ国籍の船なのでしょうか。もとは円高対策ということで,外国籍の船ならドルでやりとりできるため為替リスクが軽減できるという考えから,現在は実に日本の大型船の6割以上の船がパナマ国籍になっています。ちょっとしたことですが,こういうところからも公民を学ぶことができます。
6月7日 人口の自然減 初の40万人超え
死亡者数から出生数を引いた自然減が約44万4000人となり,初の40万人超えを記録した。合計特殊出生率は1.42となり,3年連続の下落。1989年(平成元年)に約46万人の増加だったのに対して,年々減少。2005年にマイナスに転じて2006年には一時的に8千人増のプラスに転じたものの,以降減少し続けている。
自然減の数自体が時事問題となることは無いとは思いますが,人口に関する時事問題はよく出題されます。今回一気に5万人近く減少した要因はなにか。このあたりの考えは小中学生でもできるので考えさせてみるといいでしょう。この自然減は「減った人数ー増えた人数」で算出していて,高齢社会の日本では高齢者の死亡が増えてきていますが,子育て世代が少子化で減少しているため,マイナスが急拡大しました。少子化対策は今後の政府の柱にもなるので,子どもも巻き込んで考えていけると社会に強くなっていきます。
6月7日 大学入学共通テスト英語 リスニングの比重大幅増加
2020年度から始まる大学入学共通テストのリスニングの比重を従来の20%から50%に引き上げることを公表。
今の英語は「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を育てていくことを目指しているため,大学入試もそれに合わせていく形となりました。しかし初めての共通テストで全てを評価するのは難しいため,とりあえず「読む」「聞く」の評価を100点ずつ,合計200点で行うことが決まりました。いずれは「話す」「書く」の評価も加えていくことになるとは思いますが,とりあえず民間の試験を活用していくことになりそうです。時事問題としての時事性はほぼありませんが,以前とは英語の教育の在り方が変わっているという点は親として知っておきたいところです。
6月9日 香港で逃犯条例に反対して大規模デモ
香港(ホンコン)で逃犯条例(犯罪人引渡条例)改正に反対する大規模デモが起き,市民と警察隊が衝突した。これは中国本土の中国共産党に目をつけられた人物が香港に来た場合は引き渡さなければならないという条例。香港はイギリスの植民地だった関係で高度な自治が認められているが,この法律が成立してしまうと,中国共産党の気にいらないことをすると逮捕されるという,中国本土と同じ独裁政治に引きずり込まれることになる。実際中国共産党は30年前にも天安門事件で市民を武力で弾圧し,その過去を隠蔽した歴史があり,香港にはそういった中国共産党の政治に反対する人が逃げてきているといった事情もある。
日本は対岸の火事といった感じで見ている人も多いようですが,香港でこの運動を起こしたきっかけとなっているのは当時高校生だった女の子です。香港に限らず,世界では政治に関することを小さいうちから学び,真剣に考えているからこうしたデモが起きるんですね。日本ではデモをただの迷惑行為として見ている人が多いようですが,これが日本の教育戦略だとしたらどうでしょう。政治家のやることを気にかけず,決まったことに従うだけ。政治家は何も言われないのをいいことに好き勝手やって,都合の悪いことは隠蔽する。武力を行使するかどうかは大きな違いですが,今の日本政府も中国政府も大して変わらない気がしますけどね。日本は考えて行動することが許されている社会なのに,考えずに決められたことだけを覚えて行動する教育を施す。果たしてこれでいいのか考えさせられますね。子どもが政治に関心を示す事件となることを願うばかりです。
6月10日 カナダが脱プラスチック宣言
カナダのトルドー首相がレジ袋やストローなどの使い捨てプラスチックを2021年から禁止すると発表。また,プラスチック製品の製造者や利用者がリサイクルに責任を持つように規制をつくる考えも示した。脱プラスチックは28~29日に大阪で開かれるG20首脳会議(G20サミット:ジートゥウェンティ)でも議題の1つになる見通し。
カメの鼻に刺さったストローの動画から世界中にプラスチックストロー廃止の動きが広がり,プラスチックに関する人々の意識がやっと本格的に動き出した感じですね。この問題自体の時事性は高くはありませんが,脱プラスチックは今後世界的な社会テーマとなるため,身近なプラスチック製品に対する考えは折りに触れて子どもと考えていくと社会化教育につながっていくでしょう。
6月14日 残業代の未払い 原則5年へ法改正
残業代などの未払いがあった場合,それを会社に請求できるのは現行では2年分までだが,それを5年分まで遡れる法改正を検討中。2020年までに施行する見通し。
現在は確定ではなく,話し合いが行われている段階なので時事性は低いのですが,労働環境についての意識が労働者の中で次第に向上してきているのは確か。新卒の新入社員達の間でも職場の環境がランクインし,収入や安定よりも働き方に意識が向いてきている様子です。しかしまだまだ動きが遅いのが現実。現に働き方を率先して行っている会社は若い会社が多く,大手や50歳以上の役員が占める組織では愛社精神が低い!社員教育がいきわたっていない!などと言っている所も多く,まだまだ時間がかかりそうな様子。子どもにどういう生き方をしてもらいたいか,親としても考えて子育てする必要がありそうですね。
6月25日 2026年冬季五輪 イタリア開催決定
国際オリンピック委員会(IOC:International Olympic Committee)は2026年の冬季五輪の開催地をイタリアのミラノとコルティナダンペッツォに決定したと発表。イタリアでの開催は2006年のトリノに続き20年ぶり3度目。ミラノは初の開催地となる。
冬季五輪の開催地は,
- 1972年:日本(札幌)
- 1976年:オーストリア(インスブルック)
- 1980年:アメリカ(レークプラシッド)
- 1984年:ユーゴスラビア(サラエボ)
- 1988年:カナダ(カルガリー)
- 1992年:フランス(アルベールビル)
- 1994年:ノルウェー(リレハンメル)
- 1998年:日本(長野)
- 2002年:アメリカ(ソルトレークシティー)
- 2006年:イタリア(トリノ)
- 2010年:カナダ(バンクーバー)
- 2014年:ロシア(ソチ)
- 2018年:韓国(平昌:ピョンチャン)
- 2022年:中国(北京:ペキン)
- 2026年:イタリア(ミラノ,コルティナダンペッツォ)
となっています。全部覚える必要はありませんが,開催地に決まったイタリアは時事問題として出題される可能性は高いため,場所を押さえておきましょう。
コメントを残す