目次
- 1 ファイの時事問題の特徴と使い方・注意点
- 2 2021年2月の時事問題
- 2.1 ミャンマーでクーデター発生
- 2.2 緊急事態宣言 延長
- 2.3 森喜朗会長が女性蔑視発言で辞任
- 2.4 イタリア新首相 マリオ・ドラギ氏就任へ
- 2.5 トランプ元大統領の弾劾訴追 無罪判決
- 2.6 新型コロナワクチン 国内初承認
- 2.7 コロナワクチン接種 国内初
- 2.8 NASA火星探査車 着陸成功
- 2.9 少年法改正案を閣議決定
- 2.10 ウーバー運転手は従業員 英最高裁
- 2.11 自宅オンライン学習を特別授業扱いに
- 2.12 大坂なおみ 全豪オープン 2度目優勝
- 2.13 中国への危害射撃可能 政府説明
- 2.14 ワクチン 高齢者は4月12日から
- 2.15 エアアジア・ジャパン 破産
- 2.16 米軍がシリアを空爆
- 2.17 NHK 契約逃れに割増金 閣議決定
- 2.18 男性の育児休暇取得促進 改正案を閣議決定
ファイの時事問題の特徴と使い方・注意点
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単純にテストに出る所を押さえたものではなく、親子で話題にするだけで子供が賢くなるネタ、ポイントを紹介。
必要のない部分、細かい数字は極力減らし、小学生・中学生でもわかりやすい簡単な言葉で印象付けしておくことで、関連事項が押さえやすいようにまとめています。
また、中学受験対策・高校受験対策・定期試験対策としても使いやすいように、重要度を★マークで表示。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。
親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めないように!
2021年2月の時事問題
ミャンマーでクーデター発生
2月1日:★★
ミャンマーでクーデターが発生し、政権トップのアウンサンスーチー国家顧問が国軍に拘束された。スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が昨年11月の総選挙で圧勝したことに対して国軍が不満を募らせたことによるものとのこと。国軍は国軍司令官が国家の権力を掌握したとして、1年間の非常事態宣言を発令した。これに対して国連のグテレス事務総長は、総選挙の結果を尊重するように求めた。
クーデターは軍が力ずくで政権を奪う出来事で、歴史でも出てくる重要用語。名称と起きた出来事くらいは押さえておくといいでしょう。また、ミャンマーも日本の歴史ではビルマとして登場してきており、社会と関連が深い国なので、場所も押さえておいた方がいいでしょう。
なお、アウンサンスー・チーはミャンマーを民主化に導いた活動家で、1991年にはノーベル平和賞を受賞。当時のミャンマー政府はスーチー氏が大統領になれないような法律まで作って軟禁、妨害しましたが、2011年には国軍主導とはいえ、民主化を達成し、事実上の政権トップになった人物。近年はロヒンギャと呼ばれるイスラム系少数民族に対する弾圧により、国際社会から非難されていました。
英語の教科書にはよく出てくる人物なので、概要くらいは知っておくといいでしょう。
緊急事態宣言 延長
2月2日:★
1月8日から発出された緊急事態宣言が、収まる気配がないまま2月7日の予定の期限を迎えることから、栃木県は解除し、その他10都府県は3月7日まで延長する方針を固めた。
2度目の緊急事態宣言が出されたものの、目標までは減少せず、延長となりそうです。緊急事態宣言が出された地域は押さえておきましょう。
東京・千葉・神奈川・埼玉・栃木・岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡
※栃木県は2月7日で解除。
森喜朗会長が女性蔑視発言で辞任
2月11日:☆
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗(もりよしろう)会長は、女性蔑視発言で世界中を騒がせた責任を取って、辞任する意向を固めた。
この時に森氏は後任を川渕氏にすると発言しましたが、なぜ引責辞任する人が後継を決めるんだとさらにバッシングを受けました。何かと問題発言ばかり繰り返す森氏ですが、これでも一応総理大臣経験者です。
