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「づ」と「ず」の違いを意識しただけでもすごい!
実は世代によって教え方が違う
「づ」と「ず」の違いなんて大人は自然と使い分けているので何てことないと思うでしょう。
しかしこの質問、なかなか奥が深いのです。
もし子どもからこの質問が出たら、大いに褒めて、真剣に向き合ってあげて下さい。
中学受験でも時々出てきますし、高校受験でも日本語としての題材にされることがあります。
にもかかわらず、先生や親の世代によって教え方がバラついているのです。
今回も実際にファイの塾生から質問された内容を基にご紹介致します。
「ず」と「づ」の使い分け実例
いなずま?いなづま?
例えば「稲妻」。
これを平仮名に直したら「いなずま」ですよね?
「妻」は「つま」と読むのに、なぜ「いなづま」ではないのでしょう?
実はこれ、文部科学省が「現代仮名遣い」で定めた国のルールがあるのです。
そのルールとは、「づ」は原則として「ず」を用いること、というルール。
そして例外のルールもちゃんと細かく書いてあるのです。
それがこれ。
原則として「ず」を使う
- 頭痛(ずつう)
- いずれ(原則に従って「ず」を使う)
- 少しずつ(原則に従って「ず」を使う)
同音が連続する場合はそのまま濁点をつける
- 続く(つづく)
- 綴り(つづり)
- 縮む(ちぢむ)
二語がつながってにごる場合。
- 三日月(元がツキなので,「みかづき」)
- お小遣い(元が「つかい」なので,「おこづかい」)
- 近々(元がチカいなので,「ちかぢか」)
- 道連れ(元がツレなので,「みちづれ」)
- 分かりづらい(元が辛いなので,「づらい」)
二語だが分けて考えない語の場合。
- 稲妻(稲と妻にはわけて考えないため,一語と考えて「いなずま」)
- 固唾(固い唾「つば」とは考えないため,一語と考えて「かたず」)
- 融通(本来「つう」だが,一語と考えて「ゆうずう」)
「ジ」と「ヂ」の使い分け実例
「ジ」と「ヂ」にも同じルールが適用されます。
例えば、
- 世界中(基本的には「じ」にするルールなので「せかいじゅう」)
- 地面(地は「チ」のはずですが、基本的には「じ」にするルールなので「じめん」)
- ちぢみ(同音の連続なので「ちぢみ」)
- 鼻血(元が「ち」なので「はなぢ」)
原則「ず」を使う。「じ」も同じ。
例外は3つ
・同音が連続する場合はそのまま濁点をつける。
・二語がつながってにごる場合。
・二語だけど分けて考えない語の場合。
先生が正しいとは限らない!
ルールができたのはいつ?
この現代仮名遣いは1986年(昭和61年)に定めされたもののため、割と最近決められたルールです。
その前にも1946年(昭和21年)に作られたルールがありましたが、若干今のと使い分けのルールが違いました。
そしてさらにその前はルールがなかったので、みんな経験から好き勝手に使っていました。
よって
- 1946年以前に学んだ人は「づ」と「ず」の使い分けは経験に基づくもの。
- 1946年から1986年に学んだ人は「づ」と「ず」の使い分けはしっかり行われている。
- 1986年以降に学んだ人は「まぁこっちでも使っている人がいるし、多くの人が使っているならどっちでもいいよ!」という学び方。
になっています。
今小中学生の親になっている方々は「づ」と「ず」の使い分けはしっかりされていた世代だと思います。
実際教科書もその通りになっています。
しかし、ルールとしては「今はどちらでも良い」となっているものもあります。
たとえば「少しずつ」は「少しづつ」でも良いことになっています。
公文書や教科書は「ずつ」に統一されていますが。
書き順も実は時期によって指導法が変わっています。
以前はきっちり指導されましたが、今はそこまで要求されないのです。
習った年齢によって教え方が異なります。
先生が必ず正しいとは限らないのです。
理不尽な教えからどう子どもを守るか
教育の在り方、内容は世代ごとに変わります。
何十年も前に習った事が今もそのままとは限らないのです。
また、先生自身も時代によって習ってきたことが異なるため、従来の教え方をそのまま行っている先生がいるのも事実です。
しかし多くの先生、多くの大人がそのことに気付いていません。
それゆえ、自分が正しいと思い込んで子どもに押し付けてしまうことで、子どもが傷つき、それがきっかけとなって勉強が嫌いになってしまう子も結構いるのです。
あなたが昔習ったことを子どもに押し付けて、潰さないようにしてあげて下さいね。
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