タケコプターはなぜ飛べない?
ドラえもんでお馴染みのタケコプター。
実はこれ,現実的には飛べないのです。
それについて子ども達と話したので,その授業をちょっと紹介。
さて、タケコプターはなぜ飛ばないのか。
力学には作用・反作用の法則という現象があります。
これは,力を与えた方にも,同じだけの力が反作用として返ってくる,というものです。
例えば二艘の舟が浮かんでいるとして,片方の舟に乗っている人が,もう片方の舟をオールで押したらどうなりますか?
押した方も押されて二艘が離れていきます。
これが作用・反作用の法則です。
タケコプターも同じで,例えばプロペラが左回転していたとすると,反作用で右回転の力が加わっていることになります。
ということは,空中に浮かんでいるときにタケコプターが回る回転とは逆方向に軸が回ることになります。
この軸が頭に直接ついているため,頭が反対方向へ回ることになります。
よってあんな感じで優雅に飛ぶことはできないのです。
ヘリコプターと何が違う?
最初の反作用の原理がわかってしまえば,ここから先は子ども達の方からどんどん答えが出てきました。
ヘリコプターも一見すると胴体の上でプロペラが回っているだけな気がしますが,ヘリコプターには実はもう一つプロペラがついているんですね。
それがテールローターと呼ばれる,しっぽの様に伸びた先についているプロペラ。
これが胴体を逆方向へ回そうとして反作用を打ち消しているのです。
だから旋回したいときはこのテールローターの回転を調整して,回っていきます。
ホバリング(空中で停止)できるのも,メインのプロペラとテールローターで力を打ち消し合っているからなのです。
そのため,もしどちらかが故障すると,ヘリコプターはくるくる回りながら落ちていくことになります。
ドローンはテールローターがないけど、どうやって打ち消している?
ドローンのプロペラは偶数個になっているものが多いはず。
つまり,半分は右回転,もう半分は左回転にして打ち消しているのです。
ラジコンヘリのように小型のヘリコプターもプロペラが二枚ついているものがあり,これらも同様に逆回転させることで打ち消しているのです。
入試には役に立たない?
一見すると入試には関係なさそうな話題ですが,身近な物理現象自体は何かと問題になりやすい傾向にあります。
特に公立中高一貫系の問題は身近なものを題材にすることが多くあります。
竹トンボも経験していればこの手の問題の理解は早く,一度実感すれば忘れにくくなります。
身近な物理現象は,機会があるたびに経験させてあげて下さい(^^)/
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