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中学受験に関係するホタルの基礎知識
ホタルは中学受験で重要?
中学受験の問題を解いている子が聞いてきました。
確かに今の子は、ホタルを見に行かなければ縁がない生き物になってしまいましたね。
あなたはホタルは見た事ありますか?
以前(1950年代)はそこかしこの川で見られたらしいのですが、今では山の中の自然が残っているところや、保護されている地区でしか見る事ができません。
そのためホタルを実際に見たことがない子が多いのです。
しかし、中学受験にはホタルは出てきます。
そんなに必須と言われる程ではありませんが、一度くらいは実際に見ておく機会があってもいいでしょう。
テキストの写真で見てもなんだかわかりませんし、光ってる姿は見られても飛んでいる姿は見られません。
YouTubeがあるじゃん、と思いますが、カメラでは肉眼で見るのと全然異なります。
やっぱり自分の目で見るに限るでしょう。
そんなわけで、ホタルについての授業を行ったので、授業内容の紹介をしておきます。
ホタルってどういう生き物?
絵本でもご存じの通り、ホタルとはお尻のあたりが黄色く蛍光色に光る昆虫です。
ホタルというと有名なのは、
- ゲンジボタル(15mmぐらい)
- ヘイケボタル(8mmぐらい)
ですが、実は日本だけでも50種類、世界では2,000種以上もいます。
そしてホタルは完全変態の昆虫です。
完全変態というのはさなぎになる昆虫ですね。
つまり、幼虫の時は全く異なる形をしています。
完全変態で代表的な昆虫は,
- 甲虫(カブトムシ,クワガタムシ,カナブン,コガネムシなど)
- チョウ
- ハエ
- ハチ
- アリ
- カ(蚊)
ですね。
ホタルは背中(羽)が固いので、甲虫に属します。
ホタルはいつ光る?
ホタルが光る時期は、
- ゲンジボタル : 5月下旬~6月下旬
- ヘイケボタル : 7月~8月
ということで、ゴールデンウィーク開けから夏休み前半にかけての時期にホタルは光っているはずです。
種類によっても光る時期が違いますので、目当ての場所がある方は注意して下さいね。
なお、ホタルは成虫しか光らないと思っている方も多いのですが、幼虫も光ります。
むしろ光るのは夜行性のホタルだけで、昼行性のホタルは光りません。
また、冬の時期は出てこないので光っていません。
ちょっと考えればわかることだと思いますが、意外と間違った思い込みをしている子も多いものです。
子どもが考えるきっかけにしても面白いですね。
光る時間は何時頃?
ゲンジボタルとヘイケボタルが発光する時間帯は大きく3回あり、
- 1回目 : 20~21時
- 2回目 : 23時
- 3回目 : 深夜2時
あくまで光りやすいというだけで、絶対この時間帯でなければいけない訳ではありません。
この時間帯を目安にいくといいでしょう。
と言っても、子どもを連れていくなら1回目の20~21時が限界ですね(^^;
ホタルはなぜ減少した?
さて、ここからがホタルを見ることで子どもと考えて頂きたいところです。
ホタルはなぜ減少したのでしょうか?
1982年に環境庁によって行われてた調査、報告書によると、その原因は、
- 環境悪化
- 環境破壊
- 異常気象
- 光害
- ホタル鑑賞者のマナー
- ホタル養殖販売業者による乱獲
となりました。
1、2の環境悪化、環境破壊というのは、主に川の水(水質)の悪化です。
ホタルは綺麗な水辺にしか生育できないため、川の水(水質)が悪化した事により生息場所が減少したという訳です。
この水というのは相当綺麗でないと住めないらしく、見た目を綺麗に整えた川程度では生きていけないそうです。
それゆえ、ホタル保護区に指定されている公園は、水質管理が相当しっかりされています。
そしてこの保護された地域を出たホタルは外で繁殖できないとのこと。
3の異常気象は様々な原因をはらんだ結果なので割愛。
4の光害とはなんでしょう?
