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子供の疑問は学びのチャンス!
冬は唇が乾燥してリップクリームにお世話になる人も多いことでしょう。
最近は子どももリップクリームを持っている子が多く、ある日こんな質問をされました。
確かにメンソレータムとメンタームはそっくりですよね。
でも詰込み学習が当たり前だと思っている子は、なかなか疑問にすら思いません。
なので、もし子どもが疑問に思ったらチャンスです。
冬は自然と話題になりやすいため、ネタとして話しておくと、実際の事例から商標権の仕組みについて学ぶことができるため、経済をイメージしやすくなるでしょう。
メンソレータムとメンタームの違い
メンソレータム
メンソレータムとは、看護師のロゴでお馴染みのリップクリームのことです。
スーッとする感触が独特ですね。
アメリカのメンソレータム社が作った商品で、名前の由来はメンソールとペトロレータムの造語です。
メンソールとはミントやハッカに含まれている成分で、メントールと表記されるものと同じです。
ペトロレータムとはワセリンのことで、その保湿効果は化粧品や美容品でお馴染みでしょう。
ワセリンは気孔の実験でも使いますね。
メンタームってなに?
主な効果はメンソレータムと同じです。
そして成分もあまり変わりません。
ただ、商標権の関係で「メンソレータム」という名称を使うことができなかったのです。
「メンソレータム」を使えなくなった理由
日本で最初にメンソレータムを取り扱ったのは近江セールズという会社でした。
近江セールズはメンソレータム社から販売権を得て、日本国内で製造、販売をしていました。
ところが近江セールズは倒産してしまい、メンソレータム社から契約を解除されました。
その後メンソレータム社はロート製薬へ商標使用権を与え、ロート製薬はその後メンソレータム社を買収。
つまり、近江セールズが製造・販売していたメンソレータムは、ロート製薬が全ての権利を手に入れてしまったため、再起を目指していた近江セールズが販売できなくなってしまったのです。
メンターム誕生の経緯
近江セールズは事実上倒産という状況になりましたが、製造設備はまだあったため、それを活用して再起を目指すことにしました。
しかしメンソレータムは既にライセンス契約がないため販売できない。
そこで目をつけたのが類似品。
近江セールズがメンソレータムと契約して販売をすると、様々な会社が「〇〇メンターム」という名称の類似品を発売したのです。
近江セールズはこれに対して裁判を起こすも、「メンタームは既に認知されている名称であり、有効」という判決を受けてしまい、類似品に苦戦を強いられていたのです。
ということは、ライセンス契約がなくなった近江セールズが「メンターム」という名称で類似品を発売することに何ら違法性がないということになります。
ここに目をつけて「メンターム」として販売したのです。
まさにピンチを再起のチャンスに変えた事例ですね。
なお、近江セールズは現在「近江兄弟社」として存続しています。
「勉強させない」という逆転の発想
さて、この記事で紹介した話は、実際にオンライン授業で話した内容です。
そして疑問も小4の女の子が持ったものです。
ファイのオンライン授業では、このようにテキストと関係ないところから勉強しています。
成績も合格も目指していませんが、こんなやり方でも中学受験程度の内容はカバーできてしまうのです。
そして、ファイのオンライン授業では、暗記をさせません。
それどころか勉強もさせません。
勉強禁止令を出すぐらいですからね。
それでも、興味を持ったものを追求すれば、それが受験勉強に通じてしまうものなのです。
現在中学受験を目指していて、うまく回っておらず限界を感じている方。
ピンチは逆転のチャンスでもあります。
でもその逆転はただ待っているだけでは訪れません。
うまくいっていないのであれば、「勉強しない!」という逆転の発想をしてみませんか?
オンライン授業では、月1万円で日々の会話を勉強に結びつけるアドバイスをしています。
それが受験と結びついた時、子どもは勝手に勉強して、勝手に合格してきますよ。
「私が持っているリップクリームと、友達が持ってるリップクリーム。見た目も似ているのに名前がメンソレータムとメンタームってなってるのはなんで?何が違うの?」
オンライン授業 小4 女の子