丸暗記タイプかどうかの指標になる
「電流計は並列につなぐと壊れるので、直列につないで使います。」
おそらくほとんどの方がこのように習い、何の疑いもなくこのまま覚えたことでしょう。
しかし、なぜ並列につないではいけないか、ご存知ですか?
並列につなぐと何が起きるかおわかりですか?
これに答えられるかどうかで、単に丸暗記しているのか、それとも理解しているのかがわかります。
なぜならファイの塾生は、こうやって教えると必ず、
「なんで?」
と聞いて来るので。
ちゃんと考えているのであれば、疑問に持つはずなのです。
電流計の中身の正体
電流計は回路に直列に入れて、そこをどれくらいの電子が移動するかで電流の大きさを調べる装置です。
電流計の中を電流が通ることで、磁界が発生します。
この磁界の強さで電流の大きさを調べているんですね。
もしこの電流計の抵抗が大きかったら、回路を流れる電流はどうなりますか?
直列に抵抗をつなぐと、電流は流れにくくなってしまい、状況が変わってしまいます。
つまり、電流計はなるべく抵抗を小さくして、本来の電流の流れを邪魔しないような構造、流れる電流のエネルギーを消費しないように、とても小さな抵抗と針を動かす電磁石(コイル)が入っているだけなのです。
この電磁石というのは、フレミングの法則で実験する装置と同じ原理です。
小さな抵抗を並列につなぐとどうなるか
さて、電球と電池だけの簡単な直列回路を想像してみましょう。
この回路の電球の部分に、抵抗が小さいもの、例えば導線を並列につないだとします。
するとどうなりますか?
導線を並列につなぐということは、ショートです。
つまり、電流は抵抗の小さい導線を流れてしまい、電球には流れなくなってしまいます。
電流計を並列につなぐと同じ事が起きるのです。
電流計は小さな抵抗。
その小さな抵抗を並列につないでしまうと、回路に入っている抵抗の方ではなく、抵抗が小さな電流計の方を流れてしまい、ショートの状態に。
すると大電流が一気に流れてしまい、電流計の中に入っている電磁石が磁化、針が動かなくなってしまうのです。
これは生徒が疑問に思って聞いてきたことをまとめたノートです。

電圧計はどうなっている?
ここまで来れば、電圧計がどうなっているかも予想がつくはずです。
電圧計は並列につなぎます。
並列につないでショートが起きないようにするためには、抵抗を大きくしておかなければなりません。
つまり、電圧計は抵抗を大きくして流れる電流を少なくし、それでも流れてくる少ない電流の量から流れのエネルギー(流れる強さ)を数値化しているのです。
電圧計を直列につないだら壊れる、は嘘!
ここまで理解できていれば、答えられるでしょう。
電圧計を直列につないでも何も起きません。
「電流計を並列につなぐと壊れる」と混同している子が多いのですが、何もおきません。
なぜなら、回路に抵抗が大きなものが入って、電流が流れなくなるだけだから。
電圧計を電流計で代用できる?
これが説明できていればもう丸暗記脱却です。
今までの話で、電流計は抵抗が小さいフレミング装置。
電圧計は抵抗が大きいフレミング装置。
違いは抵抗の大きさだけ。
ということは、電流計に大きな抵抗をつけてあげれば、電圧計として使うことができる、ということです。
具体的には、電流計に大きな抵抗を直列につなぎ、それを並列につなぐ。
もちろん文字盤は電流計ようになっているので、電圧の数値にするには計算が必要です。
しかしその計算も大して難しくありません。
追加した大きな抵抗値を、オームの法則を使って普通に計算するだけですから。
子供の興味は難しいかどうかで決まらない
この内容は小学校はもちろん、中学受験でも中学でも習いません。
高校で物理を取れば習う範囲です。
そんなところでも子どもは興味を持っているのです。
子どもは覚えさせれば疑問も持たずに受け入れてしまいます。
疑問を持つのが当たり前になれば、このように自分で勉強し始めます。
とりあえず子供に
「電圧計を直列につなぐとどうなる?」
と聞いてみましょう。
「壊れる!」
と答えた子は何も考えずに覚えている証拠。
頭を使う勉強スタイルが身に着いていません。
その場合、丸暗記に限界がきて、いずれ成績は伸び悩みます。
覚えさせようとしてうまくいかない方はファイで勉強のやり方を頭の使い方から改善しませんか?
丸暗記を脱却すると、勉強は楽しくなってきますよ(^^)/
「電流計は並列につなぐと壊れると教科書には書いてありますが、なぜ並列につなぐと壊れるのでしょうか?つないだらどうなりますか?」