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成績保証の落とし穴
例に挙げた相談者さんは20点保証でおなじみの森塾でしたが、ファイのオンライン授業には、森塾以外にも、城南コベッツ、トライの成績保証についての相談がよく寄せられます。
最近はこれ以外にも成績保証を掲げている塾が増えてきましたね。
やはり掲げるだけで売れるのでしょう。
相談が非常に多いので、成績保証についての正しい解釈の仕方をお話ししようと思います。
まず初めに、成績保証をうたっている塾で、成績が上がらなかった生徒の割合はわずか4%だという統計はご存知でしょうか。
4%ってすごくないですか?
そんなに成績上がるんだって思ってしまいますよね。
しかし当然それには裏があるのです。
実は成績保証の条件は、かなり緩く設定されているのです。
塾によっても様々ですが、1年以内だったり、1教科だけだったり、50点未満限定だったり、よくよく見るとガバガバな条件があります。
塾側はそれを達成しなければ返金になってしまいますから、それを達成するために一生懸命指導するようになります。
つまり、入会したばかりの返金対象になる生徒を優先的に見るように本部から指導されているのです。
一度でもクリアした生徒は、成績が下がっても規約違反にはなりません。
要するに保証対象外の子は放っておかれる可能性が高いのです。
成績保証で伸びるのは最初だけ
結局規約さえ満たせば返金されないため、常に新しく入ってくる子にエネルギーを奪われ、規約を満たした子は後回しにされる傾向にあります。
成績保証の塾で成績が下がったという話は実は割と多いのですが、長く通っているとこういう状況に置かれやすいためなんですね。
こういう方はみな口をそろえて「成績が上がらない」「伸びたのは最初だけ」と言います。
私の所に相談に来る方も、1年以上通っていた方が圧倒的に多いですね。
最初半年くらいで一気に伸びてくれたからそのまま通っていたけれど、すぐにまた元に戻ってしまって、また上がると思っていたけれど逆に急落したという感じです。
大体このサイクルが1年~1年半なのです。
そしてこのサイクルにはまって、最も困るのが中2の夏頃から入会した子です。
中2でうまくいったから、中3でもうまくいくと思って通わせていると、秋になって通用しなくなって急落。
そこで受講数を増やすことを提案されて、今さら塾を変えるわけにもいかず授業回数を増やし、課金競争の泥沼にはまっていく、といった感じです。
もちろん塾側もこれを狙ってやっています。
この時期に入った子は、受験まで駆け抜けるしかなく、やめるリスクが少なく搾取できるからです。
しかも受験さえ終わってしまえば、どんな結果でも納得せざるを得ないですからね。
そのため、広告宣伝でも、中2夏頃の子をターゲットに仕掛けています。
なので、成績保証の塾に関して言えば、基本的には中2以降に入るのはおすすめしません。
一番コストパフォーマンスが高いのは、中1の夏頃でしょう。
成績保証の塾で保証できない所=伸ばせない所
また、ある程度の成績を取っている子は成績を保証していません。
これは例外なく保証していません。
そして成績保証制度がある塾はどこも同じことを言います。
「平均以上取っている子の成績を上げる保証なんてしたらやっていけない。」
言いかえると「平均以上の成績を取っている子を伸ばす指導はできない」と塾自身が認めているも同然なのです。
よく考えて頂ければわかると思いますが、中学受験の塾で成績保証なんてやっている塾はどこにもないんですよ。
基本的に普通の公立の小学校に通っている子よりもレベルが高く、その中での争いになるため成績保証を掲げても保証できない可能性が高いからです。
1教科でも伸びれば、他の教科は関係ない
また、1教科に集中するので、他の教科はなおざりになるというのも、よくある傾向です。
保証するのは受講してもらった科目だけですから、受講していない科目を犠牲にしても塾としては問題ないのです。
例えば数学を受講している子は、塾にとってお客なのは数学であって英語ではないのです。
よって英語の勉強時間を奪って、受講している数学に力を入れてしまうことが多いのです。
でも英語は下がっても、数学だけ上がれば目標はクリアしたことになるので、塾としてはノルマ達成です。
問題ありません。
もちろん数学は上がっているので、「英語も受講しましょう!」という事ができるというわけです。
だから、科目間で点数がシーソーになるだけなのです。
どう使うか、が大切
もちろん成績保証は悪い事ばかりではありません。
