ランナーズハイ
いつもは子どもに無理矢理勉強させるのは,あまり望ましくないという話をしていますが,本日はあえて無理矢理勉強させる方法についてお話ししてみましょう。
ランナーズハイという言葉はご存知でしょうか?
マラソンなどをしている時に,本当は辛いはずなのに,ある時を境に突然楽しくなってきたり,快感に感じてきたりするあれです。
これを勉強に応用する事ができるんですね。要するに,強制的に勉強させ続ければ,ある時を境に勉強が快楽となってやめられなくなるのです。
「そんなバカな事があるわけない!」
という方も多いのですが,コントロールが難しいだけで,PHIでは日常的によくあることなんですよ。
現にPHIの子どもたちの内,実に8割以上の子が勉強しなさいとは言われていません。
保護者の方々いわく,勝手に勉強している,勝手に勉強するようになったそうです。
でも元々は全然勉強してなかったという子が多かったですからね。
難しいことではありますが,うまくコントロールさえできれば勉強を快楽に変えることもできるのです。
強制を快楽に変える方法
ポイントは,
- やらざるを得ない状況に追い込むこと。
- やり出すまで妥協せずに追い詰めること。
- 追い詰めた後も監視し続けること。
- 勉強に楽しさを見出せる布石を打つこと。
- 恐怖心を与えること。
この5つです。
これだけ見ると拷問でもかけているのではないかという感じの恐ろしさを感じますが,私から言わせれば,感情に任せた追い詰め方の方が余程恐ろしい。
子どもを引きこもりや自殺に追い込んでしまう可能性もありますからね。
上記はあくまでコントロール下に置いた状態でのみできる方法です。こうしたらこうなるという予測の元,計画的に追い詰めていくのです。コントロールから外れたら,サッと手を引きます。危ないですから。
βエンドルフィン
ちょっと専門的な話になりますが,追い詰めると言うのは,βエンドルフィンという脳内麻薬を放出させるための手段なのです。
βエンドルフィンというのは楽しい事や嬉しい事など,感情が動かされた時に放出されるものです。この物質が快感を感じる元となります。
つまり,追い込むとは,勉強以外でβエンドルフィンを感じさせないように隔離する方法であり,勉強中にβエンドルフィンが放出されなければランナーズハイにはならないのです。
そこで重要なのが勉強に楽しさを見つけられる布石なのです。
これがなければせっかく勉強に打ち込ませてもβエンドルフィンは一向に出ません。
だから楽しみを与えるところまでを計画して追い込まなければならないのです。
チャンスは年1回あるかないか
そして一度失敗するとしばらくは使えません。だからチャンスは1年に一度っきりと思って徹底的に妥協せずに追い込むのです。
そして最後のツメが追い込んだ後の恐怖心。
これは何なのかと言うと,ノルアドレナリンを分泌させるために必要となります。
βエンドルフィンは快楽を与えると同時にリラックス効果を与えてしまうのです。
マラソンならそれで構いませんが,勉強においてリラックスは集中力の低下と記憶力の低下を招きます。
そこで恐怖心を与える事により,ノルアドレナリンを放出させ,集中力と記憶力を高めるのです。
諸刃の剣:ノルアドレナリン
ただしこれにも注意点があります。
怒られたことは記憶に残っていても,褒められた記憶は残っていないということありませんか?
これは怒られた時のストレスで放出されるノルアドレナリンが長期記憶に関係するためなのです。
この長期記憶は生命が生きていくための回避行動としての記憶なので,怒って育てると回避行動が性格のベースとなってしまいます。
つまり嘘や言い訳の能力が高くなるのです。
そのため,子どもが前向きに立ち向かっている状況でなければ絶対に怒って育てないように注意して下さい。
この方法は下準備がとても大変なのです。それを怠って始めてしまうと,後々取り返しのつかないことになってしまいます。
計画的に追い込めるなら「勉強しなさい!」は効果あり
PHIでも夏に毎年何人か仕掛けておりますが,半年ぐらいかけて計画を練っています。
そしてどれだけ時間をかけた計画でも,途中で外れればアッサリ手を引かなければなりません。
「勉強しなさい!」と言うのは簡単ですが,勉強に追い込むというのはそれだけリスクも伴う教育法でもあるのです。
真似して頂いて全然構いませんが,十分注意して行って下さいね。
もし親がご自身でできないようでしたら,やはり専門家に任せるのが一番でしょう。
PHIでは保護者向けに教育コンサルタントもしておりますので,どうしても怒ってしまってうまくいかないという方はご相談下さい。
子どもを直接教えなくても,保護者の方のメンタルと方針が安定すれば,子どもは変わるものです。
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