「風立ちぬ」は小学生には難しい?
小学4年生と話をしていたときのこと。
事の発端はジブリの映画「風立ちぬ」の話からなのですが,この子は
「風立ちぬがよくわからなかった。」
と言っていました。
そこでどこがわからなかったのか聞いてみると,
「少年が飛行機好きだったんだなーって事しかわからなかった。」
と。
「風立ちぬ」は零式艦上戦闘機,通称ゼロ戦を作った堀越次郎を題材としたアニメです。私はこのゼロ戦の開発から性能,実戦での活躍まで知っているので,要所要所にそれがアニメに活かされていて楽しめましたが,そもそもゼロ戦が何かも知らないこの子にとっては,そんな背景もわからなかったため楽しめなかったのでしょう。
わからないけど興味はある
そこでちょっとゼロ戦に関する話を始めたらガッツリ食いついてきました。小4なのでまだ歴史なんて学校はもちろん塾でもやってもいないのに,
・第二次世界大戦での日本が何をしたのか,
・なぜ日本は負けたのか,
・なぜ沖縄には米軍基地が多いのか,
などに始まり,中学受験,高校受験で出てくる第二次世界大戦の辺りの流れは押さえてしまい,最終的には
・安保法案問題
・普天間基地問題
・辺野古への移設問題
にまで話が発展し,
「私はこう思うの!」
と小学生が今の政策に対して自分の意見を言うまでになりました。とある日の休み時間には,中3と討論させてもディベートが成立してしまうのではないかという勢いで,戦争や国際問題について話していました。
おそらく日頃から色々な事に興味を持って,アンテナを張って生活しているんでしょう。直接今の勉強には関係ない内容ですが,色々聞いて,自分なりの考えを持つまでに成長しているのは素晴らしいことです。
教えたか習ったかは関係ない
そんなこの子のノートがこれ。
正真正銘,実際の中学入試の問題です。しかもそこそこレベルが高い問題。角度は習ったばっかりなんですけどね,何も教えなくても中学入試の問題が解けてしまっているんですよ。
この子は余程ちんぷんかんぷんな問題に当たらない限り,
「多分解けるからもうちょっと待ってて!」
と言って教えようとすると拒否されます。自分で考える事が当たり前になっているんですね。
何を教わるかではなく,何を学ぶか
先ほどの社会の話もそうですが,やはり自分で考える子は,最終的に何に関しても強くなります。教えたか教えていないかなんて関係ないのです。自分から考えて学んでいる子は,自分なりの意見や考えを持ちます。それが巡り巡って考える力になり,習っていなくても解いてしまう力になるんですね。
大人は偏見から「子どもには難しい」と決めつけてしまいがちですが,子どもからしたら学校や塾で習ったかどうかなんて関係ないのです。政治の話は大人でも難しく感じますが,子どもはわかっていないだけで興味がないわけではないのです。勝手に決めつけずに,子どものレベルに合わせて話をしてあげて,興味を示さなければ手を引けばいいだけの話です。ぜひ子どもだからと話を制限せずに色々な話をしてあげて下さいね。
コメントを残す