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「しめすへん」と「ころもへん」の違い
「しめすへん」と「ころもへん」の違い
「しめすへん」と「ころもへん」って何が違うの?
という質問を小学生の塾生から受けたので、違いについて調べてもらいました。
ファイのオンライン授業では、どんな指導をしているのか、その時の授業を紹介しましょう。
まず受験でもよく出ることの確認から。
「ネ」になっているのが「しめすへん」
「ネに点」が「ころもへん」
元々の意味もその読み方の通りで、
「しめすへん」 ⇒ 「示す」(しめす)
「ころもへん」 ⇒ 「衣」
から来ています。
実際に使われている漢字を一覧にして書きだしてみましょう。
「しめすへん」の漢字一覧
- 礼 ⇒ 敬い、感謝を示す。 例)敬礼、婚礼、謝礼
- 祈 ⇒ 神へ願いを示す。 例)祈願、祈祷、祈念
- 祉 ⇒ 神が立ち止まる場所(=幸せ)を示す。 例)福祉
- 祐 ⇒ 神の助け(右手を差し出す様子)を示す。 例)天祐、祐筆、富祐
- 祥 ⇒ めでたいことを示す。 例)吉祥、祥雲、祥慶
- 福 ⇒ 幸せであることを示す。 例)幸福、福祉、福音
このように、しめすへんは神様に関係するものに使われることが多いことがわかります。
「ころもへん」の漢字一覧
- 表 ⇒ 上着、上に着る衣。見た目を表す。 例)代表、年表、図表
- 裏 ⇒ 衣服の裏側。 例)脳裏、裏側、裏手
- 被 ⇒ 皮の衣類で頭を覆う。 例)被覆、被告、被害
- 袋 ⇒ 衣類の布で作った入れ物。 例)紙袋、小袋、包袋
- 複 ⇒ 裏地(逆さ)のある衣服=何枚か重ねる。 例)重複、複眼、複写
- 装 ⇒ 衣服を整える。身を包む。 例)衣装、装備、仮装
- 裂 ⇒ 衣類が切れる。 例)分裂、決裂、破裂
- 補 ⇒ 衣服のほころびを他の布でふさぐ。 例)補習、補講、補欠
- 裕 ⇒ 衣類が沢山ある=豊か。 例)余裕、裕福
- 裸 ⇒ 衣類(皮)を身につけない実。 例)丸裸、赤裸々、裸子
- 衿 ⇒ 布ですっぽりと覆う。 例)衿(えり)
- 袖 ⇒ 布の筒。 例)振袖、丸袖、袖口
- 袴 ⇒ 弓を引く様子=弓を引くときの衣。 例)袴(はかま)
- 襲 ⇒ 龍が衣に乗っかってくる=襲われる。 例)襲撃、空襲、世
- 褒 ⇒ 子を衣に包んで抱く。 例)褒める、褒美、褒章
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、実際に「示」がへんになっている漢字もあるんですね。
そしてこれも「しめすへん」と言います。
「示」がへんになっている「しめすへん」の漢字一覧
- 祠 ⇒ 神事を司る場所を示す。 例)祠(ほこら)、社祠、神祠
- 禊 ⇒ 身を清めたことを示す。 例)禊(みそぎ)、禊祓
- 祇 ⇒ 土地に住む神(氏神)を示す。 例)祇園、神祇
- 祓 ⇒ 犬を生贄として捧げ、祈ることを示す。 例)お祓い、禊祓、清祓、大祓
このように使い方もほぼ一緒。
元々は「ネ」になった漢字も、旧字体は「示」だったんですね。
それを常用漢字にするにあたって簡単になっていって、「ネ」になったので、両方とも「しめすへん」なのです。
つまり、「しめすへん」が使われるのは何かを示しているものが多い。
「ころもへん」が使われるのは衣類が関係する、もしくは関係した由来のものが多い。
となるのです。
漢字の勉強は覚えるだけだとつまらなくなる
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