目次
冬の風物詩から火と歴史を学ぶ
「火の用心」カチカチ「マッチ一本火事のもと」カチカチ
で有名な火の用心。
12月末頃に行われることが多い、冬の風物詩の1つですね。
最近はやらなくなってしまった自治体、もしくは参加者が激減している自治体も増えてきているようですが、やはり聞くと懐かしい感じがします。
そんな火の用心、最近は参加しない子も増えてきていて、何のためにやっているのかわからない子も出てきました。
正直火の用心を知っているからといって何かに直接的に使えるわけではありませんが、火の用心から学べることは多くあります。
江戸の文化、火消し、火の化学と言ったことにつながってきます。
火の用心は何のため?
その名の通り「火(火事)に用心しましょう」と言って防災意識を高めているんですね。
現在の住宅は火事になりにくくなったとはいえ、古い家は残り、未だに火事自体は起こります。
そして冬は寒いため火を使う事も多く、関東では乾燥しやすく火災になりやすいため、伝統的に行われてきています。
実際、現在でも冬の火災は夏よりも多くなっていますね。
「火に用心」の間違いでは?
火の用心という言葉が出てきたのは本田重次が妻にあてた手紙と言われ、その中に
「一筆申す 火の用心 お仙瘦さすな 馬肥やせ かしく」
と書いてあり、これが火の用心の語源になったとされています。
火に用心ではないのは、諸説ありますが、「怠らないでね。」というお手紙だったので、
「火の元の用心を怠らないでね」
という意味から「火の用心」という言葉になったと言われています。
なぜ夜回るの?
そこが問題です。
火の用心はなぜ夜なのでしょうか。
これは火の用心が行われるようになった歴史から考えると見えてきます。
江戸はなぜ火災が多かった?
江戸時代、特に江戸の町は火災が多く、火事と喧嘩は江戸の華と言われるぐらい、何度も焼けました。
当時の住宅は木造で、しかも長屋という何棟も連なって密集していた形です。
そのため、一度火災が起きると一気に燃え広がってしまい、大火災に発展していました。
火消しという職業が発展したのもこの頃ですね。
夜の火災が多かったのはなぜ?
江戸時代に流行っていたものが関係しています。
そう、寝たばこです。
タバコが日本で栽培されるようになったのは、江戸時代に入ってから。
そしてそのタバコを吸うための道具としてキセル(煙管)ができます。
そのタバコを夜寝ている間に畳の上に落としてしまうことがあったのです。
そのため、夜に拍子木を鳴らして注意喚起していたのです。
どうやって消火していたの?
火消しは様々な工夫をして消火をしていました。
さすまたという道具は消防署の地図記号にも使われていますね。
江戸時代の消火は、火を消すことよりも燃え広がらない事を重視したため、燃えた家の周りの家を次々と破壊していました。
さすまたはその時に使われて道具の1つです。
ポンプもありました。
人力で動かすポンプなので、大量の水をかけて消火するほどのものではありませんが、やはりないよりはまし。
今も自治体によってはポンプを使っていますね。
あとはバケツリレーで水を運んでかけるというレトロな手法ですね。
なんで火災は減っているの?
従来の意味を考えると、寝たばこに対する注意喚起。
その後の時代ではストーブやこたつに対する喚起でした。
しかし今の時代、新しいものは安全装置が付いており、比較的火災になりにくくなりました。
また、家や家具自体も難燃性を備えているものが多く、ここ10年くらいで作られている家は、隣の家が火災になっても燃え広がらないようになっています。
さらに火元となりうるガスコンロも安全性が高くなり、今起きている火災の原因で一番多いのは放火となっています。
しかしそれでも2位にタバコが来ていますから、まだまだタバコも安心できませんね。
でもそれも電子タバコが普及してきたので減っていくのでしょう。
火はどうして広がる?
火がつくのには3つの条件があります。
- 燃料となるものがあること。
- 酸素があること。
- 燃える温度があること。
この3つがそろったときに出火し、燃え広がります。
これは受験でも問われるものなので、押さえておいて下さい。
ほとんどの子がヒントを出せば3つとも言えるので、それほど苦労しないでしょう。
防災も以前と比べてどんどん発展してきたため、火の用心自体の本来の意味も薄くなってきましたが、できれば一度は参加して、文化と意味の理解を深めてもらいたいものですね!
LINE公式アカウントのタイムラインで受験に使える身近な知識を紹介しています。
ぜひ登録して下さい(^^)/
コメントを残す