目次
ファイの時事問題の特徴と使い方・注意点
四谷大塚の全国大会出場者を始め、サピックスや日能研といった中学受験、高校受験の進学塾の子、及び保護者が多数利用しています(≧▽≦)
単純にテストに出る所を押さえたものではなく、親子で話題にするだけで子供が賢くなるネタ、ポイントを紹介。
必要のない部分、細かい数字は極力減らし、小学生・中学生でもわかりやすい簡単な言葉で印象付けしておくことで、関連事項が押さえやすいようにまとめています。
また、中学受験対策・高校受験対策・定期試験対策としても使いやすいように、重要度を★マークで表示。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。
親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めないように!
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大阪都構想 再否決
11月1日:★
大阪市を廃止して特別区を再編する大阪都構想についての住民投票が行われ、反対多数で否決された。
大阪都構想とは、大阪市と大阪府の二重行政を解消しようと考えたもの。現在の大阪市は、大阪府全体を管理する大阪府と、大阪市を管理する大阪市が同じ場所に同居しているにもかかわらず、連携を取れずにそれぞれが競い合って政治を行っている状態。
そこで、東京都と同じように、特別区を設定し、大阪府が管理することと、大阪市が管理することを区別して無駄をなくそうと大坂維新の会が訴えたのですが、2度目となる今回も残念ながら否決。
時事問題として大阪都構想という言葉は出題される可能性があるでしょう。
アメリカ大統領選 開始
11月3日:★★★
全米50州とワシントンD.Cで大統領選の投票が行われた。この選挙は各州の選挙人を決める選挙で、州として民主党(バイデン)と共和党(トランプ)のどちらに投票するかが決定される。ここで決定した方へ、州の代表となる選挙人が12月14日に選挙人投票を行う。
例えば、ニューヨーク州の選挙で民主党(バイデン)が選ばれた場合、ニューヨーク州に割り振られた29人は全員民主党(バイデン)に投票することになる。つまり、州ごとに誰に投票するかを決め、州として割り振られた票数を総取りして投票していくことになる。
こうして50州全土の選挙人合計538人を奪い合い、270人を確保した方が当選。
なお、今回は郵便投票が行われており、その期日は11月4日の消印有効となっているため、届くのが遅れる分を考慮すると、すぐに決まらずに時間がかかる可能性がある。
予定通りなら、1月6日には連邦議会が投票結果を確認し、1月20日には新大統領の就任式となる。
アメリカの大統領選は日本とは大きく異なるため、時事問題としてはあまり出されません。しかし誰が大統領になったのかはよく出題されますので、注目しておきたいところです。
なお、アメリカの選挙制度は複雑ですが、その理由はアメリカが広すぎるということと、州ごとに自治権があり、1つの国のように機能しているため。
インターネットもなく、移動にも時間がかかる鉄道しかなかった時代に大統領を決める方法として考えられたシステムをそのまま使っているため、このような面倒な投票になっています。
ちなみに選挙人は州で決まった人へ投票することになっていますが、実はそこに法律の制限はありません。つまり、州で決まった人に投票しなくてもいいのです。これもあくまで州として信頼のおける人物を州の代表(選挙人)として選んで投票してきてもらっていたためです。
民主党のバイデン氏 アメリカ大統領に当選
11月8日:★★★
アメリカの大統領選で、民主党候補のジョー・バイデン氏が現職のドナルド・トランプ大統領を抑えて当選。また、バイデン氏は現在77歳で、史上最高齢の大統領に、黒人女性初、かつ南アジア系アメリカ人初の副大統領としてカマラ・ハリス上院議員が就任する予定。
なお、トランプ氏は大規模な選挙不正があったとして裁判に訴えているが、ほとんどのメディアは根拠がないとして相手にしていない。また、アメリカの大統領は4年間×2の8年間行えるが、1992年に4年で敗れたジョージ・ブッシュ大統領以降28年ぶりの現職で再選できなかった大統領となった。
民主党のジョー・バイデンとカマラ・ハリスについては押さえておきたいところです。また、アメリカの選挙制度として、4×2=8年間行えるというところも以前の大統領選の時の時事問題で扱われたこともあります。
立皇嗣の礼
11月8日:★
秋篠宮様が皇位継承順位1位の「皇嗣」となられたことを天皇陛下が広く内外に宣言する「立皇嗣宣明の儀」が皇居で行われた。
儀式は定期テストの時事問題として採用されるケースが結構あります。今回の儀式は、秋篠宮様が次の天皇となることの宣言で、その他のニュースに比べると時事性としては見劣りするため、そこまで重要ではないと思いますが、念のため押さえておきましょう。
禁煙アプリを保険適用
11月11日:★★
