目次
関連動画
初詣は受験に役立つ
受験生にお正月は関係ないですから、受験生の皆さんは初詣とは関係なく、変わらず勉強している事と思います。
なんてことはなく、きっと羽を伸ばしているはず。
やはり子どもですから新年というものは特別に感じることでしょう。
ファイでも過去問など受験勉強の指示は細かく与えているものの、お正月イベントは推奨しています。
家族がそろって新年を祝う貴重な機会ですからね。
大切なのはメリハリ。
子どもが勉強する場所と時間は与えつつ、家族行事は参加させる。
そのため、家族行事の時間は子どもにもしっかり伝えておくようにして下さいね。
ということで、今回は初詣について。
受験生は合格祈願に行く人も多いはずなので、初詣をネタに受験勉強をしておきましょう。
受験の神様へ合格祈願するには
受験生に限らず、勉強に力を入れている場合、やはり学問の神様は気になるところ。
せっかく合格祈願をするのなら、やはり学問の神様にお願いしたいですものね。
ネットを見れば学問や受験にご利益がある初詣スポットが紹介されていますが、一体学問の神様とは何か、どうして受験にご利益があるのか、よくわからずにお参りしていませんか?
お参りすること自体に意味があるのでそれでも構わないと思いますが、学問の神様を頼っておきながら、学問の神様が何かすらわからないというのも、不勉強で失礼ではないかなと。
それでは本当にただの神頼みですからね。
受験の神様=菅原道真
さて、まず学問の神様といえば菅原道真(すがわらのみちざね)。
この人は894年に遣唐使を廃止したことで有名で、中学受験、高校受験でもよく出てくる超重要人物です。
最もただ「廃止した」と覚えているだけの人は、何がすごいのかわかっていないと思います。
菅原道真の凄いところは、唐(当時の中国)の情勢が不安定なことから、もし唐が滅びれば日本も巻き添えを食らう可能性があると考え、他の人達が続けるべきだと言っていた中でたった1人廃止を主張し、半ば強行的に廃止したこと。
その後は彼の予見した通り、唐は一気に衰退して分裂。
戦争が起こり、混乱してしまいます。
もし日本が唐と交易を持っていたら、「唐の仲間なら日本も敵だ!」と言って攻撃されていたかもしれません。
菅原道真は先見の目で日本を唐の動乱から守ったのです。
なお、これにより日本には唐からの文化が入らなくなったため、日本の中で独自の文化が発展。
それが平安時代の国風文化と呼ばれ、かな文字や十二単(じゅうにひとえ)などの現代にも通じる独自の文化を作り上げることにつながったのです。
彼は地位の低い貴族でしたが、小さい頃から勉強家で、5歳で和歌を詠んでいたと言われています。
そのため神童と呼ばれていました。
彼は最終的には右大臣という政務を統轄する地位まで上り詰め、民にも慕われ、天皇にも気に入られていました。
ここに学問の神様と言われる所以(ゆえん)があります。
学問の神様になった理由
しかしその後、左大臣の藤原時平に妬(ねた)まれ、無実の罪で大宰府へ左遷させられます。
彼はそのまま大宰府に閉じ込められたまま亡くなったことから、福岡の大宰府天満宮は菅原道真を神として祀るようになりました。
さて、ここからが重要なポイントです。
菅原道真の死後、京都で病死や事故死、自然災害などの異変が相次ぐのです。
その異変を人々は菅原道真の呪いだと解釈、道真の怒りを鎮めようとして祀るようになりました。
これが京都の北野天満宮。
「天に満ちた道真の怒りを鎮めるための宮」
という意味です。
その時に菅原道真は天神様として信仰の対象とされ、全国へ広まっていきました。
