受験にどう役立つ?
オムライスの発祥についての質問を頂いたので,お話しようと思います。
文明開化,経済との関連が深いため,その単元での理解度に貢献するでしょう。
もっともオムライスそのものは出てきませんので,直接的な役割はありません。
オムライスってなに?
今さら説明不要だと思いますが,一応。
オムライスは英語のomelet「オムレツ」+rice「米」を組み合わせた造語ですね。
炒めたお米をオムレツ(卵を焼いたもの)でくるんだものです。
ケチャップをかけるのが定番ですね。
一見欧米にもありそうな食事ですが,そもそも米は日本の食文化のため,オムライスは欧米の食事にはありません。
いわゆる洋食屋さんで提供される日本食の1つになります。
洋食屋さんって?なんで日本食なの?
今ではファーストフードとカフェが増えてしまったために洋食屋を名乗るお店は大分減ってしまいましたが,バブルの頃までは沢山ありました。
いわゆる洋食屋さん,西洋料理の定番のメニューといえば,以下のものがあります。
- オムライス
- ナポリタン
- コロッケ
- ドリア
- エビフライ
- カレーライス
- トルコライス
しかしいずれも洋風であり,洋食ではないんですね。
洋食が日本に入ってきたときに,日本がアレンジしたれっきとした日本食です。
日本食が外国のレストランで提供されているのを見て,「こんなの和食じゃない」という方がいらっしゃいますが,欧米から見たら洋食屋さんのメニューは洋食ではないのです。
カリフォルニアロールなんて,もはや寿司と言っていいかどうか…
そういうのと同じですね(笑)
オムライス発祥の店
自称オムライス発祥を名乗る店は多く,どれが本当かはわかりません。
定説では東京銀座の「煉瓦亭(れんがてい)」が明治時代に作ったライスオムレツがオムライスの原型だと言われています。
最もその時はまだ現在のオムライスとはちょっと違い,厨房でまかないがサッと食べられるように考案されたもののようです。
そのため卵でくるむのではなく,卵を絡ませて炒めて丸く整えたつくりになっています。
綺麗にくるむの結構大変ですものね(^^;
なぜ洋食屋さんが流行った?
いわゆる日本食である洋食屋さんが流行ったのは明治から大正にかけて。
つまり鎖国が終わった後からです。
鎖国が終わって外国人が日本に来るようになり,様々な文化が日本に入ってきました。
それが文明開化です。
オムライスもその1つでしょう。
「ハイカラ」という言葉が流行った通り,西洋風にまねた人が多くいたのです。
「ハイカラ」は「ハイカラ―(高いえり)」が語源ですね。
元々日本は外国の文化を取り入れて,日本風にアレンジするのが得意な民族でした。
ひらがな,カタカナも中国の漢字をアレンジして作られたものです。
今の日本の仏教も日本独自の進化をしたものです。
紙もペンも,通貨も法律(律令)も,全て元は中国から入ってきています。
それを日本独自に進化させてきているのです。
洋食屋さんが流行ったのは,やはり文明開化で欧米のものに興味を持ったということ,そして日本人がアレンジが好きだったことが要因でしょう。
真似して学ぶ,それを一番知っているのは日本人
日本は昔から真似して学ぶのが好きな国でした。
種子島銃というのをご存知でしょうか。
ポルトガル人が持ち込み,日本で最初に普及した銃ですね。
この銃を日本人は最初に2丁買ったと言います。
なぜ2丁かお分かりになりますか?
1丁は使って性能を確かめるため。
もう1丁は分解してその仕組みを理解するため。
他の国は買って使うことを考えましたが,日本は最初の出会いから自分で作ることを考えたのです。
そんな日本は戦後大きく経済発展をしました。
当時は世界最先端のものを作り,世界を驚かせました。
しかし今,他の国があっという間に真似をしてしまい,日本の経済発展が遅れています。
日本は中国や韓国を名指しして,「パクリの国」と言いました。
海外の和食を「こんなの和食じゃない」と非難しました。
しかし,日本もパクッて改良してきたのです。
確かに日本は経済的に追い込まれています。
だからといって,他の国のパクリ,アレンジを非難するのは違うのではないかと思います。
そこからまた新たなものが生み出されるかも知れません。
今の子ども達が,将来日本のものを逆輸入して,さらに発展させ,日本経済を立ち直らせる日が来るといいですね(^^)
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