未解決問題を通じて実感して欲しいこと
子ども達は勉強は嫌い、と思っている方も多いと思いますが、実は勉強が大好きです。
嫌いなのは大人が求める勉強スタイルであり、謎に挑む勉強スタイルは結構食いついてきます。
その中でも大人が説明できないような神秘に満ちた世界の未解決問題は、子どもにとって楽しみの宝庫であり、自由な発想で考えることができるフロンティアでもあります。
なぜなら大人も未解決ですから、どんな意見でも否定されることもありませんので(笑)
ここには実際にファイの子どもたちが興味を持っていた未解決問題を一覧にして載せておきます。
これらを説明する必要はありませんし、解かせる必要もありません。
意外と身近な現象が解決されていないことを実感してくれれば、それで十分でしょう。
最近は、大人が常識だと思っていたことを、子どもが覆したり、発見したりする事例が相次いでいます。
ぜひ先入観を持たずに、子どもの疑問に向き合ってあげて下さい。
科学
ムペンバ効果
水を冷やすより、氷を冷やす方が早く凍る現象ですが、なぜ早く凍るのかわかっていません。
電子の動き
金属内を流れる電子の動きは想像に過ぎず、本当にそのように動いているのかわかっていません。
また、超電導となった金属内で電子がどのようにふるまっているのかもわかっていません。
古刀
平安時代に作られた古刀は、作り方が残っておらず、どうやって作るのか未だにわかっていません。
慶長元年以降に作られた新刀、安永元年から作られた新々刀、明治の廃刀令以降に作られた現代刀は作り方が残っているため、再現できますが、古刀だけは再現できないままとなっています。
なお、現在の技術でも作れないと言われていますが、正確には古刀を再現できないというだけであり、技術的にはそれ以上のものを作ることは可能です。
ちなみに再現できない古刀の特徴の1つに、なめらかで直線的な波紋があります。
宇宙の音
アポロ10号の宇宙飛行士が月の裏側を周回中に聞いた奇妙な音の正体は未だにわかっていません。
音声記録によると、その場にいた3人が聞いたのは、口笛のような「ウー」という音だったといいます。
宇宙には空気がないので、音が伝わることはないため、船内のどこかで鳴った音の可能性が高いとは考えられています。
生物
トウモロコシ
トウモロコシの野生種が見つかっておらず、起源がわかっていません。
また、トウモロコシの皮は何かに剥いてもらわないと種がまかれることはなく、どうやって繁殖してきたのかわかっていません。
大根
大根を収穫した数日後に、大根内部に青色が生じる現象をダイコン青変症といいますが、どうしてこのよなことが起こるのか、まだわかっていません。
なお、大根の生理現象と考えられており、食べても無害とのことです。
石油
これだけ石油製品の恩恵を受けていながら、実は石油がどうやってできたのか、はっきりしたことは未だにわかっていません。
現在のところ、数億年前の生物の死骸が化学変化を起こしてできた化石燃料といわれています。
これが最も有力ですが、近年石油と同じ成分を作り出す微生物が発見されており、高温高圧でなくても生成されている可能性が出てきました。
睡眠
現在まで睡眠をとらない生き物は確認されていません。
脳がないクラゲにも睡眠と呼べる状態が確認されています。
しかし睡眠中は自然界の生き物にとっては無防備で危険を伴うため、進化の過程を考えると睡眠を取らない生物が有利なはずです。
そのため、なぜ睡眠を取らなければならないのか、生命と言う視点では現在までハッキリとした理由はわかっていません。
フグの子(ふぐの糠漬け)
猛毒のテトロドトキシンが含まれているフグの卵巣を、約3年間塩漬け、糠漬けすることで無毒化した石川県の郷土料理ですが、なぜ無毒化するのかは未だにわかっていません。
とりあえず無毒化することは長年の風習からわかっているので、その製法と同じ、許可された方法で、許可された事業者のみが製造することができます。
タコとイカ
タコとイカは貝を祖先とする生物(オウムガイから分かれた生物)だと考えられていますが、どうしてここまで変わってしまったのか、なぜタコとイカだけ知性が群を抜いて高いのかはわかっていません。
つわり
つわりが起きる根本的な原因はホルモンバランスと言われることがありますが、ハッキリとしたことはわかっていません。また、その解決策も人によって異なり、対処療法が取られるものの、治療方法は確立されていません。
モズのはやにえ
モズは木の枝にトカゲや昆虫、カエルなどを刺して放置することがあります。
