水の電気分解
水の電気分解といえば中学校でも必須の実験の1つ。
本来水は電気を通さないため、の電気分解はそのままの水ではできません。
そこで薄い水酸化ナトリウム水溶液を入れて、電流が流れるようにして電気分解をするのですが、この時になぜ水酸化ナトリウムは電気分解されないのでしょうか?
という質問がファイの塾生から出たので、解説致します。
なお単元的には高校の化学、もしくは大学の化学レベルの話ですが、原理的には小学生でもわかるような内容です。
最も小学生は中学受験でも電気分解は滅多に出ないため、スルーしておいても問題ありません。
しかしファイでは中学生の内容を中学受験生が聞きたいと言って一緒に聞いているため、小学生でも原理を理解できるように簡単にしてお話します。
なぜ水酸化ナトリウムは電気分解されない?
水酸化ナトリウムは水に入れると電離してナトリウムイオンと水酸化物イオンに分かれます。
つまり、分解するまでもなく分解されているんですね。
なんてことを言ったら一休さんみたいな答えになってしまいますので、もう少し説明を。
まず原子というのは、原子核というプラスの性質を帯びた部分と、その周りをくるくると周る電子の組み合わせでできています。
プラスとマイナスというのは、小学生でいうところのN極、S極ですね。
そしてこの電子は原子核に近い順に配置されていくのですが、一番外側の電子は引き付けられる力が弱いため、外に飛び出しやすいのです。
この電子が飛び出したもの、もしくは拾ってきたものをイオンと言います。
ナトリウムイオンというのは水素イオンと比べて原子核からの距離が離れているため、電子を引き付けにくく、逆に電子を放出してしまっている状態の原子を指します
よって電気分解で送り込まれた電子は、くっつきやすい水素と先にくっついてしまうのです。
原子の単元は化学だけど、性質は物理現象
このように電気分解というのは化学ですが物理として考えることができるのです。
ここに書いてあることを覚える必要はありません。
しかしなぜそうなるのか、は考えさせて欲しいのです。
今回は中学生の疑問に答える形の授業でしたが、小学生が知っている物理現象で説明できる内容でした。
学年にとらわれず、様々な視点から考えられるようになると、テキストでは曖昧にされている部分が理解できるようになってきますよ。
覚えさせることに一生懸命になってしまっていると感じているなら、ファイへご連絡下さい(^^)/
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