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くもんから学ぶ労働三権

くもんのロゴ

受験で役立つのはどこ?

労働に関する授業をしていた時に,フランチャイズの話になり,そこから公文の話につながったため,その時の授業をちょこっとご紹介。

受験では労働三権につながります。

労働三権は,以前は労働争議やストライキが多発していた時代があり,その世代を見てきた人からしたら大したことない内容ですが,最近はすっかり大人しくなってしまい,身近な例としてはイメージしにくくなっています

そのため,身近で具体的にイメージしやすいネタがあると印象付けしやすくなるのです。

今回はたまたまくもんが出てきましたが,コンビニでもファーストフード店でも何でも基本的には同じです。

フランチャイズって何?

フランチャイズというのは,ロイヤリティという成果報酬を支払うことで,お店の看板,システムを丸ごと借りて営業するビジネス方式のことです。

くもんの場合は,「株式会社日本公文教育研究会」という会社があり,その会社が本部となります。

そしてくもんの教室を持ちたいと思っている人は,お金さえ払えば誰でもくもんの教室を開くことができます。

この時,システムを借りる側のことをフランチャイジーと言います。

フランチャイジーは労働者?

このとき,両者はあくまでシステムを貸す側と借りる側の関係であり,労働者という扱いではない,つまり一経営者(一事業者)である,という考え方が一般的です。

労働者か経営者かの線引きは現在でも裁判でも争われている事例がありますが,マクドナルドの裁判事例を見ると,勤務時間を自由に設定できるか,経営に自由裁量があるかどうか,が一つの焦点になっています。

つまり,システムを提供する側はあくまで提供するだけであり,いつどう使うかは自由裁量に任されている場合は労働者とはみなせない,ということです。

マクドナルドの場合は本部から勤務時間まで指示が出ていたので,対等な立場とはみなせない,店長は労働者である,という結論が出ました。

そして今回のくもんについても,「指導者らは自ら教材や会費などを決められず,ほかの学習塾との差別化を図って生徒数や教科数を増やすことができないことなどから,都労委は労組法上の労働者と結論づけました。

要するにくもんの運営者には自由裁量がなく,全て本部の言う通りやらなければならないため,労働者であるという結論が出されたのです。

これについて本部は反発しており,「意見は聞くが,交渉には応じない」という声明を出しているため,今後も争われるでしょう。

労働三権ってなに?

労働三権というのは

・団結権
・団体交渉権
・団体行動権

の3つを指します。

団結権

今回の交渉は,フランチャイジー側がみんなで協力して本部を訴えたことで実現しました。

このように労働者がみなで集まって団結する権利を団結権といいます。

会社としては労働者が団結して訴えてくることを嫌うため,なるべくなら団結させたくないと思う会社も多いのですが,団結を阻止しようと画策すると労働者の権利を侵害したとして罰せられます。

なお,この団結については国に申請することで労働組合(ユニオン)という組織になり,正式に国が認めた組織ということになります。

よって,国が間に入って動向を監視,場合によっては会社側に命令を下すため,公的なバックアップがつくとも言えます。

団体交渉権

今回くもんが成功したのはこの団体交渉です。

団結しただけでは何もできません。

会社側と話し合いの場を設けなければ進展しません

ところが,労働者がいくら訴えたところで握りつぶされてしまう現状があるのです。

そこで労働組合として団体交渉権を申請します。

これにより,会社側へ強制的に話し合いをしなさいという命令が下されます

国が介入した命令なので,会社側は拒否できません。

拒否やその場で取り付けた約束を反故にした場合は罰せられます。

しかしこれもあくまで交渉できるようになったというだけであり,交渉したから会社側が聞き入れるとは限りません

今回のくもんの件も,初めから「応じる気はない」と明言していますからね。

団体行動権

そこで最後の手段として用意されているのが団体行動権です。

名前の通り,団体で行動することが認められます。

例えばストライキ(働かない),抗議活動といったことです。

くもんなら教室を開けない,くもんの本部の前で抗議活動をする,といった感じになります。

通常このようなことをされるとニュースにもなりかねず,イメージ悪化が避けられないため,さすがに交渉に応じるだろう,という目論見です。

もちろんこれらの行動は予め申請して,許可が出てから行うことになります。

これらの行動は労働者の権利なので,会社側が妨害することは許されません。

ストライキ期間中の給与の減額,ペナルティといったことをすると会社側が罰せられます。

ようするに「労働者が話し合おうって言ったのに聞き入れなかったんだから自業自得でしょ」ということです。

フランチャイジーの団体行動は諸刃の剣

ところがここでフランチャイズならではの問題が生じます。

フランチャイジーの場合は通常の社員,労働者と違い,売上の何パーセントかをロイヤリティとして本部に支払うという契約になっています。

通常の労働者,社員なら休んだ分も給料払え,でいいのですが,フランチャイジーの場合は営業しなければその分の売上は自分に響いてしまうのです。

そのためフランチャイジーの団体行動はほぼ意味がなく,大事にしてニュースに取り上げてもらい,世間の風評に委ねるのが現実的となります。

実際セブンイレブンの件もオーナーがそれぞれ個別に訴えたところで本部は全く聞き入れませんでした。

ニュースに取り上げられ,社会問題して広がり始めたから手のひらを返しました。

これがフランチャイズの現実なのです。

子どもには難しい?

いいえ,全くそんなことはありません。

子どもは大人が思っている以上に賢いものです。

実際PHIでは小5もこの話を聞いていましたが,「えー変なの!」「なんで言えないの?」と言った意見も出ていました。

難しいかどうかではなく,具体的にイメージできるかどうかなのです。

塾や学校でこの話が出てきただけではなかなか理解できず丸暗記に走ってしまう子も多いところなので,折りに触れて働き方については話してあげるといいでしょう。

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1981年生、千葉県出身の学習法診断師。独自の教育論、常識外れの教育手法を用いて、大手進学塾で実績、成績上昇率共にトップを取り続け、個別指導塾、家庭教師でもミラクルと言われる多数の逆転合格を打ち出す。2013年に進学塾PHIを作り、2015年に株式会社学習法指導塾PHIを設立。子供たちを対象とした勉強のやり方の指導を初め、親へも教育に関する子育て指導を実施。教育活動の一環として、高校や大学での指導、セミナー活動、塾や学校の先生など教育者に対するコンサルティング、動物介在教育など、多岐にわたって教育業に携わる。

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