なお、この後、橋本聖子氏が会長に就任することが決まり、独立性を保つために自民党を離党しました。何とも、今年は色々な意味で政治色が強いオリンピックとなりそうです。これはこれでトラブルの分だけ学ぶきっかけは増えますので、使える話題は使って子どもを賢くしていきましょう。
イタリア新首相 マリオ・ドラギ氏就任へ
2月13日:★★
イタリア大統領政府は、前欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)総裁であるマリオ・ドラギ氏が新首相に就任すると発表。ドラギ新首相は就任宣誓式に臨み、新内閣が発足した。
ドラギ新首相は2006年から2011年まで欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)で総裁を務めていたことでも知られ、スーパーマリオの愛称で親しまれています。総裁就任中「私を信じて欲しい」と発言し、大規模な量的金融緩和政策を推進、当時異例だったマイナス金利導入に踏み切りました。これにより債務危機から脱却できたため、財政難に陥っているイタリアを救済できないかと期待されて新首相になりました。
今後の活躍も楽しみですし、割と有名人なので、名前くらいは知っておいた方がいいでしょう。
トランプ元大統領の弾劾訴追 無罪判決
2月14日:☆
アメリカ連邦議会議事堂が1月6日に一時占拠された事件を扇動したとして弾劾訴追されたトランプ前大統領の弾劾裁判で、上院はトランプ氏を無罪とする評決を下した。これによりトランプ元大統領は、弾劾裁判にかけられた歴代3人目の大統領となり、史上初めて2回弾劾訴追された大統領、かつ退任後に弾劾訴追された史上初めての大統領となった。
良くも悪くも「初」を連発し続けたトランプ元大統領。最後の最後まで初を連発しましたね。良かったか悪かったかは今はまだわかりません。今後の歴史の中で評価されるものです。
さて、このニュース自体が時事問題になることはあまりないでしょう。しかし、「弾劾」という言葉は日本でも弾劾裁判があり、公民でもわかりにくい言葉の一つなので、ここで触れておいた方がいいでしょう。
弾劾というのは、犯罪や不正をはっきりさせて、責任を取るように求めることではありますが、公民では公務員のように身分を保証された職業についている人物を訴追して罷免もしくは処罰することを指します。
日本では裁判官に対して国会が弾劾裁判を用います。
新型コロナワクチン 国内初承認
2月14日:★
アメリカのファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンを厚生労働省が正式に承認。国内で初めての承認となった。ファイザー製のワクチンは昨年12月に申請をしており、異例のスピード承認となった。
なお、ファイザー製のワクチンはマイナス60~80度の超低温で保存する必要があり、国内でこの温度で輸送、管理できる場所は限られている。また、従来の製法とは異なり、遺伝子情報であるRNAを利用した初のワクチンとなる。
RNA(リボ核酸)というのは遺伝子情報の一つで、小中学校では出てきません。高校の生物で出てきます。簡単に説明するとDNA(デオキシリボ核酸)が情報そのもので、RNAがその情報を作ったり運んだりするためのもの、という感じです。
今回のワクチンは新型コロナウイルスに対応したRNAを投与することで、体内で直接新型コロナウイルスに耐性がある細胞を作ってしまおうというタイプのワクチンです。今までの実物から学習して免疫細胞を作り出させるタイプのワクチンとは異なります。
世界中が持てる技術を駆使して新型コロナウイルスに対抗しようとしているため、まだまだ様々な最新技術が飛び出すでしょう。仕組みまで詳しく知っている必要はありませんが、今後目にする可能性がある名前だけは触れておきたいところです。
コロナワクチン接種 国内初
2月17日:★
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が日本国内で開始された。最初に承認されたのはアメリカのファイザー製のワクチン。まずは医師や看護師といった医療関係者が優先的に摂取され、次に高齢者へと拡大していく予定。
