「勉強する」とはどういうこと?
「教えてもらわらない生徒」
と聞くとどう思われますか?
「何のために塾に行ってるんだ。」とか「聞けなかったのかな?」とか思うかも知れませんが,PHIではそれほど珍しい事ではありません。
もちろん質問できなかったわけでもありません。
実際先日あったやり取りでご紹介しましょう。
PHI卒業の高校生です。
アボガドロ数って何?
生徒 「先生、モルが全然わからない!今日聞きにいっていいですか!?」
先生 「はいはい、19時においで。」
そして19時。
生徒 「これなんですよ。このあたりがさっぱりで。」
先生 「あーこれね。めっちゃ簡単なところだよ。難しく考えすぎなだけ。」
生徒 「なんか覚えなきゃいけない数字たくさんあるじゃないですか。」
先生 「ないよ(笑)何を覚えるの?」
生徒 「アボガドロ数の6.02×10の23乗と22.4リットルと…」
先生 「と…なに?」
生徒 「原子量?」
先生 「そんなの問題に書いてあるじゃん(笑)」
生徒 「え?じゃあ覚えるのこれだけ?」
先生 「他にある?」
生徒 「ない。」
先生 「じゃあそれだけだろ(笑)」
生徒 「てかアボガドロ数ってなんなんですか?」
先生 「1ダースって何?」
生徒 「12個のセット。」
先生 「じゃあアボガドロ数は?」
生徒 「6.02×10の23乗個のセット…え?あ、それだけ!?」
先生 「うん、それだけ。」
生徒 「じゃあアボガドロ数個集めたセットの重さは原子量になるってだけ?」
先生 「うん、それだけ。」
生徒 「めっちゃ簡単じゃん!ちょっと解いてみます!」
全然わからなくてバツばかりになった問題集を持ってきたのですが,改めて解いてみるとほとんど解けてしまった様子。
時々理解しているか確認しながら声をかけたり,多少解説したりしたものの,解き方を教えた問題は一問もなし。
「なにこれ、チョー簡単!」
「なんでこんなの解けなかったんだろ」
「余裕っすね!」
と言いながら3時間。
ほとんど自分で解いて帰っていきました。
考えるのが勉強,教えられるのは勉強ではない
彼は中学生の時は平均いくか行かないかぐらいの子でした。
決して優秀な子ではありません。
しかし自分で考えて勉強するようになって,このようにちょっとしたヒントだけで解けるようになったのです。
そしてPHIでは,いわゆる塾で教えるというような教え方はしていません。
ですが,これも指導の一つです。
実際,これだけで彼はこの分野の本質に気付いて解けるようになってしまいました。
聞こうとした途端理解できてしまう現象
こんな経験ありませんか?
質問しようと思って,説明しだした途端に自分で理解しちゃった,みたいなこと。
これと同じようなものです。
改めて説明してみたり考えてみたりすると,ふとした拍子に物事の本質が見えて,一気に頭がクリアな状態になる事があるのです。
これは一方的に説明されているのを聞いているだけでは感じられません。
気付けるきっかけを与える事がポイントです。
もちろんご家庭でもできますよ。
子どもがわからないからといって,教える必要はないということです。
気付きが得られるのは自分の頭で考えた時です。
あまり難しく考えず,教えようとせず,「へー」とか「ふーん」とか「ほー」とか言いながら聞いて,子どもに考えさせるようにして見て下さい(^^)/
ちなみにこの子はまだ高1なのに「行きたい大学がある」と言って,今では家で勉強ばかりしているそうです(笑)
受験は思うようにいかなかった彼ですが,受験勉強を通して勉強の楽しさ,結果を出せる勉強のやり方は学んでくれたようで,高校生になってからみんなとどんどん差をつけています。
受験はゴールではない。
勉強のやり方は一生の財産。
その本質がわかってくれて嬉しいですね。
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