備蓄のために行っているとも言われていますが、ハッキリとしたことはわかっていません。
地学
フォッサマグナ
フォッサマグナの東側はハッキリとしておらず、現在よくフォッサマグナとして書かれているものは、予想です。
高高度発光現象
雷雲の上に発生することがある雷ですが、発光時間が非常に短く、カメラでとらえられることも稀なため、発生メカニズムは未だによくわかっていません。赤く光るスプライト、青く光るブルージェットなど、発光にはいくつか種類があります。
クレーター
80万年前、最後に地球に衝突した巨大隕石のクレーターの場所は有力説があるものの、今もまだ未解決です。
地球の歴史
約18億年前から8億年前までの約10億年間は地層が残っておらず、何が起きたのかわからない空白期間となっています。この空白期間に関して、10億年分の地層がごっそり削り取られてなくなったか、そもそも地層が作り出されなかったかの論争に未だに決着がついていません。
宇宙の年齢
今まで宇宙は138億年前に誕生したと考えられていました。しかしジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が作られ、より高精度な画像が得られるようになると、それよりも昔に生成されたとしか考えられない古い銀河が見つかりました。これでは宇宙誕生以前に銀河が生成されていたことになってしまい、一体何が起きているのか説明できない状態になっています。
算数・数学
完全直方体
全ての辺と全ての対角線が整数になる直方体を完全直方体と言いますが、完全直方体が存在するのかどうかは未だにわかっていません。
なさそうな気がしますが、存在しない証明もされていません。
ゴールドバッハの予想
2よりも大きな全ての偶数は、2つの素数の和で表すことができる。
双子素数の予想
5と7、11と13、17と19のように、2だけ離れた素数のセットは無限に存在する。
素数
素数の出現には規則が存在するはず。しかしまだ素数の規則性は見つかっていません。しかし素数の逆数には面白い法則があることがわかっています。
例として、素数7を逆数にした1/7を考えてみましょう。
1/7を小数にすると、0.142857142857…と142857が循環する循環小数になります。この数字をずらして作れる数字は、142857を整数倍した数であることがわかっています。つまり、1つ左にずらした428571は142857×3となり、2つずらした285714は142857×3という数になります。
また、この6桁の数字を半分ずつの3桁の数にして足すと、全て999になります。142+857=999、428+571=999といった感じです。
このような数をダイヤル数というのですが、このダイヤル数は素数の逆数でしか作れないことがわかっています。しかし逆に素数の逆数が必ずダイヤル数になるわけでもありません。100未満の素数の逆数では、7,17,19,23,29,47,59,61,97だけがダイヤル数を作れることがわかっています。また、ダイヤル数の桁数は、逆数にする素数の値ー1桁になることもわかっています。1/7で作るダイヤル数なら6桁、1/17で作るダイヤル数なら16桁となります。
また、素数は6の倍数±1の値の中にあることもわかっています。これは素数を6で割ると、余りが1か5のどちらかにしかならないため(他の数になってしまうと、そもそも元の数が素数だったことにはならない)で、そこから逆説的に説明できます。
さらに、素数が含まれる範囲についても、ベルトラン=チェビシェフの定理やデザルトの定理(468991632よりも大きい値でのみ成立)など、任意の範囲内に素数が存在することが確認されています。
ハーディ・リトルウッドの予想というものもあり、これは素数を10で割った時の余りが9になる数の次の数を調べたところ、1,3,7,9のどれかになるはずで、その確率は25%のはずですが、実際には素数1億個分を調べたところ、1になる割合が最も高く、9になる割合が最も低いという結果になりました。これは素数がランダムに出ている数ではなく、何かしらの規則がある証拠だと考えられています。
リーマン予想
ゼータ関数という式で表される値は、必ず収束するという予想ですが、まだ証明されていません。もしリーマン予想が証明できると、この証明と関わる別の証明も芋づる式に解けてしまうため、とても重要な予想と位置付けられ、ミレニアム懸賞問題の1つにもなっています。
コラッツ予想
