目次
- 1 ソユーズ打ち上げ成功「ISS無人化」回避へ
- 2 流行語大賞「そだねー」が大賞
- 3 水道法改正 水道事業民営化へ
- 4 防衛省サイバー攻撃に反撃可能に
- 5 NASA探査機 小惑星に到着
- 6 平成に代わる新元号 4月1日以降に公表へ
- 7 東京の「木枯らし1号」発表なし 39年ぶり5度目
- 8 ソフトバンク、全国で通信障害
- 9 「栄光」の個別塾講師、過労死で労災認定
- 10 10連休法が成立
- 11 政府新規13法案,すべて成立
- 12 増税対策で社会保障費が34兆円に
- 13 携帯大手3社が中国製品除外へ
- 14 犬猫販売年齢引き上げ,幼い方が売れると反対論も
- 15 本庶佑 羽織はかま姿で受賞
- 16 今年の漢字が決定 「災」
- 17 妊婦加算 一時凍結
- 18 病院・学校・役所の屋内全面禁煙 来年7月から
- 19 徹夜国会の「コスト」公表へ
- 20 改正入管法で外国人材拡大
- 21 国内出生数 最少92万人
- 22 日本政府がIWC脱退表明
- 23 無償化に年1.5兆円 幼児・高等教育の方針決定
ソユーズ打ち上げ成功「ISS無人化」回避へ
12月3日:★
ロシアのソユーズロケットがカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。
ソユーズロケットとはロシアが開発した打ち上げ成功率のとても高い信頼性のあるロケットです。ソユーズとは「結合」「同盟」という意味のロシア語。ISS(International Space Station)とは国際宇宙ステーションのことです。地上から約400km上空に建設された有人実験施設で、1周約90分で地球の周りを回りながら研究、地球や天体の観測を行っています。
流行語大賞「そだねー」が大賞
12月3日:★
「2018ユーキャン新語・流行語大賞」で,平昌(ピョンチャン)冬季五輪のカーリング女子日本代表で銅メダルを獲得した「ロコ・ソラーレ(LS北見)」のチームメンバーが試合中に発して話題となった「そだねー」が年間大賞に選ばれた。
新語・流行語大賞は「現代用語の基礎知識」の収録語を中心に編集部などで候補語を選出します。サービス問題として出されることも多いため,聞かれたら答えられるようにはしておきましょう。
水道法改正 水道事業民営化へ
12月4日:★
自治体が水道事業の認可を受けたまま,運営権を民間企業に委託するコンセッション方式の促進を盛り込んだ水道法改正案は4日の参院厚生労働委員会で可決された。5日の参院本会議で可決され,衆院の審議を経て今国会で成立する見通し。
水道インフラの老朽化のため,新しくしなければいけないが,公営のままではコストがかかりすぎて行えません。そこで民間の力を借りて,競争させることでコスト削減しようとしています。しかし民営化すると利益を優先されて価格が上昇したり,コストカットで水質悪化を招く恐れがあると言われてりしています。また,人口が少ない都市では間違いなく採算割れしてしまい,事業撤退(水道廃止)にも繋がりかねません。
防衛省サイバー攻撃に反撃可能に
12月4日:☆
防衛省は,サイバー空間で攻撃を受けた際の自衛隊の反撃について武力行使の3要件を満たせば可能だとの認識を改めて示した。
武力行使の3要件とは
- わが国に対する武力攻撃が発生したこと,またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これによりわが国の存立が脅かされ,国民の生命,自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること(要するに日本もしくは有効な関係の国が攻撃されて,危険が及ぶ可能性があること)。
- これを排除し,わが国の存立を全うし,国民を守るために他に適当な手段がないこと。
- 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。
です。サイバー攻撃には国際的にも定義が決まっておらず,グレーゾーンといえるところが大きいので個別具体的な判断が中心になるとのことです。
NASA探査機 小惑星に到着
12月4日:★
米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「オシリス・レックス」が米東部時間3日昼ごろ(日本時間4日未明),地球と火星の間にある目的地の小惑星「ベンヌ」上空に到着した。
2020年に小惑星「りゅうぐう」から帰還する計画の日本のはやぶさ2とは兄弟プロジェクトと言える関係で,調査主任ダンテ・ロレッタ・アリゾナ大教授は米メディアに「はやぶさ2とはデータ交換などで協力し合うことになる」と話しています。ちなみにオシリス・レックスはニュー・フロンティア計画の一環として打ち上げられました。調査する惑星のベンヌは45億年前の誕生時から,組成がほとんど変わっていないと考えられているので新たな発見に期待がかかっています。小惑星や探査機の名前は押さえておきましょう。
