箸の中には点がある
丸暗記型の勉強をしている子は気に留めないけど…
さて、今回も塾生からの質問にお答えしたいと思います。
一見受験とは関係なさそうですが、こういう所に気付けるかどうかは、勉強の資質が現れてくるところなので、子どもが気付いたら付き合ってあげて下さい。
自分から気付くのがいいのですが、放っておくと気付かなそうなら、親がきっかけを与えていく必要があります。
「箸」なんて、箸を持ったことがない子以外ならいくらでも目にする機会はあるでしょうから、丸暗記の勉強をさせていなければ、いつかきっかけが巡ってきます。
「箸」という漢字、ご存知ですか?
実はこの「箸」という漢字、よく見ると「者」の中に点が入っているのです。
者の中の「日」の上にちょこんと。
携帯で「箸」と変換することはあっても、手書きで「箸」と書くことは少なく、気づかない人も多いかも知れません。
ね、入っているでしょう?
実は「者」にも点があるものがある!?
「『者』っていう漢字の中に点が入っている漢字を見たのですが、あれはなんですか?あんな漢字あるんですか?」
という質問も頂きました。
どうやらおばあさんが書いた漢字の中にあったとのこと。
そんなものよく見つけましたね(笑)
実は「者」という単体の漢字にも点が入っていたのです。
旧字体というものですね。
そのため、旧字体で漢字を学んだ世代は点を打つ方が普通になっているのです。
旧字体ってなに?
旧字体とは、1946年まで使われていた漢字。
1946年と言えば、日本国憲法が公布された年。
そして原子爆弾を落とされて第二次世界大戦(太平洋戦争)が終戦した年。
つまり新字体というのは、戦争終結と共にGHQにより様々な改革が行われたものの1つなのです。
しかしなぜ旧字体から新字体へ変更したのでしょうか。
実は以前から漢字の複雑さが教育する上で障害になっていた、複雑すぎて外国人が理解できず、暗号めいた文字になっていたため、と言われています。
そのため漢字廃止論まで出て来て、その一環として難しい漢字を廃止、簡略化して漢字そのものを減らしました。
それが「常用漢字」というもので、「者」の中の点が消えたのもこの時です。
ところが、「者」が入る漢字、例えば「箸」や「賭」は常用漢字には追加されなかったため、旧字体のまま残ってしまった。
そのため点が入る字と点が入らない字が混在することになってしまったのです。
その後平成22年の常用漢字に「箸」と「賭」は加えられたのですが、以前まであった漢字廃止論はなくなったため、旧字体そのままの字体で載ることになりました。
だから常用漢字表では点を付けた字が掲載されているのです。
なお、パソコン環境などにより点が出ない字体となっているケースもあるため、点はつけてもつけなくてもよい、という資料が添付されています。
よって、
一応常用漢字には点がついているが、つけなくてもよい
というのが結論になります。
受験には必要ない漢字ですが、漢字の歴史を知ることは、受験勉強にも通じてきます。
特に中学受験においては漢字や熟語の成り立ちが問われる学校も。
ひたすら書かせてただの記号として覚えさせるのではなく、意味を理解して点に結び付くように勉強させてあげて下さいね。
もしご家庭で子どもの興味をうまく勉強につなげられないようでしたら、学習アドバイザーを行っていますので、ぜひご利用下さい。
「声かけに悩まなくなりました!」
と大好評です(^^)/