やっとワクチン接種が始まりましたね。ニュースを見ていると日本は出遅れている感じがしますが、これでも相当早い方なのです。日本は新しいことをやるのに、あちこちで許可や賛成をもらってこないと進められない国ですからね。その最たる例が役所。前例がないものはやらないというのが徹底されている場所が数多く残っています。私自身も市の話し合いに参加したことがありますが、まぁヒドイたらいまわし。知らない、わからない、前例がない。他の部署で聞いてくれ。他の部署ってどこなんだって聞いても、わからない。みんな責任を取りたくないんですね。そんな状態の行政が、前例のないことをバシバシ決めていっているのですから、早い方というのもうなづけます。
さて、そんなワクチンですが、実はダントツで摂取割合が早くなっているのがイスラエル。すでに国民の50%近い人に打っているとのことで、世界中の注目を集めています。先頭を走るということは、副作用やトラブルのサンプルも集まりやすいですからね。中東問題で何かと暗い話題しか出てこないイスラエルですが、国の場所くらいは押さえておいてもいいでしょう。
⇒ 中東問題についてはこちら(^^)/
NASA火星探査車 着陸成功
2月19日:★
NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査車パーサビアランス(忍耐)が火星着陸に成功。今後、かつて湖があった場所の土壌を採取し、微生物などの生物の痕跡を探す。火星サンプルを地球へ持ち帰る史上初のミッションも行う予定。
アメリカの電気自動車会社のCEO、イーロンマスクが2020年代中に有人火星探査を実現すると発表し、火星に対する注目が高まっていますが、実は火星へ着陸した探査機は現在までに9機しかなく、未だにわからないことが多い惑星。人類が月面着陸をしてから50年以上経ちますが、月へもしばらく行っていませんでしたからね。
なお、月までの距離は約38万キロに対し、火星までの距離は最接近時でも7528万キロ!実に200倍近い距離です。日本でもJAXAが有人月探査を計画していると発表しましたので、今後月や火星に対するニュースや時事問題は増えてくるでしょう。ぜひ気にかけてみて、耳にしたら話題にしていって下さい。
少年法改正案を閣議決定
2月19日:☆
政府は事件を起こした18歳、19歳について、一定の厳罰化を図る少年法改正案を閣議決定した。来年4月に民法の成人年齢が18歳に引き下げられることに伴う見直しで、重大犯罪に関しては起訴されれば氏名や顔写真の報道が解禁される。
まだ閣議決定の段階なので、国会での成立はこれからですが、成人年齢を引き下げることで影響を受けるものの一つとして押さえておくといいでしょう。
ウーバー運転手は従業員 英最高裁
2月19日:☆
イギリスの最高裁は、アメリカの配車サービス・宅配大手のウーバーの運転手は契約者ではなく従業員として扱われるべきだという判断を示した。
雇用なのか、個人事業主なのか、新しい働き方だったため、制度がなく、労働者が不利益を被っている状態でした。これはイギリスの判断のため、日本ではまだそういった判決も出ておらず、ルールもありませんが、いずれ定まっていくでしょう。
働き方に関するものは、日本人は特に意識が低く、その環境が当たり前のものとして受け入れがちです。これに限らず、機を見て子どもたちに労働に関する話はしてあげるようにするといいでしょう。
自宅オンライン学習を特別授業扱いに
2月20日:☆
文部科学省は感染症拡大字や災害時の非常時に児童生徒が学校にいけない場合、自宅でのオンライン学習を特別授業として認める方針を打ち出した。昨年春から取ってきた対応が、今後も恒久的な扱いとなる。
新型コロナウイルスの影響でオンライン授業が一気に広まりましたが、不登校になっている子にも使えるツールなんですね。そして不登校になっている子は年々増加傾向に。まだネットを使いこなせる環境が整っていないという現状はありますが、感染症拡大の非常時に限らず、不登校対策としても効果的な活用を考えて欲しいところですね。
大坂なおみ 全豪オープン 2度目優勝
2月20日:☆
テニスの四大大会の1つ、全豪オープンで大坂なおみ選手が2年ぶりに2度目の優勝。昨年の全米オープンに続き2度目の優勝で、通算4度目の優勝となった。
スポーツの時事問題が出る中学生の定期テストでは名前を押さえておいた方がいいでしょう。
中国への危害射撃可能 政府説明
2月25日:☆