あまりに広告に踊らされて相談にいらっしゃる方が多いため、多くの方が盲目になっている部分についてお話しましたが、1教科であれ、たった1回であれ、伸びる可能性が高いのは確かです。
苦手な教科に絞って伸ばすのもいいですし、自信になればその先は自分で頑張って伸びる可能性も出てきます。
成績保証の塾でもすばらしい教室長はいらっしゃいますので、そういう所はムラなく指導してくれる教室もあるでしょう。
大切なのはオーナーの方針を見極めることです。
雇われ塾長ではなく、オーナーです。
オーナーの考え方で、その教室の指導方針は決まりますからね。
なので、おすすめは、オーナー自身が塾長をやっている教室でしょう。
オーナーが顔を出さず、教室長に任せている塾は、システム通りなので搾取される可能性が高いでしょう。
だから最初から伸ばすきっかけとして使って、その後は伸びなければさっさと他の塾に変える想定をしておくことも必要なのです。
成績保証とはその塾の強みをハッキリと表していることになると同時に、パワーバンドを外れた部分は弱みになっていると明言していることでもあるのです。
もちろん広告には書いていませんけどね。
成績保証のメリットと裏を、しっかりと見極める、その部分をカバーできるように想定した上で入会することが大切です。
ファイのオンライン授業では成績保証しません
「ファイさんは成績保証しないんですか?」
とよく聞かれるのでお答えしておきますと、ファイのオンライン授業では成績保証をしません。
そもそもテストや合格を目的としていないからです。
よく「伸ばせますか?」「上げられますか?」「合格できますか?」といったことを聞かれますが、「約束はできません」とハッキリ申し上げています。
私の指導は親の関わり方も大きな影響を及ぼしますからね。
そして何より、子どもが進む方向が、必ずしも科目として評価されるものとは限りません。
スポーツや芸術に進む子もいます。
どちらかというと、自分がやりたいことをやっていく中で、自分に合った勉強のやり方を身に着けた結果、成績も上がった、合格した、というだけです。
ハッキリ言ってしまえば副産物ですね。
もちろん成績も取れるに越したことはないので、結びつける工夫もしています。
自然に任せるよりは成功率が高いのは間違いないでしょう。
そういう意味では伸ばす自信がないわけではありません。
単に成績なんて保証するものではないと考えているからです。
親が望んだ道を進むことを保証するようなものですからね。
もちろん本人が成績を上げることを目的として入りたいのなら構いません。
教育とは、子どもの考え方や勉強法の治療であり、子どもへの投資です。
治る事を保証する医者がいますか?
絶対儲かる事を保証してくれる証券会社などありますか?
絶対儲かる話なんて、むしろ怪しいじゃないですか。
冷静に考えれば怪しいのに、いかにも正しいかのように感じてしまう。
なんかちょっとおかしな教育を求めるのが当たり前になってきているなぁと感じています。
長い目で見て自分で勉強できるようになり,勝手に伸びていくことを目指す。
それがファイのオンライン授業です。
ファイの最大のリスク
ファイの最大のリスクは、成績や点数に振り回されると、破綻する可能性が高いことです。
本質的な部分から徹底的に改善を試みるので、とにかく時間がかかるのです。
そのため、テストや模試を受けると、親はどうしても数字に振り回されがち。
どこまで自分の子どもを信じて、伸びている部分を見つけてあげられるかがカギとなります。
成績が上がらず、不安になるのをこらえ、励まし、乗り切るのは本当に大変です。
しかしその分、一般的な塾よりも、明らかに優位性がある結果が出ています。
合格可能性が20%未満からギリギリの合格をしているにもかかわらず、進学先でも伸び続ける子が多いことがそれを証明しています。
しかもその割合は約8割です。
くりかえしますが、これは狙ったものでも何でもありません。
テスト対策はもちろん、受験対策すらしていない子ばかりですからね。
テスト前だろうと、受験前だろうと、全然関係ないことばかりやっています。
頑張ったのは子ども自身であり、その親です。
私はそれらがうまく行くようにサポートしたに過ぎません。
月1万円から勉強や親子関係に関するアドバイスをしています。
やらせるのではなく、やる子にしたい方はご相談下さい。
「成績保証のある森塾に入れましたが、伸びたのは最初だけで、あとは低迷しています。チラシではあれだけ伸びた伸びたと言っていますが、周りの友達に聞いてもみんな同じ状況なようです。とはいえ、本人は楽しいと言って通っており、これから受験学年になるにあたり、このままでいいのか不安です。」
森塾 中2 母