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まとめとは参考書をつくることじゃない!
今回は小学生、中学生でやりがちな、まとめノートの話。
ほとんどの塾で推奨されていながら、管理しきれず放置されているのが解き直しとまとめ。
子どもの勉強を管理している親ならやらせていることと思いますが、この直し、ただまとめさせればいいというものではないのです。
例えばまさに相談者さんが言われた、
「解答解説を読んで、それをまとめておきなさい。」
という指示。
これをやると一見しっかり勉強してそうに見えるのですが、実は意味がないのです。
実際にファイのオンライン授業に入ってきたばかりの子のまとめを見てみましょう。
例えばこんな問題。
選択肢の出来事を年代順に並び替えなさい。
選択肢の出来事を年代順に並び替えろという問題です。
選択肢は、
- 日中平和友好条約
- 日ソ共同宣言
- 日米安全保障条約
- 日韓基本条約
の4つ。
これを解けるようにするために年号を覚えなければならないと思うのは古い勉強の考え方です。
今の時代、そんな勉強の仕方をしません。
解説には年号とどんな内容かが書かれていたので、放っておくと上の例のようにまとめてしまうんですね。
一見しっかりまとめられているように見えますが、これだと丸暗記するしか方法がない、発展性がない勉強方法なのです。
ファイの子はこれをこのようにまとめます。
オンライン授業の塾生は、流れを理解してまとめる
実際にファイのオンライン授業の塾生がまとめたノートを見て見ましょう。
これは先程と全く同じ問題を、ファイのオンライン授業で2年以上指導している子がまとめたノートです。
決定的な違いがわかりますか?
年号が書かれていないのです。
このように勉強できる子は、年号なんて覚えていなくても並び替えは解けるんですね。
実際にこの問題を用いて、ちょっとどういうことか解説してみましょう。
この条約の順序というのは、戦争終結後の各国の動きが分かっていれば答えられる問題なのです。
つまり言い換えると、仲良くなったのはどの国順か、という問題なのです。
登場してくるのは中国、ソ連、アメリカ、韓国の4カ国。
このうち一番最初に条約を結んだのはどこだと思いますか?
そう、アメリカです。
理由はおわかりになりますか?
年号の並び替えの問題は、年号を覚える問題ではない!
アメリカは第二次世界大戦中に原爆を投下し、戦後GHQによって日本を占領した国ですね。
そして日本を戦争ができない国にし、資本主義へと導きました。
つまり、アメリカが日本のルールの基盤を作った国なので、そう考えると一番最初に条約を結んだはず、とたどりつくのです。
次にソ連と条約を結ぶことで、国交を回復し、ソ連のお墨付きを得て国際連合に参加することになります。
これもなぜソ連なのでしょうか。
韓国は戦後朝鮮戦争に突入し、中国はまだ国力が弱く、ソ連のご機嫌を取る国だったためです。
そしてソ連は戦後について話し合ったヤルタ会談に参加していた、世界のリーダー的な国の1つです。
さて残りは2つ。
ここで同盟関係を思い出してもらいます。
そもそも朝鮮半島は日本が撤退した後に、北緯38度を境としてソ連寄りの考えを持たせた北朝鮮と、アメリカ寄りの考えを持たせた大韓民国に分けられました。
つまり、韓国は日本と同じく、アメリカによって内政が作られた国の1つなんですね。
よって朝鮮戦争が起こってしまったこともあり、アメリカは日本と韓国の手を結ばせる必要があったのです。
最後は中国。
当時の中国は独断で決められるほどの国力がなかったため、ソ連が日本と共同宣言を出したことで、「なら中国も」という流れを取ったのです。
もしソ連を無視して真っ先に日本と条約を結ぼうものなら、ソ連から絶縁宣言されてもおかしくありません。
以上の関係が分かっていれば、年号なんて知らなくても簡単に並び替えができてしまうのです。
結局暗記じゃないか、と思うかも知れませんが、それはここだけ切り取って見ているからです。
この力関係は歴史上の出来事ではなく、今現在も続いている関係なんですね。
つまり、国際問題の話題が出ればこの3カ国の関係に話は行きつく。
今もトランプさんが中国とロシア(旧ソ連)を敵対視して攻撃しているでしょう?
「りんご」や「みかん」という単語を「暗記した!」とは言わないのと同じで、常識的な世界情勢の感覚を持ってさえいれば、社会は解けるようになるのです。
社会が暗記科目だった時代はもう古い!大切なのは関連性を把握する力
年号に限らず、社会が暗記科目だった時代はもう過去です。
実際年号を答えさせる問題は以前と比べても劇的に減りました。
問題集として一問一答をやっている塾はいまだに多数ありますが、それも今後は一定数を残して減っていくことでしょう。
なぜなら問われることがなくなっていくからです。
オンライン授業では、年号を暗記させないどころか、ほとんどのものを暗記させません。
しかし問題は解けてしまうのです。
しかも何度も練習することなく、1度や2度のまとめ程度の勉強で。
これは上記のような、覚えない勉強をしているからに他なりません。
今回は社会の年号で紹介しましたが、理科も社会も基本的には同じスタンスで勉強することができます。
細かいことを言えば、単元に合わせて、もっというと子どもによって合う勉強方法、合わない勉強方法があるので、そこまで合わせていくのがベスト。
そこまでやれなくても、勉強の仕方をこのように覚えないやり方に変えていくことで、負担が減るだけではなく、知識量も大幅に増え、解ける問題が増えていくのです。
他塾でついていけなくなってファイへ来た子が、劇的に改善して合格していってしまうのはこういう所にも秘密があるんですね。
「このままではまずい!暗記に走ってオーバーフローしてる!」
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あなたのお子様に合う勉強方法はどういう方法か、学習法診断をすることもできますので、ぜひご利用下さい。
「まとめはしているのですが、ただテキストを写しているだけな気がします。実際テストでも点が取れません。塾に勉強の仕方を相談したこともあったのですが、『解答解説をしっかり読んでまとめて』だけでした。それをやっても全然覚えられませんし、成績も上がりません。まとめってどうやればいいのでしょうか?」
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