「好き!」から学ぶオンライン授業専門の塾

何に対する承認かで何を目指す子になるかが決まる

ご質問内容

「今通っている塾では,『とにかく褒めて下さい。』と言われるため,どんな点数でも褒めることにしています。しかし褒めても褒めても点数は下がる一方。最近は『下がってもいいか』と思ってなめてきているような気がしてなりません。」

褒めろとは言うけれど…

まずは叱るよりも褒める,これ自体は間違いではありません。

しかしおっしゃる通り,褒めてばかりだから大丈夫というわけでもありません

褒めるといっても,褒め方には種類があるのです。

承認欲求とは?

褒めるとは,子どもが求める承認欲求にこたえてあげることです。

その承認欲求とは,同じ一つのテストでも様々。

点数を褒めてもらいたいかもしれないし,惜しかったことを褒めてもらいたいかもしれない。

頑張ったことを褒めてもらいたいかもしれないし,また頑張ろうとしていることを褒めてもらいたいかもしれない。

結果に対して褒めることを結果承認といい,過程に対して褒めることを存在承認といいます。

どちらがいいとか,どちらが悪いというものではありません。

子どもが求める承認と,親が与える承認が一致していることが大切なのです。

もちろん子どもが求める承認欲求と,親が与える承認をぴったり一致させるのは難しく,なかなか狙ってできるものではありません。

そこでまずは,結果承認か,存在承認かぐらいは合わせていくことが重要になります。

これがちぐはぐな状態では,いくら褒めても効果は期待できません

では子どもの承認欲求に合わせなければならないのかというと,実はそうでもないのです。

子どもが求める承認欲求は,変えてしまうことができるのです。

子どもの承認欲求は,褒めた内容に合わせて変化する

例えば点数が良かったことを褒めるとしましょう。

この子は「点数が良かったから褒めてもらえたんだ」ということを理解します。

すると,次第に「点数を取るために頑張ろう」という気持ちになっていき,点数を褒めてもらいたい,という承認欲求へと変わっていきます。

テストに向けて努力してきたことを褒めたとしましょう。

すると子どもは「努力したから褒めてもらえたんだ」ということを理解し,努力を褒めてもらいたいという承認欲求へと変わっていきます。

子どもはまだ何が嬉しいのかわからず,単純に親が喜んでいるものを承認欲求にする傾向があるのです。

この傾向は年齢が低ければ低い程顕著に表れるため,年齢が上がれば上がる程,なかなか変わらなくなってきてしまいます。

なぜ褒めたのに伸びなかったのか?

ご質問者さんのお子様が褒めているのに伸びていない原因は,承認欲求と成績が伸びるために必要な努力の部分が一致していなかったためです。

例えば,点数が取れたことを褒めた場合,点数を取ることを目的として勉強をします。

この場合,点数がどうやったら取れるかわかっておらず,とりあえず点数が良くとれて褒めてもらえた今回のやり方を真似して点数を取ろうとします。

しかし,勉強というのは画一的なものではなく,科目や単元に合わせて勉強のやり方は変えなければなりません。

子どもだけではそこまでの対応は難しいため,点数が取れなくなってしまうのです。

ご質問者さんの場合は,点数に関わらず褒めていた,とのことなので,努力を誉めていた可能性があると思われます。

この場合,点数のためではなく,努力そのものを褒めてもらうために頑張ろうとします。

すると努力はしても点数が取れないという所は気にならなくなり,努力してさえいれば褒めてもらえる,という考え方に変わってしまいます。

しかし,努力の仕方も科目や単元によって異なるものです。

それを考えず,同じ努力を繰り返していると点数が取れなくなり,結果,点数は取れなくても努力しているからいいんだ,ということになってしまうのです。

点数を取らせたいなら,点数になる努力を誉める

ご質問者さんの褒め方をもう少し詳しく聞いてみると,勉強時間を取ったこと,何回も繰り返して頑張ったことを褒めている傾向にありました。

しかしこれでは勉強時間だけ取って,中身が伴っていなくても褒めてもらえることになり,実は理解していなくても,繰り返してさえいれば褒めてもらえることになります。

端的に言えば,努力の空回りを褒めていたことになるんですね。

かみ合っているときは点数に結び付きますが,かみ合わなくなった途端,点数が取れなくなります。

しかしそれでも褒めてもらえるため改善がされず,成績は下がる一方となってしまっていたのです。

そのため,点数を取らせたいのであれば,日頃から点数に結び付く努力を誉めてあげることが大切になります。

例えば,漢字練習を考えた場合,ただ同じ漢字を繰り返しているだけでは点数に結び付くとは言えません。

しかし,テストをして間違えた漢字を直している場合は,点数に結び付く努力をしたことになります。

わからなかった漢字の意味を調べても点に結び付く努力につながります。

算数も解いただけでは点数になりません。

間違えた問題を直すところまでして,初めて点に結び付きます。

しかしその直しも解答を写すだけでは点になりません。

理解しているか確認し,自分で解決できるところまでやっていて,初めて褒めることが点に結び付くことにつながるのです。

褒めてもうまくいかない方は,その子の何を褒めると成績につながるのか診断しますので,お気軽に学習法診断をお申込み下さい。

遠隔地でもネットを駆使して診断致します(^^)/

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