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年号の暗記問題はもう出ない!
年号並び替えは受験でもよく出る問題の1つ。
サピックスでは毎年年号の暗記が求められ、単語カードも配られます。
しかし一見年号を覚えていないと解けないように見えますが、実は丸暗記していなくても解けてしまうのです。
そんな解き方の例をファイのオンライン教室の指導例から紹介致します。
問題
解答:F⇒C⇒B⇒E⇒D⇒G⇒A⇒H
A:慶安の御触書
Aは文章から、百姓に向けた指示だとわかります。
百姓に向けた指示ということは、米を必要としていた時代とわかり、百姓にまで指示を出すレベルで社会の仕組みができている時代、かつ御触れを出すほど米を必要ととなれば、江戸時代の飢饉の時期と推測できます。
B:尾張国解文(おわりのくにのげぶみ)
これは「朝廷のさばきをお願い」と書いてあることから、朝廷が権力を持っていた時代だと推測できます。
朝廷が権力を奪われて武士の時代になったのは鎌倉時代からなので、それより前の平安時代だと推測できます。
C:墾田永年私財法
「三世一身の法によらず、永久に国のものとして取り上げない」というところから、三世一身法よりも後に出された法律、つまり墾田永年私財法とわかります。
D:惣掟(そうおきて)
「村」という言葉が何回も出てきていることから、村の掟だということはわかります。
そして「罰金」という言葉から、お金が流通している時代だということもわかります。
村で掟を作り、お金が出回っている時代といえば、村ごとの寄合(よりあい)などが発達した室町時代だと推測できます。
E:阿氐河荘民の訴状(あてがわのしょうみんのそじょう)
「荘」、「領主」という言葉から、「荘園(しょうえん)」が結び付くはずです。
荘園が発達し出したのは平安時代から室町時代くらいまでです。
一見幅が広いようですが、すでに選択肢として平安時代と室町時代は出てきてしまっているので、時代が特定できなかったとしても、消去法から鎌倉時代だと推測できます。
F:班田収授法
「班田収授法を定める」と書いてありますから、その時代だとすぐにわかるはずです。
そして班田収授法は墾田永年私財法よりも前。
これは元々、班田収授法で田畑を与えたものの逃げ出してしまうため、3代まで自分たちのものにしていいよ、とした三世一身の法を出し、引き留めようとしたものの、それでも3世代まででしょ、と見向きもされなかったため、「なら永久に自分たちのものにしていいから頑張って!」と変えたものです。
つまり順番としては、
班田収授法 ⇒ 三世一身の法 ⇒ 墾田永年私財法
となります。
G:太閤検地
入試でも教科書でもあまりに有名な絵ですね。
土地を計測している様子から、豊臣秀吉による太閤検地、つまり安土桃山時代後期だと推測できます。
H:地租改正
「地券」と書いてあることから、地租改正だと推測できます。
地租改正というのは、それまで米で収めていた税金を、作付け状況に左右されないように現金で収めることにしたものですね。
米から現金にしたことから明治時代のことだと推測できます。
暗記より、背景をどれだけ深く学べるかが重要
ここまでわかれば、これを順番通り並べれば、解答の様になります。
大切なのは時代背景をしっかりと捉えること。
資料の名前も年号も覚えていなくても、それだけで十分解けるのです。
そしてそれらの時代背景は流れやストーリー性が強いことが多く、一度覚えればなかなか忘れません。
「とにかく丸暗記するんだ!」と思っていてうまくいっていない方は、ファイのオンライン指導を始めてみませんか?
丸暗記しなくても点が取れるようになりますよ(^^)/
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