神社とお寺の違い
違いの理解が受験を有利に運ぶ
神社とお寺が似ているのは歴史上融合していた時期があるので、ある意味区別がつかないのはしょうがないことです。
しかしそれも由来がわかれば、明確に違いを区別できます。
子どもも何となくはわかっているものの、意外とハッキリ説明できない子が多いのです。
まぁ子どもにとってお寺や神社は新年やお祈り、お葬式ぐらいしか縁がありませんからね。
折角関わる時期が来ましたのでお話しして頂ければと思います。
なお、この違いに関しては最低限の知識さえあれば推測が可能な内容なため、教えるより自由に考えさせる方がいいでしょう。
神社とお寺は宗教が違う
まずお寺と神社は宗教が全く違います。
・神社 ⇒ 神道(しんとう)
・お寺 ⇒ 仏教
いわゆるお釈迦様や仏像、大仏をあがめるのが仏教。
神道は八百万(やおよろず)の神をあがめる宗教。
日本には古来より様々な自然現象を神の行いとして考えており、それが神道へと発展します。
ここにインドから伝わって来た仏教が広まり、日本の神道と混ざっていきます。
面白いのが宗教が混ざっていくという現象。
通常は自分たちの考えやあがめている対象以外認めないことから、世界の歴史を見ても宗教は度々対立を起こしています。
ところが日本の神道はいわゆる多神教という何でも間でも神としてあがめる宗教。
そのため仏教(釈迦)も取り込んでしまったんですね。
それどころか仏教の中にも役割に応じた多数の神を見出し、薬師如来、観音菩薩、お地蔵様など様々な仏様をあがめるようになります。
これを神仏習合といい、明治時代まで続きました。
なんとも日本らしいところですね。
一度混ざったのに別れた理由
明治時代になって神道を日本の宗教とする動きが出てきて、神仏分離令というものが出され、仏教(寺)と神道(神社)は棲み分けなさいという法律ができました。
この時に修験道や陰陽道といった宗教も廃止されています。
しかしながらすでにキリスト教が浸透していた状況から、欧米諸国はこの政策に猛反発。
欧化政策を進めていた日本は受け入れざるをえ、神仏分離令は中途半端な形で終わります。
ご神体と仏像・鳥居と山門の違い
さて、お寺と神社の違いに話を戻しましょう。
・神社 ⇒ 御神体
・お寺 ⇒ 仏像
お寺は仏像をあがめますが、神社は御神体なので色々なものをあがめます。
木とか石とか刀とか鏡とかですね。
そして入口にも大きな違いがあります。
・神社 ⇒ 鳥居
・お寺 ⇒ 門(山門)
「え?でもお寺にも鳥居ありますよね?」
という方、よく見ていますね。
先程も話した通り、これは神仏分離が中途半端に終わった名残です。
昔はお寺も神社も同じ場所にあることが多かったので、お寺でも鳥居の習慣がそのまま残ってしまったんですね。
ちなみに岡山県にある最上稲荷山妙教寺(さいじょういなりさんみょうきょうじ)は神仏習合を許された珍しいお寺。
鳥居やしめ縄、神社に使われる建物など多くの神社様式を取り入れています。
名前の稲荷(いなり)も神社ですし、名前からして神仏習合がハッキリ表れてますね。
儀式の違い
儀式にもこんな違いがあります。
・神社 ⇒ 初詣,七五三(宮中行事),祈祷,おみくじ,節分,塩まき
・仏教 ⇒ 除夜の鐘,葬式(お経),縁日,彼岸,供養,盆踊り
「初詣って神社なの!?私、去年成田山新勝寺に行ったけど(^^;)」
お寺でも初詣やっているところ、ありますよね。
でも発祥はその土地の神様に感謝とお祈りをすることから来ていますので、神道の考え方なのです。
日本では神仏習合で混ざってしまったので仏教でも行っています。
