目次
誘惑に対する対処法
誘惑は親の責任
この子の場合、スマホゲームに気が散っているようでした。
もちろんリビングから持ち出さない約束にはなっているのですが、ふらふらと立ち歩いてリビングに来て触りだし、そのまま抜け出せなくなっていることが多いそうです。
また、スマホを取り上げても、本やマンガは自室にあるため、そちらに手を伸ばしていることも多いとのこと。
この子はすでに指導に入っている子なので、ピンポイントで対策をお話することができますが、ブログなので種類別に対策を挙げておきましょう。
携帯・スマホのLINE・SNS等
まず大前提として、勉強部屋にはスマホを持ち込ませないようにしましょう。
オススメはリビングにおいて置くことです。
子どもが抵抗してくることもありますが、そういう時には、以下のように対応するのがいいでしょう。
メールを返さないと友達を失う?
そんなのは本当の友達にはなりません。
事情を話して納得してくれないのであれば、それは子どものいるべき世界が違うということでしょう。
うまく受け流すだけの大人度を育てて、きっぱりと勉強するから返事が返せないと言えるようにさせてあげましょう。
言いづらいのであれば、スマホは部屋に持ち込まないことにしているといった感じで、友達に言い訳しやすい理由を一緒に考えてあげましょう。
親が悪者になってあげるのも一つの手です。
もしそれでいじめにあってしまったのであれば、住む世界を変えるのが賢明です。
受験で違う学校に行くというのも一つの手です。
もちろん学校の先生に訴えるという方法もありますが、これはこれで子どもも親も負担になります。
本当に嫌であれば、そのレベルから脱する努力をするのが一番手っ取り早いのです。
パスワードロックは親と共有
今まではパスワードロックをかけさせないという選択肢もありましたが、最近は物騒な世の中なので、パスワードをかけずに外へ持ち出すのは危険。
となれば、パスワードを親と共有するのがいいでしょう。
要するに隠し事ややましいことができない状況を作ることです。
これはチェックすることが目的ではなく、抑止力が目的ですから、こまめにチェックする必要はありません。
その代わり、時々親がスマホを使わせてもらうようにして、共有していることを再認識させるようにしましょう。
スマホの所有権は渡さない
所有権はあくまで親であり、子どもには貸しているだけというスタンスは譲らない方がいいでしょう。
つまり、何かあれば親が好きにいじることも、取り上げることも、解約することも、交換することも、データを削除することも何でもできるということです。
この権利を子どもに与えてしまうと好き勝手やって戻ってこなくなります。
どう使ってもいいけれど、最終的な決定権は親にあるからね、というのは忘れさせないようにしましょう。
なお、このやり方は社会主義的なやり方な気がしますが、それはそれで社会主義の仕組みを学ばせるのにちょうどいいでしょう。
家庭内のルールとはいえ、社会のルールの縮図になりますから、ぜひ子どもと一緒になってバトルをし、ルール作りをしていってください。
先方に「親の目」を意識させる
女の子に対して、男の子がSNSを使ってちょっかいを出してくることがあります。
もちろん健全な付き合いなら目くじらを立てる必要もありませんが、小中学生ぐらいですと、結構な割合で卑猥な言葉や暴力的な発言が出てきます。
こういう子には
「このスマホ、親と共有だからやめてね。」
と言えば大抵ちょっかいを出してこなくなります。
親自ら返信しても構いません。
親の目があるということは、それだけで外部に対しての抑止力になるのです。
テレビゲーム・スマホゲーム
これもスマホと同じですが、決定的に違うのは中毒性が非常に高いところです。
一度中毒になると本当に厄介で、早くても1年、長いと数年単位での対処が必要になります。
短期決戦で挑む方法も世の中にはあふれていますが、どれもこれも親子共に生活をガラッと変える覚悟が必要、場合によっては親が仕事をやめてずっと付きっきりにならなければならないような現実的ではない過酷な対処法ばかりです。
そのため、まずは中毒にさせない工夫を、始める段階から布石を打っておかなければなりません。
所有権は絶対に渡さない!
所有権を与えた、もしくは奪われてしまった時点で中毒は覚悟して下さい。
一度所有権をゆだねてしまうと、まず戻って来ません。
そのため、所有権を奪われるぐらいなら、その物自体を処分するといった方法すら必要になります。
それぐらい所有権をはっきりさせることが重要なのです。
いう事を聞かなくなったら廃棄するぐらいの覚悟を持って接して下さい。
ここで甘くすると結局のところ所有権を奪われることになります。
中毒になってしまったら?
残念ながら中毒になってしまったら長期戦です。
ちょっとやそっとでは復帰しないと覚悟を決めて下さい。
具体的な中毒脱却法は時と場合によって異なりますが、一番有効なのは、すり替えです。
つまり、何に対して中毒になっているのかを正確に見極め、同じ状態が作り出せる別のものにすり替えていきながら離していくのです。
たとえば、フォートナイトやPUBGといったゲームが好きならば、戦略に興味を持っているかもしれません。
そうなれば、戦略を勉強させることで、結果的にそれらのゲームから離れていく可能性は十分あります。
中毒からの脱却法は別の記事で書いたのでそちらをご覧下さい。
ゲームがないと友達関係に支障が出る?