平成に代わる新元号 4月1日以降に公表へ
12月5日:☆
政府は来年5月の改元に向けて新しい元号を,4月1日以降に発表する方針。
天皇一代に元号一つを定める「一世一元」を重んじ,5月1日の皇太子さまの即位後に発表すべきと主張されていた一方で、新たな元号に伴う官公庁などのシステム変更をスムーズに行うためには1か月ほど必要だとして元号が変わる5月1日よりも前の新元号の発表が検討されてきました。時事性は非常に高いため,連休の動きについても以前触れたものと合わせて見ておくといいでしょう。
東京の「木枯らし1号」発表なし 39年ぶり5度目
12月5日:★
気象庁は冬の訪れを告げる木枯らし1号が今年は観測されなかったと発表。
東京で観測されないのは1979年以来39年ぶりで,統計を始めた1951年以降では5回目となりました。木枯らし1号とは,西高東低の冬型の気圧配置となり,その年初めて吹く北よりの強い風(季節風)の事で,東京地方と近畿地方でのみ発表されます。東京地方では10月半ばから11月末までの間に冬型の気圧配置となって,北よりの風速8メートル以上の風が吹くと,気象庁はその風を「木枯らし」と認定し,最初の木枯らしを木枯らし1号として発表しています。東京地方と近畿地方ではそれぞれ基準や条件が異なり,近畿地方の期間は霜降(10月23日ごろ)から冬至(12月22日ごろ)であり,東京地方の木枯らし1号の対象期間と違いがあります。
この時期のテストで気象を扱う学校も多いため,季節風や気圧配置など,理科の授業で扱う内容なのでどのようなものだったか押さえておきましょう。
ソフトバンク、全国で通信障害
12月6日:☆
ソフトバンクが全国で提供するサービスで,6日の午後1時39分以降に大規模な通信障害が発生。
ソフトバンク社の中でも最大規模の通信障害で,原因はほかの通信事業者の回線に中継する交換機の不具合。契約者全体という影響人数の多さと復旧まで4時間あまりという時間から,総務省は重大事故と判断。これ自体の時事性は高くありませんが,携帯電話や通信網が突然使えなくなった場合,家族間でどう対処していくか,仕事はどうなるのか,といったインフラに対する意識や重要性は社会で度々話題になります。
「栄光」の個別塾講師、過労死で労災認定
12月7日:☆
進学塾「栄光ゼミナール」で知られる株式会社栄光で働いていた男性が,長時間労働で死亡したとして労災認定された。
過労死(karoshi:英語にもなっています)とは長い間残業や休みなしの勤務を強いられる結果,精神的・肉体的負担で脳溢血や心臓まひで突然死することです。学校の先生にも言えることですが,先生の働く現場は過酷にもかかわらず,「子どものため」という精神論だけで無理を強いられています。先日もとある学校の理事長と話をする機会があったのですが,平然と労働基準法違反の現状を開き直り,嫌ならやめればいいという労働者を馬鹿にした発言をしているのを耳にしました。恐ろしいことに子どものためと言えば何でも通用すると思っており,トップ(経営者側)がこのような考えを持っている教育現場は少なくないのが現状なのです。日本の教育現場に「自分のため」を充実させることが,結果的に「子どものため」にもなるということが浸透するには時間がかかりそうですね。
10連休法が成立
12月8日:☆
皇太子さまが新天皇に即位される来年5月1日と,新天皇即位を公に示す「即位礼正殿の儀」が行われる同10月22日を祝日とする法律が参院本会議で,賛成多数で可決,成立した。祝日法の規定により,来年4月27日から5月6日まで10連休となる。
この法案の狙いは,国民の祝賀ムードを高めることです。祝日法では祝日に挟まれた日を休日にすると定められているので,連休の真ん中の5月1日が祝日になると,4月30日と5月2日が休日となります。以前まとめた記事も併せてみておきましょう。
政府新規13法案,すべて成立
12月10日:★★
第197臨時国会では,最大の焦点だった外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法など,政府が新規に提出した13本全てが成立した。
13法案は
- 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案
- 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案
- 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