よって神社でもお寺でも好きな方にいって構いません。
ちなみに節分などの「鬼」の考えは仏教にはありません。
でも、成田山新勝寺では節分会(せつぶんえ)と言って豆まきをしていますね。
またお葬式で塩をまく(穢れを祓う)のは神道の考え。
しかし仏教でもやっていることがあります。
まぁ要するに神仏習合の名残ということです。
ちなみに合格祈願をするなら、天満宮や天神様。
神社の一種なので、神社でも大丈夫でしょう。
しかしご利益もよくわからず祈願だけするのもなんとも失礼な気がしなくもありませんが(^^;
信仰の対象や根本の考え方の違いからある程度は区別できますので、初詣で並んでいる間の話題にして下さい(^^)/
学問の神様がいる場所
先程の話がわかれば、もうおわかりですね。
学問の神様を祀っているのは、天神様、天満宮と呼ばれる場所です。
また、元が北野天満宮であることから、「北野」と入っている神社も天神様の可能性があります。
有名な所ですと、
- 福岡:太宰府天満宮
- 東京:湯島天神(湯島天満宮)
- 京都:北野天満宮
- 東京:亀戸天神
- 千葉:千葉天神(千葉神社内)
あたりでしょう。
ファイの教室は千葉県の蘇我と稲毛なので、千葉県でお話ししますと千葉神社が有名です。
千葉神社なのですが、中には千葉天神という建物があるんですね。
これが天神様を祀っているので、学問の神様ということになります。
千葉神社の敷地なので千葉神社でも間違いではないのですが、学問の神様に初詣を希望するのでしたら、千葉天神の方へもお参りをしておきましょう。
一応全国各地の有名どころも紹介しておきましょう。
- 札幌八幡宮(北海道:札幌)
- 錦山天満宮(北海道:江別)
- 旭川天満宮(北海道:上川神社内)
- 弘前天満宮(青森:弘前)
- 盛岡八幡宮(岩手:盛岡)
- 盛岡天満宮(岩手:盛岡)
- 榴岡天満宮(宮城:仙台)
- 小平潟天満宮(福島:猪苗代)
- 湯島天神・湯島天満宮(東京:文京区)
- 亀戸天神社(東京:亀戸)
- 五條天神社(東京:上野)
- 谷保天満宮(東京:国立)
- 成子天神社(東京:西新宿)
- 平河天満宮(東京:千代田区)
- 牛天神北野神社(東京:文京区)
- 布多天神社(東京:調布)
- 新井天神北野神社(東京:中野)
- 打越天神北野神社(東京:中野)
- 西向天神社(東京:新宿)
- 町田天満宮(東京:町田)
- 若林天満宮・北野神社(東京:世田谷)
- 穴澤天神社(東京:稲城)
- 千葉天神・千葉神社(千葉:千葉)
- 白幡天神社(千葉:市川)
- 荏柄天神社(神奈川:鎌倉)
- 永谷天満宮(神奈川:横浜)
- 岡村天満宮(神奈川:横浜)
- 久里浜天神社(神奈川:横須賀)
- 高田天満宮(神奈川:横浜)
- 三渓園天満宮(神奈川:横浜)
- 山角天神社(神奈川:小田原)
- 北野天神社(埼玉:所沢)
- 堀口天満天神社(埼玉:所沢)
- 朝日森天満宮(栃木:佐野)
- 東蕗田天満社(茨城:八千代)
- 中城天満宮(茨城:土浦)
- 桐生天満宮(群馬:桐生)
- 山田天満宮(愛知:名古屋)
- 上野天満宮(愛知:名古屋)
- 岩津天満宮(愛知:岡崎)
- 北野天神社(愛知:江南)
- 鴨田天満宮(愛知:岡崎)
- 余坂天神社(愛知:犬山)
- 添沢天満宮(愛知:北設楽)
- 富士権現天満宮(愛知:名古屋)
- 加納天満宮(岐阜:岐阜)
- 飛騨天満宮(岐阜:飛騨)
- 静岡天満宮(静岡:静岡)
- 高天神社(静岡:掛川)
- 谷崎天神社(静岡:周智)
- 小松天満宮(石川:小松)
- 北野天満宮(京都:京都)
