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お盆って何?お供え物の意味は?

よくわからないけれど楽しいお盆

塾生

「お盆ってなに?」

これは毎年必ず誰かが疑問に持って聞いてきます。

ということは、ほとんどの子がお盆をよくわかっていないものの、興味を持っていることになります。

子どもの頃からお盆、盆踊り、盆土産とよく聞きますが、子どもは「楽しい日」ぐらいのイメージしか持っていません。

教科書に載っている『盆土産』を知っている子は楽しいイメージではないかもしれません。

さて、そんなお盆ですが、実は受験でも結構題材になります

そのため、お盆休みをただの夏休みの一環として過ごしてしまうのは勿体ないでしょう。

もちろん教える必要はありませんが、興味を持っていれば、話題にしてきっかけを作りたいところです。

今回も塾生の質問を基にお話していきましょう。

お盆って何をするの?

最近はお盆のイベントをすることも少なくなってきたため、知らない子も増えてきました。

しかしやはり伝統行事ですからね。

入試では題材になるのです。

お盆とは先祖の霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、また帰っていくという日本古来の信仰(仏教)に基づく行事です。

日本での始まりは推古天皇の時代(606年)と言われ、日本各地のお盆のあり方は、その土地の風習を融合しながら、様々なお盆の過ごし方が出来てきました。

一般的な行事の流れを紹介しましょう。

8月12日・13日

12日夕刻か13日午前中に、仏壇のお飾りとお供えをすませてお墓参り。

このお墓参りには一族が揃って出かけるのが一般的です。

そして13日の夕刻に縁側の軒先に吊るされた盆堤灯(ぼんちょうちん)に火を灯します。

家の門口や玄関ではオガラを積み重ねて火を灯します。

これを迎え火と言い、先祖の霊を迎え入れるためのものです。

お墓で盆提灯に火をともして、先祖の霊を家まで導くという風習もあります。

14日・15日

14日にはナスとキュウリの胡麻和えをお供え。

15日には蓮飯(はすめし)やナスやキュウリで作った馬や牛をお供えをします。

ナスやキュウリに割りばしを4本刺して動物みたいに立たせたあれです。

きゅうりは足の速い馬をイメージしたもので、霊が早く帰って来られるように。

ナスは足の遅い牛をイメージしたもので、帰りはゆっくりと景色を楽しみながら帰っていけるように、という願いを込めたものとされています。

また、お盆の間は灯明(とうみょう)を絶やさないようにします。

親族や故人と親しい人達を会食をするのもこの日です。

子ども達と話していると、なぜ豚が入っていないのか、とよく聞かれます。

豚はイノシシが家畜化したものなので、イノシシを飼っていれば豚と接点があることになります。

しかし石器時代からイノシシの骨は見つかっているものの、家畜化されたものなのか、狩猟したものなのかはハッキリとしていません。

ハッキリと文献に登場してくるのは、日本書紀からで、そこには朝鮮で豚を飼っているとの記述が見られます。

この頃から日本に家畜としての豚(イノシシ)が入って来たと考えられます。

しかしまだ高級肉のため、庶民には広まっていませんでした。

庶民に広まっていったのは江戸時代頃からと考えられており、鹿児島で豚を飼育し出したのもこの頃と考えられています。

また、この頃から現在でも養豚業が盛んな千葉、埼玉、茨城、北海道でも普及していったと考えられています。

庶民の食べ物として全国に広まっていったのは、大久保利通が西洋の養豚技術を日本に入れてからなので、比較的最近の話です。

一方、馬と牛は古くから農業に役立っていたことから、庶民にもなじみ深い生き物でした。

そのため、お盆の飾りとして豚は登場せず、馬と牛だけだと考えられます。

16日

そして16日がお盆の最終日。

また家の門口や玄関にオガラを積み重ねて火を灯します。

これを送り火といい、先祖の霊を送り出すための火とされています。

京都の「大」の字焼きで有名な五山送り火や、灯篭流し、精霊流しもこの送り火の一種です。

また、この16日の晩に寺社の境内に老若男女が集まって踊るのを盆踊りといいます。

夏祭りで踊っている盆踊りはこれが由来なんですね。

そしてこの盆踊り。

実は地獄での受苦を免れた亡者たちが喜んで踊る姿を模したといわれています(笑)

なぜ盆踊り+満月なのか

盆踊りといえば満月とセットで描かれることが多いもの。

これはただのイメージではなく、実際に盆踊りは満月の夜に行われるものだったのです。

ここでファイの子ども達が大好きな暦についての雑学をお話しておきましょう(笑)