- 偶数の場合は半分にする
- 奇数の場合は3倍にして1を足す
- ①または②を繰り返す
このルールに従って計算すると、自然数ならどんな数でも1になる。
この予想は世界中の数学者が証明を諦めた超難問として知られています。数学者曰く、「現在の数学の概念では説明できない」とのことです。その根幹となるのは、現在の無限の扱いだけでは、「全ての数」について「1」になることを証明できないためです。
ソファ問題
直角に曲がる幅1mの通路を通ることができるソファの面積の最大値はいくつか。ほぼ最大だろうと思われる値は発見されていますが、それが最大である証明はなされていません。
ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題
クレイ数学研究所が100万ドルの懸賞金をかけているミレニアム懸賞問題の1つです。
素粒子物理学の世界では、クォークは単独で取り出すことができず、原子核の中に閉じ込められた状態にあります。仮に取り出そうとして大きな力を加えた場合、分けたと同時にその大きな力から反クォークが生成され、結局対になってしまうとされています。このことはスーパーコンピューターを使った予想ではそうなるであろうことは確認されていますが、数学的には証明されていません。その解決の糸口になるだろうと考えられているのがヤン–ミルズ方程式ですが、質量にずれが生じてしまう部分を解決できていないため、未解決問題となっています。
オイラーの定数
自然数の逆数を無限に足したもの(調和級数)から、自然数を対数にしたものを無限に引いていくと、0.5772156649…と続く定数になることがわかっています。この数を発見者の名前を取ってオイラーの定数と言いますが、この定数が有理数なのか無理数なのかは未だにわかっていません。数万桁まで出した結果、そこまでの桁数までは循環小数にはなっていないことが確認されていますが、数万桁の循環小数になっている可能性は否定できず、ちゃんとした証明もなされていません。
合同数
3辺が全て有理数で、面積が自然数となる直角三角形があるとき、その自然数に当たる数を合同数といいます。合同数についてはいくつか発見されているものの、どのような数が合同数になるのかはわかっていません。
例えば辺の長さが3、4,5の直角三角形は全て有理数で、面積は6です。この6が合同数です。辺の長さが3/2,20/3,41/6の3辺となる直角三角形の面積は5となり、5は合同数です。
歴史
インダス文明
インダス文明が突然崩壊して消滅した理由はわかっていません。中でもモヘンジョダロは近代都市のような高度な文明を持っていたとされるのに滅びてしまっています。洪水によるものとする説が有力ですが、ハッキリとしたことはわかっていません。なお、モヘンジョダロについては、溶けたガラスの石があったことから、核戦争があったという説が人気ですが、学者の間では捏造だと考えられています。
ピラミッド
ピラミッドは徐々に解明されてきているものの、未だに謎が多い建造物です。例えば、内部の構造も未だにハッキリしておらず、2023年に最新技術を用いることで、新しい部屋が発見されました。また、石を積み上げていくための傾斜路も謎が多く、未だに説の域を出ていません。地下の間に大きな縦穴が開いていますが、これもなんのために作られたのか謎で、今のところ建設途中に水が湧き出てきてしまい、放棄したのではないかと考えられています。
ちなみに一時期は丸太を下に入れて運んだ説が有力視されていましたが、現在はピラミッドを作った当時、すでに植物がそんなに生えていなかったことがわかり、単純にそりを引いていた説が有力になっています。
ナスカの地上絵
ナスカの地上絵がなぜ描かれたのか、様々な説がありますが、ハッキリしたことはわかっていません。ナスカの地上絵の描き方は、杭と紐を使って書いた説が有力です。手法としては、拡大の中心に杭を打ち、描きたい絵のポイントとなる場所にも杭を打ちます。この距離を1として、ひもの長さを目標とする倍率の長さまで測り取ります。2点の延長線上に測り取った長さの点を取り、印を打っていきます。これを結んで大きな絵を描いたと考えられています。
邪馬台国
卑弥呼が治めていたことで有名な邪馬台国ですが、どこにあったのかは未だにわかっていません。
神話
