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サピックス併用生の漢字の勉強法「指南」と「敗北」を用いた実例紹介

「指南」は、なぜ「北」ではなく「南」?

子どもの些細な疑問は拾った方が伸びる

お母さん

「『指南って言葉は、なんで南という漢字をつかうの?北じゃダメなの?』と子どもに聞かれて困っています。なぜ南なのでしょうか。」

サピックス併用 小6の母

熟語の意味を考えることはあっても、漢字そのものの意味を考えることはあまりないかもしれません。

しかし、子どもは割と疑問に感じています。

でもほとんどの子が、漢字は覚えるものだと教えられてしまっているため、意味を考えることを放棄してしまいます

非常に残念なことです。

でもこういうちょっとした疑問を掘り下げることで、多くのことが学べるのです。

今回はサピックスとファイを併用している子から頂いた疑問を基に、どのように疑問を広げていけるのか、紹介していきましょう。

指南はその言葉通り、南を教えていた

「指南」という言葉は、教えを導くことを指します。

まぁ要するに、「こうした方がいいよ」というやつです。

この指南という言葉は、三国志の時代に戦争の時に使われた「指南車」に由来します。

文字通り、南の方角を指し示すための車ですね。

広大かつ大多数で行う中国の戦争において、方角がわかることはとても大切なことだったのです。

このことから転じて、教えることという意味になったのです。

もしこの段階で三国志がわからなければ、三国志の話から、当時の戦い方まで話を広げることができますね。

そしてもう一つ疑問が出てくるはずです。

そもそもなぜ教えるのが南だったのでしょうか。

これは考えさせれば推測できるはずです。

なぜ南だった?

南と言えば、太陽が昇るのも北半球では南側ですね。

そのため、古代中国では南という方角を重視していたと言われています。

また、太陽が昇る南側は、方角がわかりやすかったのです。

もっとも正確に南を探すためにはちょっと工夫しなければなりません。

たとえば腕時計を用いた方法はごぞんじでしょうか。

短針を太陽の方に向けて、12と短針の間が南というあれです。

そこで問題です。

太陽が昇るのが南だとして、どうやって正確に南の方向を知ることができるのでしょうか。

これも理科に関する知識なので、ぜひ一緒に考えてみましょう

腕時計で南を調べる方法

三国志の時代に時計はありませんが、ここでは時計を使って南を調べる方法について紹介しましょう。

時計を使って南を調べる方法

時計の短針は1日で2周します。
しかし太陽は1日で1周。
つまり短針が動いた角度の半分が、太陽の動いた角度になるのです。
例えば短針が2時間(2目盛り分)、60度動いたとしましょう。
すると太陽はその半分の30°動くことになるのです。
よって短針を太陽の方へ向けたとき、12と短針の間の方角が南とわかるのです。

なお、実際の指導のときには時計を使わずに南を調べる方法についても、皆で話しながら考えています。

これについては最近、考えさせる入試として出題されることが増えてきました

最近はスマホ1つで方角なんてすぐにわかるので、あえて計算で求める必要はなくなってしまっていますが、南の見つけ方はいくらでもあります。

ぜひ子どもと一緒に考えてみましょう。

なお、この記事を書いた後、別の塾生から「敗北」についての質問も受けたので、そちらも紹介しましょう。

なぜ「敗北」は南ではなく北なの?

疑問が連鎖する子は伸びる!

お母さん

「先日の『指南』という言葉がなぜ南なのかという話を、早速子どもと話したところ、なぜ『敗北』は北という字を使うのか、と言われました。『北』には何か意味があるのでしょうか。」

サピックス併用 小5の母

いい質問ですね。

この塾生もサピックス併用生ですが、先ほどの子とは別の子です。

ファイではいいなと思った他の子の授業や指導を共有しているので、それを見て子どもと話したら、別の疑問が湧いてきたとのことです。

このように、答えをただ受け入れるのではなく、自分で考えて疑問が連鎖的に出てくる子は伸びますね(^^♪

では『北』についても紹介しましょう。

そもそも「北」の成り立ちが負けている

「北」という漢字の成り立ちは、「二人が背中合わせになる」状態を表しており、二人が背中合わせにならなければならない状態というのは追いつめられて負けていることを表します。

そのため、「背」という漢字にも「北」が入っており、「背水」といったように、背は弱みや弱点といった使われ方をしますね。

背中合わせであることが北を指すようになったのは、一般的に王は南を向いて座るため、北というのは王とは反対の方向を指し示すことになります。

そのため、北の方角を「北」という漢字で表すようになったのです。

些細なことではありますが、こういうことを気にかけて違いが分かるようになってくれば、漢字の練習も楽しくなってきます。

子どもの些細な疑問はぜひ大切にしてあげて下さいね。

もし子どもの疑問に対してどう返してあげるのがいいのかわからない、という方は、ファイでは月1万円から子育てアドバイザーを実施しています。

ぜひご利用下さい(^^)/

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