考え方次第だと思いますが、「周りがみんな持っているから」といった甘やかしでゲームを与えることだけは絶対にやめるべきです。
親がみんな持っていることに同調して与えた、ということは、みんなと同じ事なら許される、と勘違いさせることにもつながりかねません。
すると、
「みんなゲームをもっと沢山やらせてもらってる!」
という、調べようもない「みんなが」という言い訳を使っても文句が言えません。
冷たいことを言うようですが、そもそもゲームでつながる今の友達関係を本当に大切にさせたいのでしょうか?
冷静に考えればそうではないと気付くはずです。
ならばそれをちゃんと子どもに伝えてあげるべきでしょう。
テレビ
テレビも中毒性はありますが、ゲームやスマホほどではありません。
というのも、基本的にはテレビは受動的で、能動的な部分が少ないためです。
とはいえ、やはりテレビも次を見させようと工夫をしているため注意は必要です。
自分でコントロールさせるためには、テレビに時間の自由を奪われないこと。
つまり、リアルタイムで見るのではなく、録画して見るようにするだけで、ただただ見てしまうというのを防ぐことができるようになります。
もちろん録画が溜まってしまい、ずーっと見続けるということもあり得ます。
その場合は録画する行為自体を抑制しなければなりません。
例えば親が見たいものがあるという事にして、録画時間を被せて録画させないとか、リモコンの電池を抜いてしまうとか、ハードディスクを親がため込んだ録画でいっぱいにして録画できる時間自体を少なくしてしまうとか、レコーダー自体にパスワードをかけてしまうといった方法も使えます。
本・マンガ
漫画の種類によっては、それを見ることで元気ややる気が出る本や漫画もあります。
そういう漫画の場合はリビングにおいておきましょう。
そして読むのもリビング限定にします。
リビングで漫画を読んでいる分には、本人も勉強時間と休憩時間の区別がつけやすく、部屋にいるのに勉強していないということを防ぎやすくなります。
友達からの遊びの誘惑
ケースバイケースですが、私は基本的に受験勉強中の遊びに賛成です。
もちろん遊びばかりではいけませんが、勉強ばかりというのも現実的にはなかなか難しいでしょう。
そこで大切なのがルール作りです。
このルールはご家庭の事情や教育方針もあるはずなので、融通をきかせて運用して構いませんが、以下の部分だけは外さないようにして下さい。
- いつ誰とどこで遊ぶのか、何時に帰るのか、予定を聞いておくこと。
- 遊びに行った分をどこでどう帳尻を合わせるのか決めておくこと。
- 前日までに予定に入っていない遊びは断ること。
これを押さえておくだけで、子どもの自己管理能力を鍛えられます。
ポイントは予め言っておくということ。
遊びの予定も前日までと区切っているのはそのためです。
長期休暇中なら3日前くらいまでにしておいてもいいでしょう。
予め考えさせることにより、今後の予定について考えるようになり、計画性が身に付きます。
もちろんいきなりできるようになんてなりませんから、地道に長い期間練習して鍛えていきます。
そして帳尻の合わせ方を考えさせることで、目標の認識と、プロセスを意識させます。
この辺りはできれば一緒に考えてあげる方がいいのですが、喧嘩になると反発して全くやらなくなりますので、喧嘩になるぐらいなら考えさせるにとどめておいた方がいいでしょう。
ファイで休む子はどうするか
遊びは全然構いません。
子どもたちも遊びの予定を隠さずに話してきます。
その際、次の点については話して意識させています。
- いつ誰とどこに遊びに行くか、必ず予定を親に言うこと。
- その分やれるはずだった勉強を、いつどこで挽回するのか決めること。
- 祭りや花火、誕生日会や親族への挨拶などのイベントには積極的に参加すること。
と言っています。
これらの予定や計画に対する考え方は、経験させなければ身に付きません。
そのため、ファイでは遊びに行くことを推奨しているのです。
特にイベントや行事はできる限り参加しなさいと話しています。
受験生でもお祭りに行かせます。
塾が休みになっただけで不安な親もいますが、ファイでは家で勉強できるように教えているので、
「1日2日遊びに行ったぐらいで落ちてしまう程度の勉強しかしてないなら、落ちてしまえ!」
と言っています。
実際ファイの子は、ちょっと休んだぐらいでは遅れを取りません。
遊びに行っても、むしろ息抜きになってちょうどいいぐらいです。
ファイで逆転合格した子を見ても、みんな遊んでいますからね。
それでも誘惑に勝てない場合はどうするか
家以外で空間を用意する。
これに限ります。
公民館や図書館、塾やフードコートなど、誘惑がない場所ならどこでも構いません。
家がくつろぎの空間になってしまっているなら、とにかく外に出てやるようにした方がいいでしょう。
ただし、外には外の誘惑があります。
誘惑が全くない場所なんてありません。
集中できる場所の確保は集中するためのものなので、そうでなくなってしまえばその場所は使えなくなります。
そうなればまた新たに探さなければなりません。
結局場所を変えたところで、誘惑に勝てる力があるかどうか、が本質的な問題であることには変わりがないのです。
勉強をやらせるのではなく、勉強するように仕向けていく方向で育てていきたい方は、ファイへご連絡下さい。
月1万円から、子育てアドバイザーを実施しています。
声かけの仕方を変えるだけでも、子どもは結構変わっていきますよ!
「勉強しようとは思ってはいるようですが、誘惑が多いようで、集中できていません。すぐに立ち歩き、おいてある何かを手に取って時間を使ってしまっています。こういう子を勉強に集中させるにはどうしたらいいのでしょうか。」
中1 市進学院 男の子のお母さん