厚生労働省は、CureApp(キュアアップ)が開発した禁煙治療向けスマホアプリを保険適用することを決定。治療用アプリとして国内初の保険適用となった。このアプリは助言や指導で禁煙を支援している。
アプリが保険に適用された初めての例なため、どんなアプリが保険適用となったのかは押さえておく方がいいでしょう。
世界初 レベル3の自動運転 ホンダ
11月12日:☆
日本の自動車メーカー「ホンダ」が世界で初めて自動運転レベル3の車を実用化すると発表。2020年度中の販売を予定。レベル3からは運転者がシステムとみなされるため、システムが運転の交代を求められた時に応じられるようにしておけば、読書や飲食、スマホを利用することも可能。なお、レベル3の機能が使えるのは、当面高速道路で渋滞している時のみ。
自動運転にはレベル1~5の5段階ありますが、レベル2とレベル3の大きな違いは、レベル2までは運転者が人であるということ。つまりレベル3以降、運転者がシステムになるということは、メーカーに責任が出てしまうということ。
世界ではレベル3相当の技術は出てきていますが、法整備が追い付いていないため実用化には至っていませんでした。幸い日本はオリンピックが開かれる予定だったということもあり、世界に先駆けて法整備を進めていたため、それが功を成した形です。
最も法整備が追い付いていないだけで、世界が目指している技術自体は既にレベル4、5に着手しているとも言われているため、日本も気が抜けない状況です。
ノーベル物理学賞の小柴昌俊さん 死去
11月13日:☆
2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊(こしばまさとし)さんが死去。小柴さんは超新星爆発に先立って飛来する素粒子、ニュートリノをカミオカンデで観測した。これにより超新星爆発の仕組みやニュートリノの謎の解明に大きく貢献。
なお、カミオカンデの研究はさらに大規模なスーパーカミオカンデに引き継がれ、2015年に梶田隆章(かじたたかあき)さんがニュートリノ振動現象を発見し、ノーベル物理学賞を受賞。
現在さらに大規模な装置、ハイパーカミオカンデを計画している。
今回のニュースは訃報(ふほう)なので、時事問題にはされにくいでしょう。しかし、この物理学の研究は続いており、ノーベル賞ネタは時事問題になりやすいため、受賞者と簡単な研究内容、受賞した賞の名称ぐらいは押さえておいた方がいいでしょう。
RCEP 15カ国が署名
11月15日:★★★
日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国が参加するRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)で、参加15カ国が協定に署名。これにより参加国全体の関税撤廃率が91%(品目ベース)となり、世界神皇の約3割、国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)の合計が世界の約3割となる経済圏が誕生。
なお、インドは署名を見送った。
日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国
+ASEAN10カ国
ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
この協定の目的は関税を引き下げて、自由貿易を活性化すること。受験生を悩ませる英語の横文字がまた一つ増えることになりますが、狙われやすいので参加国と協定名は押さえておきましょう。
RCEP:東アジア地域包括的経済連携
ASEAN:東南アジア諸国連合
FTA:自由貿易協定
EPA:経済連携協定
TPP:環太平洋パートナーシップ協定
NAFTA:北米自由貿易協定 ※USMCAへ移行したため失効
USMCA:アメリカ・メキシコ・カナダ協定
野口聡一 ISS到着
11月17日:★★
野口聡一(そういち)宇宙飛行士(55歳)は、アメリカの民間宇宙船「クルードラゴン」に乗り、16日にNASAのケネディ宇宙センターからファルコン9ロケットで打ち上げられ、17日にISS(International Space Station:国際宇宙ステーション)へ到着。約半年滞在し、日本の実験棟「きぼう」で医学実験や超小型衛星の放出などを行う。
野口聡一宇宙飛行士の宇宙飛行は3回目、日本人最年長での宇宙滞在となる。次の春には星出彰彦(ほしであきひこ)宇宙飛行士もクルードラゴンでISSへ向かい、ISSの船長を務める予定。
2011年にスペースシャトルが引退して以降、NASAは打ち上げを行っておらず、スペースX社などの2社に委託して新たな宇宙船開発をしていました。今回初めて民間による有人ミッションに成功したことで、民間による宇宙開発が本格的に加速していくことになります。宇宙飛行士名、宇宙船の名称は入試でも時事問題でも話題になりやすいため、押さえておくといいでしょう。
⇒ ISSってなに?