まず大前提として、旧暦は新暦より1カ月ほど遅れています。

そのため、現在8月に行われているお盆は、旧暦の7月13日から行われていました。

月を基準にしていた旧暦の7月15日は十五夜

翌16日は十六夜(いざよい)。

つまり旧暦どおりの暦で盆行事をこなすと、最終日は満月だったわけです。

よって盆踊りは、明るい月明かりの中、夜通し踊る事ができた、という訳です。

夏祭りは大体20~21時くらいで終わりになっちゃいますけどね(笑)

東京はお盆の時期がずれてるけど…

ファイはオンライン授業をしているので、様々な地域の子が一緒に授業を受けます。

そのため、東京の子がお盆の時期が違うと指摘してきました。

ちゃんと自分の地域のお盆を把握しているのは素晴らしいですね(笑)

実はお盆の時期は3つ存在します。

8月13~16日

一般的なお盆は8月13日~16日。

多くの会社はこのお盆の時期に休みとなりますが、これは地方のお盆に多いんですね。

元々地方でも7月がお盆だったのですが、7月は農作業で忙しい時期のため、旧暦から新暦に直したときに、8月に移動させたと考えられています。

単なる休みだと思っている方も多いのですが、本当は実家に帰って家族そろってお墓参りをするための休みなんですね(笑)

7月13~16日

東京などの都心部では7月13日~16日に行われます。

本来の旧暦7月になぞらえて7月に行っているのですが、これは地方との兼ね合いです。

地方のお盆と丸かぶりすると、みんな帰省してしまい、東京のお盆のイベントの経済効果が下がってしまいますからね。

塾生

「一か月もずれちゃってイベントの意味あるの?」

と言われましたが、旧暦では7月15日。

つまり旧暦の日付を重視して新暦に対応させると7月中です。

旧暦の時期に合わせて行うと8月中となるので、まぁどう考えるか次第という事です(笑)

旧暦の7月13~16日

沖縄や奄美大島の方では旧暦の7月13日~16日に合わせて行います。

旧暦と新暦では日付がずれるため、毎年違う日になります。

お盆に泳いではいけないのはなぜ?

よくお盆の時期は水辺に近付いては行けないと言います。

これは水辺には悪い霊がいて、引きずり込まれるからと言われています。

そして実際に水難事故が多い。

要するに、お盆の霊という言い伝えの力を借りて、水辺に近づかないように警告していたんですね。

ではなぜ水難事故が多発するのでしょうか。

これは時期的に波が高くなるシーズンと重なり、さらに離岸流という岸から沖へ流れる水流が強くなるためです。

さて、ではなぜ時期的に波が高くなるのでしょうか。

その原因が赤道付近で発生する台風です。

台風が海の水を引っ掻き回し、その影響がまだ台風が来ていない日本にも及ぼすため、荒れやすくなるのです。

また、クラゲもよく出る時期で、時々毒性が強いクラゲに刺されてしまうこともあります。

川でも事故は起こります。

夏は山に雨が降ると、水量が一気に増えることがあります。

もちろん海や川に行く人が多くなる時期でもあることも事故数が増える要因ではありますが、危険が増えることには違いがありません。

ただの迷信ですが、迷信には何かしら根拠があるものなので、それを考えるだけでも勉強になります

お中元・暑中見舞い・残暑見舞い

デパートやスーパーに行くと必ず目にするため、子どもも意識しやすいものの一つに、お中元や暑中見舞い、残暑見舞いがあります。

時期を覚えていない方も多いと思いますが、デパートやスーパーで扱っている所には日付も書いてあるので心配いりません。

大まかに分けると、

  • 7月上旬~中旬:お中元
  • 7月中旬~8月の立秋:暑中見舞い
  • 8月の立秋~下旬:残暑見舞い

となります。

お中元は元々中国から入ってきた考え方で、上元・中元・下元と分かれていました。

このうち、中元は罪を償う日とされており、お盆の先祖に贈り物をする日と混ざっていきました。

これがものを送る習慣の元と考えられています。

宗教ですがイベントとして楽しむことも大切

現在日本人は仏教に対する信仰が以前ほどありません。

でも生まれたらお宮参り(神道)、死んだらお葬式(仏教)。

大晦日には除夜の鐘(仏教)をついて、翌日には初詣(神道)。

バレンタインにクリスマス(キリスト教)、ハロウィン(ケルト民族の風習)

実に様々な風習を取り入れてイベントにしています。

日本の風習って本当に不思議です(笑)

そして最近の入試では、伝統行事がネタになることも増えてきました

やはり触れる機会が減っている子どもが増えているということでしょう。

チャンスがあるなら、ぜひ機会を作って、楽しんで下さい(^^)/

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