はじめに
沖縄の世界遺産,首里城が焼け落ちてしまいました。非常に残念なことではありますが,中学受験,高校受験,定期テストといったところでは時事性が高く,話題になりやすいため,押さえておくポイントを話しておこうと思います。以下の点がポイントとなりますが,全てを覚えさせる必要はありません。ニュースでも多くの情報が流れるでしょうから,それらに興味を持てるように,話題にしてあげられれば十分です。
首里城の場所
首里城は沖縄の那覇市にあります。沖縄に行ったことがあれば距離感が分かるかも知れませんが,地図上だけでしか沖縄を知らない子は,「沖縄は小さい!」としか思っていません。沖縄は結構縦長で,100kmぐらいあり,首里城はその南側にあります。地図で確認しておきましょう。
世界遺産としての首里城
2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として登録されました。構成遺産は次の9つです。
- 今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
- 座喜味城跡(ざきみじょうあと)
- 勝連城跡(かつれんじょうあと)
- 中城城跡(なかぐすくじょうあと)
- 首里城跡(しゅりじょうあと) ⇒ 守礼門は2千円札の図柄
- 園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
- 玉陵(たまうどぅん)
- 識名園(しきなえん)
- 斎場御嶽(せいふぁうたき)
これらは1か所に集中しているわけではなく,沖縄本土に点在しています。読み方が独特なのは沖縄の方言に由来するためです。ちなみに「グスク」とは「城」のことを指します。実は今回燃焼したのは正殿,北殿,南殿であり,これらは戦後(1992年)に再建された建物なので正確には世界遺産ではありません。世界遺産として登録されているのは,あくまで城壁の遺構,建物の基壇といった地下遺構だけになります。
琉球王国時代
琉球王国は1879年に明治政府により琉球処分がなされ,沖縄県として大日本帝国に編入されました。琉球が最初に記録として登場したのは607年,小野妹子が遣隋使として隋に行った時代です。少なくとも1300年以上続いていた琉球王国は,東南アジア,中国,朝鮮半島,日本と経済的,文化的な交流が行われており,グスク跡は琉球社会を象徴する遺跡で,琉球王国がなくなった現在でも信仰の対象となっています。
太平洋戦争から現在まで
1945年の沖縄戦で琉球王国時代の遺跡の大半は破壊されてしまいました。この時に首里城もアメリカの軍艦,ミシシッピから砲撃を受けて消失。その後琉球大学が跡地に置かれていましたが,1979年に大学を移転させて首里城を再建することに。1992年までには今回消失した正殿も再建され,首里城公園として開園しました。
実は首里城が初めて作られた時代はわかっておらず,わかっている範囲では,1543年に一度消失,さらに1660年にも2度目の消失。そして1709年にも今回と同じ正殿,北殿,南殿が消失しているため,今回で27年ぶり,5度目の消失ということになります。
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