- 錦天満宮(京都:京都)
- 菅原院天満宮神社(京都:京都)
- 水火天満宮(京都:京都)
- 吉祥院天満宮(京都:京都)
- 文子天満宮(京都:京都)
- 長尾天満宮(京都:京都)
- 日除天満宮(京都:京都)
- 生身天満宮(京都:南丹)
- 長岡天満宮(京都:長岡京)
- 和束天満宮(京都:相楽)
- 大阪天満宮(大阪:大阪)
- 露天神社(大阪:大阪)
- 綱敷天神社(大阪:大阪)
- 福島天満宮(大阪:大阪)
- 御幸森天神宮(大阪:大阪)
- 桑津天神社(大阪:大阪)
- 榎木大明神(大阪:大阪)
- 道明寺天満宮(大阪:藤井寺)
- 服部天神宮(大阪:豊中)
- 上新田天神社(大阪:豊中)
- 交野天神社(大阪:枚方)
- 上宮天満宮(大阪:高槻)
- 岸和田天神宮(大阪:岸和田)
- 島頭天満宮(大阪:門真)
- 神戸北野天満神社(兵庫:神戸)
- 綱敷天満宮(兵庫:神戸)
- 柳原天神社(兵庫:神戸)
- 大塩天満宮(兵庫:姫路)
- 千姫天満宮(兵庫:姫路)
- 九所御霊天神社(兵庫:姫路)
- 臂岡天満宮(兵庫:伊丹)
- 曽根天満宮(兵庫:高砂)
- 打出天神社(兵庫:芦屋)
- 門戸天神社(兵庫:西宮)
- 海津天神社(滋賀:高島)
- 菅原天満宮(奈良:奈良)
- 興喜天満神社(奈良:桜井)
- 和歌浦天満宮(和歌山:和歌山)
- 尾長天満宮(広島:広島)
- 御袖天満宮(広島:尾道)
- 防府天満宮(山口:防府)
- 冠天満宮(山口:光)
- 賀茂神社天満宮(鳥取:米子)
- 菅原天満宮(島根:松江)
- 中野天満神社(香川:高松)
- 瀧宮天満宮(香川:綾歌)
- 履脱天満神社(愛媛:松山)
- 太宰府天満宮(福岡:大宰府)
- 水鏡天満宮(福岡:福岡)
- 立帰天満宮(福岡:福岡)
- 鏡天満宮(福岡:博多)
- 北野天満宮(福岡:久留米)
- 櫛原天満宮(福岡:久留米)
- 水田天満宮・恋木神社(福岡:筑後)
- 御自作天満宮(福岡:筑紫野)
- 松森天満宮(長崎:長崎)
- 梅園身代り天満宮(長崎:長崎)
- 手取天満宮(熊本:熊本)
- 山崎菅原神社(熊本:熊本)
- 十島菅原神社(熊本:球磨)
- 柞原八幡宮(大分:大分)
- 福良天満宮(大分:臼杵)
- 宮崎天満宮(宮崎:宮崎)
- 浮島天満宮・尾末神社(宮崎:東臼杵)
- 普天満宮・普天間神宮(沖縄:宜野湾)
※呼称のない天神社・天神神社・菅原神社・天満宮・北野天神社・北野天満宮は全国に多数存在するため割愛。
初詣は何か所も行っていい?
初詣をあちこちにいくと神様が怒ると言われることもありますが、神様はどうやらそんなことで怒る程小さな器ではないそうです。
また、神社の大小も関係ありません。
神社の神様には得意分野が存在するものの、大抵はどこの神社でも合格祈願はできるそうです。
知り合いの大きな神社の神主さんが言ってました(笑)
結局何を受験に活かすか、という話でしょう。
菅原道真を祀っていないからご利益がないわけではないということです。
そりゃそうですよね。
願掛けが合格を導くわけではありません。
日頃の勉強が合格を導くのですから。
願掛けやお祈りは、所詮気持ちの後押しにしか過ぎません。
だからオンライン授業では、「お願いじゃなくて宣言してこい。」と話しています。
絵馬にも宣言。
絵馬に宣言が書ける子は、自信に満ちていますし、割とうまくいくんですよ。
意志の強さにも直結していますからね。
合格祈願をして合格した気にならないようにしましょう!
「神社とお寺って何が違うんですか?どっちも似てて区別がつかないんですけど…」