目次
「勉強禁止令」でどんどん伸びる!?
塾講師もビックリ!?
先日塾に見学にいらした教育者の方から質問を受けました。
その方は他の塾も多数見てきているのですが、ファイのオンライン授業の塾生達は、勉強に対する姿勢がまるで違うとおっしゃっていました。
その方が塾を見学して得た結論は、
勉強させようとしないから勝手に勉強する。
というものでした。
果たしてどういう事でしょうか。
親でも簡単にできる
実はこの方法、とても簡単なので親でも簡単に真似できる方法です。
勉強させないとはどういう事でしょうか。
特に裏もなく、本当にそのままの意味なのです。
ファイのオンライン授業では、勉強を強制しません。
やりたいならやる、やりたくないならやらない。
それゆえ、基本的に宿題も出しません。
何かやりたいなら、何をやればいいかのアドバイスはしますが、宿題という形にはしていません。
聞かれなければ何も出さないので、当然実力不相応な宿題に悩まされることもありません。
「そんなことしたら、勉強しなくなるじゃないですか!」
でしょうね。
でもそれでいいと考えています。
人生という長いスパンで考えたとき、無理やりやらせて時間を無駄に使わせることに、どれだけの意味があるのでしょうか。
そんなことより、やりたいことをやっている子の方が、勉強しようと思ったときに勝手に勉強するものです。
つまりファイのオンライン授業では、勉強させないから、自主的に勉強に向かう以外勉強する方法がないのです。
「自立」を掲げる塾はいくらでもありますが、あれも根本的にはやらされていますからね。
この自分でやろうと思っているか、やらされているのかの差は、勉強時間以上に大きな差になるのです。
この差はかなり大きいですよ。
実際の指導例をご紹介しましょう。
実際の指導実例
テスト前のこの時期、このようなやり取りがありました。
中学受験の塾に通う、小6の女の子です。
チェックテストの点数を見ながらこんな話をしました。
「次のテスト、何点取りたい?」
「えーっと70点ぐらい。」
「OK!じゃあ今の時点で取れるから宿題なし!」
「え!?いや、80点取りたいです。」
「大丈夫!何か自分で適当にやっとけ!」
「でも忘れちゃうかも知れないじゃないですか。」
「忘れないようにしておけばいいだろ?大体前回何点取ったよ?」
「75点です。」
「だろ?同じような勉強しておけばいいだろ。はい、おしまーい!」
「じゃあ90点取ります!」
「やだ。なんでわざわざ90点なんて取りたいんだよ。大変になるだけだよ?80点にしとけ。」
「でも勉強しないとまずいじゃないですか!」
「別にまずくなんてないよ。80点なら取れるだろ。この先10点上げるとなると勉強量増えまくって大変になるよ?やめとけやめとけ。」
「じゃあ100点取ります。」
「何で増えてるんだよww」
「100点取るための宿題を出して下さい。」
「ヤダよww大変だもんww」
「100点取れるなら取りたいので出して下さい!」
「ヤダ!」
「やるから出して下さい!」
「イヤ!」
「出してくれるまで退出しません!!!」
会話だけ見てたらどっちが子供だか(^^;)
ちょうど見学しにきている方が見ているときだったので、
「あんなに大真面目に宿題やるなって説得する先生、初めて見た。」
と言われてしまいました(笑)
「じゃあやらない」って言われたらどうするの!?
「先生、これって、『やらない!』って言う子いますよね?うちの子なら喜んでやらなくなると思います。そういう場合、どうしているんですか?」
もちろんいます。
しかし大体の子が「するな!」と言われるとやりたくなるので、こうなる事はもちろん計算済みです。
もし万が一「じゃあ勉強しない!」となってしまっても、実は大して問題ありません。
子どもって不思議なもので、周りがやっている事を自分一人がやっていないと不安になるものです。
子どもに限らず、大人も一緒ですね。
だから勉強するなと言ってしなくなっても、遅かれ早かれ、いずれ勝手に勉強し出します。
ね?
簡単でしょ?