デジタル教科書 25年度までに完全普及
11月18日:☆
政府は経済財政諮問会議を開き、この中でオンライン教育を進めるために、デジタル教科書の普及率を2025年度までに100%とすることを決定。
教科書がタブレットになることで、子供たちの荷物や宿題は大きく様変わりしそうですね。また、今後の子供たちの学び方も大きく変わっていくことになります。この中で大切なのは、親の勉強の常識が子どもにも通用するかどうかは別問題だということ。紙世代の学び方と電子世代の学び方は大きくことなるため、押し付けて齟齬をおこさないようにする必要がでてきます。
香港民主活動家の手紙 中国共産党が捏造
11月22日:☆
中国本土で拘束されている香港民主活動家の手紙を受け取った家族らが、内容に不自然な点が多いことから、中国共産党が捏造したという見方を強めている。
手紙には「自白は強要されていない」「看守も友好的」などと記されていた。
毎年「資本主義と共産主義の違いがわからない」という塾生の質問を受けますが、こういうことをやるのが共産主義というイメージがつけば、すぐに区別がつけられるようになります。いいか悪いかはあまり関係ありません。話題にさえ上がれば興味関心が持てます。
パンダ誕生 父親は世界最高齢
11月22日:★
和歌山県のアドエンチャ―ワールドで、ジャイアントパンダのオスが誕生。同施設でのパンダ誕生は17頭目。今回生まれた子の父親、永明(エイメイ)は28歳、人間では80歳に相当する年齢で、自然交配で繁殖に成功した世界最高齢のオスという自身の記録を更新。
パンダがなぜニュースになるのか。もちろん人気があるというのもあるかも知れませんが、日本に来たのは、1972年の田中角栄内閣総理大臣の日中共同声明がきっかけ。日中国交正常化を記念して、中国からランランとカンカンが上野動物園に贈られたのが最初です。これは入試でもよく出る内容なので押えておきましょう。
なお、中国は日本以外にもパンダを送る、いわゆるパンダ外交を繰り広げています。というのも、パンダは贈ったとはいえ、レンタル料が発生しているのです。その金額はペアで約1億円、子供が生まれたら年間約7000万円、死んだら6000万円を中国へ支払うことになっているのです。つまり、世界中に貸し出しているパンダが増えれば増えるほど、中国にお金が流れていくという仕組み。
中国はこの費用について「絶滅危惧種であるジャイアントパンダの保護に当てている」と言っていますが、実際何に使われているのか明らかにされていないと言いますから、ちょっと怖いですね。
文武天皇の墓 確定
11月27日:★★
奈良県明日香村の八角墳・中尾山古墳について、天皇陵の特徴を示しており、文武天皇陵であることが確定的だと発表。なお、宮内庁は別の古墳(檜隈安古岡上陵:ひのくまのあこのおかのえのみささぎ)を文武天皇陵としているが、今回の調査結果で変更する予定はないと発表。
文武天皇は天武天皇と持統天皇(夫婦)の孫にあたり、聖武天皇の父にあたります。701年に大宝律令を制定したこと、702年に遣唐使を復活させたことは受験でも重要な歴史の1つです。関連事項として出題される可能性はあるため、ちょっと気にかけておくといいでしょう。
なお、天皇陵(天皇のお墓)は、宮内庁により初代の神武天皇から昭和天皇に至るまで、全て決まっています。でも実は初代天皇はもちろん、実在が確認されていない天皇もおり、天皇陵も言い伝えや推測から決めている所も多いのです。
H2Aロケット 打ち上げ成功 連続37機目
11月29日:★
三菱重工業が政府の情報収集衛星「データ中継衛星一号機」を載せたH2Aロケットの打ち上げに成功。打ち上げは種子島宇宙センターからで、成功率は97.67%となった。
データ中継衛星は上空約3万6千キロに位置する静止衛星で、安全保障や災害の被害状況といった情報を地上アンテナへ中継する。現在データ中継衛星の他に昼の晴天時を撮影する「光学衛星」、夜や悪天候時に撮影する「レーダー衛星」を合わせて8機運用。データ中継機はこれらのデータを中継する役割を担う。
H2Aロケットと種子島宇宙センターは入試でもよく出てくる名称。宇宙産業は今後さらに拡大していくことが予想されているため、日本の取り組みとして押えておきましょう。
なお、打ち上げ成功率97.67%は世界で見るとトップレベルで高い方。打ち上げ回数や開発コストも考慮すれば、安さ成功確率で言えば世界一といってもいいでしょう。これば一回打ち上げるのに莫大なコストがかかる宇宙産業にとってはとても重要で、たとえわずかでも失敗の可能性があると一発で大金が吹っ飛ぶため、信頼性が高いことはとても有利になります。日用品レベルの産業ではアメリカや中国、韓国に押されている日本なので、頑張ってもらいたいところですね。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項を押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。