政府は自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、中国海警局の船が尖閣諸島へ接近・上陸を試みた場合は、重大凶悪犯罪とみなして危害を加える「危害射撃」が可能との見解を示した。政府が正当防衛、緊急避難以外で危害射撃ができると説明したのは初めて。
国際法上、他国の領域内であっても外国軍艦・公船には「主権免除」という、特別な法的地位が認められているが、国連海洋法条約では、領海内で無害でない通航を行う場合には必要な措置を取ることができるとしている。
今まで政府は、中国共産党が尖閣諸島へ上陸した際の対抗方法として、船をぶつけて進路を変える退去要求と、危害を加えない船体射撃を行うと発表していました。しかし中国共産党の行動はエスカレート。さらに領海侵入を常態化させることを宣言してきました。そこで一線を超えたらやるよ、という警告として今回の対策を発表したといったところでしょう。
おそらく今後もさらにエスカレートし、いずれは何かしら実際に衝突が起きるでしょう。そうなれば学校での扱いも変わり、時事問題としての重要性も一気に高まると考えられますので、中国共産党と日本の関係は早い内から意識しておくに越したことはありません。
ワクチン 高齢者は4月12日から
2月25日:☆
河野大臣は、新型コロナウイルスに対する高齢者のワクチン接種を4月12日から開始する方針を示した。
2月17日には医療従事者への先行接種が始まり、今回高齢者の摂取に対する見通しが発表されました。ワクチン関連の問題は様々な問題と絡めやすいため、優先順位や都道府県、ワクチンの仕組みといったことは簡単に押さえておくといいでしょう。
エアアジア・ジャパン 破産
2月25日:☆
LCC(格安航空会社)のエアアジア・ジャパンが破産。新型コロナウイルス流行により破産した航空会社は国内初。負債総額は217億円。
一般の会社に関することなので時事問題にはならないと思いますが、経済という意味では新型コロナウイルスの流行から破産に至る経緯は押さえておきましょう。
米軍がシリアを空爆
2月25日:☆
アメリカ国防総省はシリア東部の親イラン勢力の施設を空爆したと発表。イラクの駐留米軍施設が15日に攻撃されたことへの対抗措置だとしており、バイデン政権初の空爆となる。
中東問題は難しい問題で、教科書でもサラッとしか触れられていません。しかし難関中や中学校の定期テストでは題材として扱われることも多いため、国の位置関係と簡単な背景程度は押さえておいた方がいいでしょう。
NHK 契約逃れに割増金 閣議決定
2月26日:☆
テレビを設置しているにもかかわらずNHKに受信料を支払っていない世帯から割増金を徴収できる放送法改正案を閣議決定した。また、多額の余剰金に対して値下げをしていく仕組みもつくる。
どれだけ古い法律で現状に即していないとしても、法律として成立している以上は守らなければ違反になります。でも日本には法律を変えようと思えば変えられる仕組みがあります。しかしそのためには国民が自分の意見や考えを持つことが必要になります。社会に対する興味がなければ、その意見や考えも持つことができません。NHKについての法律を学ぶ必要まではありませんが、NHK関連の話題くらいは耳に入れておいてもいいでしょう。
男性の育児休暇取得促進 改正案を閣議決定
2月26日:☆
政府は男性の育児休暇取得を促進するための改革を盛り込んだ、育児・介護休業法と雇用保険法の改正案を閣議決定、2022年4月から取得を促すように義務付ける。これにより、産後8週間以内に合計4週間の休みを2回に分けて取得できるようにする。
法律と制度だけで言えば、日本の育児休暇制度は世界トップレベルなのですが、実際の取得率は先進国最低レベルという状態の是正を目指す改正案です。もはや日本人の文化というレベルで違法就労が当たり前になってしまっている現状に、政府がテコ入れする形となりそうですが、やはり本質はそもそも労働者が就労条件を知らなさすぎる、主張しなさすぎるのが原因なので、今の子どもたちが変わらないと、働き方もいつまでも変わらないでしょう。
なお、今回は閣議決定しただけで、成立したわけではないため、まだ時事性は低いでしょう。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項を押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。