「勉強しなさい!」というよりも「勉強するな!」っていう方が勉強するようになるって面白いですよね。
注意点
ただし一つ注意点があります。
大人は空気が読めるのでお分かりだとは思いますが、「勉強するな!」とは、「嫌ならするな!」の意味であり、勉強しない事が正しい訳ではありません。
よって勉強していない状態を絶対に褒めないで下さい。
逆に少しでも勉強している様子が見えたのなら、褒めてあげて下さい。
もちろんこれは机上の勉強に限った話ではありません。
考えている、学んでいる。
問題を解いていなくても、何かしら学ぶために頭と時間を使っていたのなら、それを認めて褒めてあげましょう。
素直に褒めるとわざとらしいと思うなら、
「あら、勉強しなくていいって言ったのにやってるのね。ま、やりたいなら好きになさい。」
という感じでツンデレ風に褒めても構いません。
「勉強するな」なんて言われたらビックリするでしょうから、「やれ!」って言ってやらないなら試してみる価値はあるでしょう。
中毒の原理を逆手に取る方法
もう一つ、勉強させないのに勉強するようになるカラクリを紹介しましょう。
2つのタイプの先生がいたとします。
- 1人は生徒が聞いてきたら答えをすぐ教えてくれる先生。
- もう1人は生徒が聞いてきても、教えてくれない先生。
どちらの先生の方が子どもの興味を引き立てられると思いますか?
実は教えてくれない先生なのです。
親からすると、すぐに教えてくれる先生の方がいい気がしますけどね。
でも子どもからすると、教えてくれない先生の方が楽しいと感じるのです。
なぜなら、疑問に感じた事を解決した時の達成感と喜びが大きくなるからです。
こんな経験ありませんか?
前からずーっと欲しい欲しいと思っていた洋服。
我慢して我慢して手に入れると、より喜びが大きくなりませんか?
これと同じです。
すぐに手に入れた解答よりも、苦労して手に入れた解答の方がより得られた時の喜びが大きくなるのです。
これを心理学では認知的不協和の原理といいます。
そしてこれは中毒性を生み出します。
そう、ギャンブルと同じなんです。
わくわくは中毒になる
折角勉強し出しても、長続きしないこともあります。
そこで重要になって来るのが、中毒にする方法です。
なぜギャンブルにはまってしまう人が多いのでしょうか。
我慢して我慢して得られた時の喜びが大きいからです。
そしてその快感を覚えてしまうと、またそれを求めて繰り返してしまうのです。
この性質は心理学で部分強化と呼ばれています。
部分強化を調べる実験ではラットに餌を与える実験があります。
ラットを入れたケースにスイッチを用意して、一方は押すと餌が必ずもらえる、もう一方のスイッチは時々餌が出るようにします。
さて、ラットはどちらのボタンを押すようになると思いますか?
なんとラットは餌が必ずもらえるスイッチではなく、時々出るスイッチを押し続けるようになるのです。
これは毎回同じ結果が得られるよりも、必ずしも同じではない結果になる方が、記憶や印象として定着しやすいことを意味しています。
本当にお金が必要ならちゃんと仕事して稼ぐべきなのに、一定の確率でしか稼げないギャンブルにはまるのはこの原理ですね。
達成感で中毒にする方法
では中毒を子どもの学習意欲を引き出すのに使うにはどうしたらいいのでしょうか。
子どもが興味を持った時に、それを引っ張って考えさせるのです。
簡単に答えが出てしまうようでは面白くありません。
自分たちなりに考えて、考えて、やっと答えがわかる。
これが快感につながっていき、学習意欲につながっていくのです。
引っ張り方がよくないと逆に学習意欲をそいでしまうんですけどね(^^;)
そしてこの「わかる」ことの喜びと,、「自分で調べる」という技術が備わると、あとは勝手に疑問を解決できるようになっていけます。
ファイが授業で一番意識しているのはここなんですね。
子どもの興味を引き出して、それを引っ張って自分で考えさせる。
そこに喜びを覚えるから勉強し出す。
簡単でしょ?
この方法は家で勉強しているときも使える方法ですから、ぜひ真似してみて下さい。
「うまくいかないよ…」
という方は、月1万円でどんな声かけをしていくといいか、アドバイスしています。
親子の会話をちょっと変えるだけでも、勝手に勉強するようになるものですよ。
勉強のことで親子喧嘩に発展している方はぜひご利用下さい。
「強制しているわけでもなく、叱る訳でもないのに、なぜファイのオンライン授業の塾生は勝手に勉強するようになるのでしょうか?」