日本の神話とギリシャ神話には似ているストーリーがいくつかあります。例えばイザナギや黄泉の国へ行った話、アマテラスが洞穴に引きこもる話、人間の寿命に関する話、死体から食糧が誕生した話、はシチュエーションから結末までそっくりです。しかしながら、なぜ似ているのか、その結論は出ていません。現在有力視されている説は、何かしらの形で伝播して似たような神話になった、もしくは自然と同じような神話が誕生してくる、という説です。
鳥居・社殿の形の意味
鳥居や社殿の形はほぼ同じ形ですが、どうしてこの形になったのかは諸説があるもののハッキリとしたことはわかっていません。
また、なぜ「鳥居」と呼ばれるのかもわかっていません。
クレオパトラの墓
クレオパトラは超有名かつ超重要な歴史上の人物でありながら、お墓は未だに発見されていません。
醍醐
天皇の名前でなじみが深い醍醐(だいご)とは、乳製品を指し示す言葉です。乳製品は加工していく段階に分けて名称がつけられていました。最初が「乳」、次が「酪」というように、
乳 ⇒ 酪 ⇒ 生蘇 ⇒ 熟蘇 ⇒ 醍醐
と名前がつけられていました。これら5つをまとめて五味といい、醍醐味という言葉もここからきています。
さて、問題の醍醐ですが、実は仏教用語で、涅槃経(ねはんきょう)の中で「「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より生酥(なまそ)を出し、生酥より熟酥(じゅくそ)を出し、熟酥より醍醐(だいご)を出す。醍醐は最上なり」という教えが出てきます。
しかしそれ以上のこと、つまり作り方には触れられておらず、奈良時代に残る他の文献を見ても、最上級のものであることしか書いておらず、作り方は不明のままとなっています。
チベットでは醍醐(マンダ)と呼ばれるものが現在も作られていると言われており、それを基に再現している方も多いのですが、未だに本来の醍醐の製造法はハッキリしていません。
坂本龍馬暗殺事件
教科書にも登場してくる有名な人物ですが、誰に暗殺されたのか、はっきりとしたことはわかっていません。
徳川家埋蔵金・旧日本軍埋蔵金
江戸時代が終わる頃、徳川家再建の望みをかけて、所持していた財宝を隠したと言われています。これは現在徳川家埋蔵金と言われているもので、実際に一部の埋蔵金が発見されています。
また、旧日本軍も同様に再興をかけて所持していた財宝を隠したという伝説が残されており、こちらも実際に発見された例があります。
もちろんあらゆる学者が研究し、発掘を試みましたが、未だにどこに隠されているのかわからず未発見のものが多数残されていると考えられています。また、隠したとされる額に対して、発見された額が少なすぎるため、少なくとも300兆円分くらいはあるのではないのかとも言われています。
なお、日本の法律では、その財産の権利を持つ人物がハッキリした場合、落とし物と同様に、発見した額の1割程度をもらうことができ、権利を持つ人物が見つからなかった場合は、土地所有者と発見者で折半することになっています。
ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺
1963年11月22日にジョン・F・ケネディ大統領が暗殺され、犯人としてハーヴェイ・オズワルドが逮捕されていますが、裁判にかけられる前にジャック・ルビーに暗殺されています。そしてジャック・ルビーは事件から数年後に肺がんにより亡くなっているため、事件の全容がわからないままになっています。未解決と言われている理湯は、単独犯にしては不可解な点が多く、黒幕や共犯者がいたという説が有力なためです。
三億円事件
1968年12月10日に東京都府中市で起きた、現金強奪事件です。金融機関の現金輸送車ごと、白バイ警察官に扮した犯人に奪われてしまい、犯人も現金も見つかっていないままの未解決事件となっています。3億円という大金が盗まれたにもかかわらず、死傷者を誰一人だしていない事件として有名です。また、この3億円は東芝府中工場の従業員に支給される予定だったボーナスでしたが、保険が掛けられていたため翌日にはボーナスがちゃんと支払われ、さらにその保険会社も国外の保険会社に再保険をかけていたため、日本としての実質的な被害もない事件となりました。現金の窃盗事件では現在も国内最高額となっています。
D.B.クーパー事件