- 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
- 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案
- 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
- 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
- 漁業法等の一部を改正する等の法律案
- 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案
- 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
- 食品表示法の一部を改正する法律案
- 地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙等の期日等の臨時特例に関する法律案
- 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案
です。成立率100%は2008年1月の臨時国会以来で,日程を考慮して絞り込んだことが奏功したといわれています。全て覚える必要はありませんが,法案名を話して「あぁあれか」と思い浮かばない場合は,PHIの過去の時事問題を見直しておきましょう。
増税対策で社会保障費が34兆円に
12月10日:★
政府の2019年度予算案で,医療や介護などの社会保障費が34兆円台に達し,過去最高を更新することがわかった。
高齢化に伴う伸びの5000億円程度,幼児教育無償化などの社会保障充実策が1兆円程度盛り込まれることが影響しています。歳出全体の3分の1を占めているので,大きな問題となっています。非常に複雑でわかりにくいものですが,具体例を知っているだけでぐっと飲み込みやすくなります。身近な社会保障費にはどのようなものがあるか,話題に触れておくといいでしょう。
携帯大手3社が中国製品除外へ
12月10日:☆
携帯電話大手3社が基地局などの通信設備から中国大手の製品を除外する方針を固めた。日本政府が情報漏洩や安全保障上のリスクを懸念して,現在使用中の機器に加えて次世代規格の第5世代移動通信システムへの採用も見送ることになったため。
時事性は低い問題ですが,なぜ中国製品を取り入れると危険だと考えられるのか,中国の一党独裁制,共産党の考え方や政治手法に着目して話せれば立派。ぜひ子どもに問いかけてみて下さい。
犬猫販売年齢引き上げ,幼い方が売れると反対論も
12月11日:☆
犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟は動物愛護法改正案の骨子をまとめ,来年の通常国会に議員立法で提出する方針。
子犬・子猫を販売できる年齢を,現状の「生後49日を経過してから」から,56日に引き上げることや所有者を明示するマイクロチップ装着の制度化などが盛り込ました。販売年齢の引き上げは,子犬などを早い時期に親から引き離すと問題行動を起こし,飼い主からの虐待や遺棄につながると考えられたからです。しかし,幼い方が売れるためペット業界などから反対意見があります。命の価格と天秤にかけるのはなかなか難しい問題ですが,難関と言われる学校ほど,命に関する話題や考え方を問われることが多くなります。時事性は低いのですが,話題にしていけるといいでしょう。
本庶佑 羽織はかま姿で受賞
12月11日:★★★
京都大の本庶佑特別教授が,ストックホルムであったノーベル医学生理学賞の授賞式に参列。
本庶さんの研究をもとに開発されたがん治療薬「オプジーボ」は,異物を攻撃する免疫のしくみを利用し,免疫ががんを攻撃し続けられるようにするものです。ノーベル賞ネタは度々時事問題に取り上げられるので,場所や名前,人物名や研究なども含めて押さえておきましょう。
今年の漢字が決定 「災」
12月12日:★★★
2018年の世相を表す今年の漢字に「災」が選ばれた。
日本漢字能力検定協会が毎年公募しており,「災」が選ばれた。大阪北部地震(6月)や西日本豪雨(7月)、台風21号(9月)、北海道地震(9月)など自然災害が相次いだことが主な理由とされています。災が選ばれるのは,2004年に続いて2回目です。ちなみに昨年は「北」でした。
妊婦加算 一時凍結
12月14日:★★★
根本匠厚生労働相は14日午前の閣議後記者会見で,妊婦が医療機関を受診した際に払う追加料金「妊婦加算」について,いったん凍結すると発表。