ホタルは遊びでおしりを光らせている訳ではありません。
様々な説がありますが、この時期に光るのは求愛行動と言われています。
あの光を頼りにパートナーを見つけるので、星や月明かりよりも明るい光があると目がくらんでしまうのです。
そのため,パートナーを見つける事ができずに繁殖できません。
夜でも明るい首都圏にホタルが自生できないのもうなづけますね。
最後の観察者のマナーは見に行く方のマナーです。
ホタルをスマホで写真に撮ろうなどと思ってはいけません。
ディスプレイやバックライトですら、ホタルにとってはまぶしすぎるくらいです。
また、綺麗だからと捕まえてもいけません。
連れて帰っても、生きられるのは数日です。
ホタルの生息地でスマホを出してはいけません!
バックライトはホタルにはまぶしすぎて、ホタルを混乱させます。
ホタルはどこで見られる?
それでは最後にホタルの見られる場所を紹介します。
ファイの塾生は千葉、東京、埼玉、神奈川に多いので、その辺りで見られる場所を紹介しておきます。
動物園にもホタルはいますが、できれば夜の公園のホタルがいいでしょう。
ホタルが生育している環境がどういう環境なのか、どれだけ真っ暗な場所なのか、肌で感じられますからね。
またホタルはあまり広範囲に分布していません。
見られる場所とはいってもテーマパークみたいに広い訳ではなく、公園の片隅程度の広さの場所がほとんどです。
そのため他の見る人達とバッティングして混雑する事も多いと思いますが、静かに、マナーを守って、みんなで仲良く見て下さいね。
なお、最新の情報は各施設の案内を直接ご覧ください。
これはあくまで過去に見られた場所と時期の目安です。
千葉県
- 泉谷公園(千葉市緑区) 5月下旬~6月上旬 ← 蘇我オススメ
- 清和ほたるの里(君津) 6月上旬~7月上旬
- ロマンの森共和国(君津) 6月上旬~7月上旬
- 白浜フラワーパーク(南房総市) 5月中旬~6月下旬
- 船橋運動公園(船橋) 6月上旬 ← 浦安・市川・船橋地区オススメ
※2024年は6月6日~10日の19時30分~21時まで - 市川市動植物園(市川) 7月下旬~8月上旬 ← 浦安・市川・船橋地区オススメ
- 源氏ぼたるの里(いすみ市) 5月下旬~6月中旬
東京都
- 天の川蛍祭(港区) 7月上旬
- おとめ山公園(新宿区) 7月上旬~中旬
- ホテル椿山荘東京(文京区) 5月下旬~7月中旬
- ほたる観賞の夕べ(墨田区) 7月上旬
- Q.E.D. CLUB 螢の夕べ(目黒区) 5月下旬~7月中旬
- せたがやホタル祭りとサギ草市(世田谷区) 7月中旬~下旬
- 足立区生物園(足立区) 6月上旬~中旬
- 夕やけ小やけふれあいの里(八王子市) 6月上旬~中旬
- 岩蔵温泉郷(青梅市) 6月下旬~7月中旬
- 昭和の森 車屋(昭島市) 7月上旬
- ほたる公園玉川上水青梅橋付近(福生市) 6月中旬~下旬
- よみうりランド聖地公園(稲城市) 6月中旬~下旬
- 養沢川周辺(あきる野市) 6月下旬~7月中旬
- 平井川(日の出町) 6月下旬~7月中旬
神奈川
- 寺家ふるさと村(横浜市) 5月下旬~6月下旬
- 県立座間谷戸山公園(座間市) 6月中
- 厳島湿生公園(足柄上郡) 5月中旬~6月上旬
- 箱根湯本 ほたる公園(足柄下郡) 5月下旬~6月中旬
- 万葉公園(足柄下郡) 6月上旬
気を付けて行ってきて下さい(^^)/
「先生、ホタルってどこにいるの?光ってる虫とか見たことないんだけど…」