1971年11月24日にオレゴン州ポートランド国際空港からワシントン州シアトルタコマ空港へ向かっていたボーイング727が太平洋岸北西部でハイジャックされた事件です。乗客乗員には誰も死傷者(犯人は含めず)を出さず、身代金の強奪も成功し、さらに犯人が見つかっていない未解決事件として、航空機ハイジャック史上唯一の事件となっています。犯人は身代金として20万ドルの現金とパラシュートを受け取り、マーウィン湖付近の上空でエアステアを展開し、飛び降りたと考えられていますが、追跡していた飛行機も視認できておらず、付近を大規模に捜索しても犯人逮捕につながる手掛かりは得られませんでした。1980年にはコロンビア川の沿岸で身代金の紙幣の一部(3束)を少年が発見したことにより、実際の着陸地点はワシューガル川流域ではないかと考えられるようになりました。
糸魚川市
糸魚川市は新潟県にある市ですが、名前の由来になったと考えられる「糸魚川」はありません。糸魚川がどこにあったのか、そもそも本当にある川なのか、諸説はいくつもあるものの、ハッキリとしたことはわかっていません。
証明方法の種類
直接証明
定義を用いて、直接証明してしまう方法です。
例えば、「ペンギンは鳥である」ことを証明するとき、鳥の定義を用いて、ペンギンが鳥の条件に当てはまっていることを証明する方法です。
対偶法
例えば、「ペンギンは鳥である」を証明しようとしたとき、「ペンギンではないものは鳥ではない」(対偶)を証明することで、元の条件が正しいことを証明する方法です。最も、この例の場合は全てのペンギンでないものを鳥ではないと証明しなければならず、なおかつここでは鳥の定義がされていないため、この証明を対偶法を用いて証明するのは現実的ではありません。
数学で例を挙げるなら、「ある自然数の2乗が奇数のとき、元の自然数も奇数である」ことを証明するときに、「ある自然数の2乗が偶数のとき、元の自然数も偶数である」ことを証明することで、証明する方法です。
種類が少ないものの中での証明に向いています。
背理法
条件を逆にしたら成立しないことを証明することで、元の条件が正しいことを説明する証明法です。
例えば、「ペンギンは鳥である」ということを証明するとき、「ペンギンは鳥ではない」として考えると矛盾することを証明する方法です。この場合、「ペンギンは鳥ではないとすると、羽やくちばしはないはず」となり、実際には羽やくちばしがあるため矛盾する、という結論になります。矛盾するということは、ペンギンは鳥であるはずである、という証明の流れになります。
帰納法
既に確認されている事実と法則から、証明する方法です。統計的手法や経験則などがこれにあたります。
数学では、自然数1の時に成り立ち、自然数2の時も成り立ち、自然数3の時も成り立つとき、自然数nでも同じことが成り立つ、と証明する方法です。
データを扱う方法としては、「鶏は翼があるので鳥である、インコも翼があるので鳥である」というように様々な鳥について証明できるので、「ペンギンも翼があるので鳥である」と証明する方法です。
最もこの方法は、規則性が正しいことを前提としているため、規則がないものについては推測にすぎないことになります。例えば、ドラゴンは翼があるから鳥なのか?といったように、例外には通用しない可能性がある証明法です。
演繹法(えんえきほう)
「A=Bが正しく、B=Cも正しければ、A=Cも正しい」とする証明方法です。
三段論法もこの証明の一種です。
例えば、「全ての鳥には翼がある」は正しく、「ペンギンには翼がある」も正しい場合、「ペンギンは鳥である」と言えるという流れの証明方法です。
これも定義がはっきりしていて、例外がないものに対して通用する証明方法のため、実際の世界でのデータを扱う場合は、必ずしも正しいとは言い切れない証明方法になります。
活用方法
ここに出てくる未解決問題を解決すると、世界的大発見になる可能性があるため、そう簡単に証明できるものではありませんが、これらがどうして証明できないのか、を考えることで、正しいものを正しいというためには何が必要か、という証明の感覚が身に着きます。
この力は中学受験にも通じて来て、普段問題を解くときの力にもなります。
また、身近にはまだまだ未解決問題が多数あり、既に解決されていたとしても、子どもにとっては未解決の問題も多数あります。
ぜひ身近な未解決を通じて、証明の考え方を学んで下さい。
この流れは、数学はもちろん、国語や理科でも活かされてきます。
ファイでは、子ども達のぐだらない疑問を募集しています。
ファイの授業はそういった疑問を基に成り立っているといっても過言ではありません。
子どもの疑問にうまく答えてあげられない、うまく付き合ってあげられない、という方は、ぜひご連絡下さい。
子どもの疑問を膨らませ、勉強に活かせるようにサポート致します。
コメントを残す