妊婦加算とは,妊婦さんや胎児に配慮した診察を適切に行うことに対するお医者さんへ報酬のようなものです。安心して医療を受けられるようにするためには重要ですが,妊婦であることを配慮しているとは考えられないコンタクトレンズの処方などにも適用されてしまい,仕組みが不適切ではないかという声が多く上がり,廃止の可能性が高いとみられています。
病院・学校・役所の屋内全面禁煙 来年7月から
12月19日:★
厚生労働省は病院・学校・行政機関などの屋内全面禁煙の施行日を2019年7月1日とする方針を自民党厚生労働部会に提示し,了承された。
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の成立で全面禁煙の方針は決まっていましたが施行日が未定でした。2019年9月に開幕するラグビー・ワールドカップに間に合わせる狙いがあるとのことです。今後の喫煙については,「喫煙専用室を設ければ喫煙を認める。小規模な飲食店は、一定の条件を満たせば例外として喫煙可能となる。」といった細かいルールができます。
徹夜国会の「コスト」公表へ
12月20日:☆
日本維新の会は改正出入国管理法の審議に伴う7~8日の「徹夜国会」の際の国会職員の残業状況や超過勤務手当総額について衆参両院に対して開示を求める方針を決めた。
徹夜国会とは法案の採決をめぐって討論しているうちに規定の時間を大幅に超え,徹夜状態で国会の会議が続くことです。今回は参院は8日午前4時過ぎまで続き,衆院も7日深夜まで本会議を開きました。衆院の職員775人が残業し超過勤務手当が計1502万円に達したとする集計結果となりました。税金を無駄遣いしているのに消費税を上げるというこの現状については,子どもも食いつきやすい話題となるので触れさせてみてもいいでしょう。
改正入管法で外国人材拡大
12月21日:★★★
外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が8日未明,参議院本会議で可決・成立した。
この法律は日本国内の人手不足を補うため,外国人労働者の新たな在留資格を創設することが大きな柱となっています。身近でも外国人が増えてきているため,意識しやすい話題ではないでしょうか。
国内出生数 最少92万人
12月21日:★★
2018年に国内で生まれた赤ちゃんは1899年の統計開始から最少だった17年より2万5千人少ない92万1千人で,3年連続で100万人を割り込む見通し。
これに比べて亡くなった人は戦後最多の137万人で,死亡数から出生数を引いた人口の自然減は過去最大の44万8千人となるとみられています。女性1人が生涯に生む子どもの推定人数が大幅に上昇することは見込めず,政府が掲げる「2025年度末までに出生率1・8」の目標実現はさらに厳しくなりました。女性の社会進出が活発になっている日本の社会で出産・育児をするということは,働く女性にとってはとても大きなハンディキャップとなります。この辺りは考えさせる問題も出るようになってきているため,社会問題の一つとして話題にしておくといいでしょう。
日本政府がIWC脱退表明
12月26日:★★★
日本政府は鯨の資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)から来年脱退し,7月には領海と排他的経済水域での商業捕鯨を再開すると発表。
そもそも捕鯨が禁止されたのは,人類による乱獲のためにクジラの生存数が激減したために、この流れに歯止めをかけようと国際捕鯨委員会が1982年に商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を採択したからです。鯨資源が枯渇しないよう、捕り続けられるようにしましょうという名目だったのですが,現在は加盟国が鯨をとらないようにしているので本来の目的から外れてしまったまま捕鯨活動は禁止されています。日本政府は,日本の長い歴史の中で鯨がたんぱく源としてだけでなく,さまざまな用途に供されてきた,捕鯨活動は地域社会を支え,鯨を使った生活や文化を培ってきたと表明しています。
無償化に年1.5兆円 幼児・高等教育の方針決定
12月28日:★
政府は幼児教育・高等教育無償化の関係閣僚会合を開き,制度の具体化に向けた方針を決定した。
無償化は安倍政権の目玉政策の一つで,消費税率10%への引き上げによる財源を活用するつもりです。年間に幼児教育・保育は7764億円,高等教育に7600億円の計1兆5364億円かかるという試算が出たそうです。安倍政権の新たな「3本の矢」となる目玉政策は
- 希望を生み出す強い経済
- 夢をつむぐ子育て支援
- 安心につながる社会保障
となっています。政策方針に関わる内容は社会や時事問題にも通じてきますので,ちょっと意識しておくといいでしょう。
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