受験にどう役立つ?
新型コロナウイルス自体が入試に出るかどうかでいえば,COVID-19は時事問題として出るかも知れませんが,それ自体が問われることはほとんどないでしょう。
しかし,経済が滞るとどうなるか,を新型コロナウイルスは実証してしまいました。
トランプ大統領が何年か前に叫んでいた,保護貿易,関税に力を入れてしまったら,世界の経済が止まると危惧されていた問題が,本当に起きてしまったのです。
あまりに急激な変化のため,実生活にも影響を及ぼしているのは,子どもでも感じています。
それらをネタに,経済の流れの仕組みについて学べると,入試にも通じてくる力が養えるでしょう。
人が止まるとお金も止まる
人の流れが止まると,お金の流れも止まります。
これはちょっと子どもにも考えさせればすぐにわかります。
例えば,仕事にいかなくなると電車賃,ガソリン代,昼食代も使われません。
職場では電気代も紙代も使われなくなります。
イベントが中止されれば,イベントに関わる費用も動きません。
参加費も入ってきません。
イベントに関わる予定だった人たちに給料も払えません。
ただ人が動かなくなるだけで,お金はどんどん動かなくなっていくのです。
お金が動かないと株価は下がる
例えば東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランド。
休園にすると決まった途端に大暴落を起こしました。
これは休園にすることで,売り上げが減少すると予想されるため,みんなが売ってしまい,大暴落につながりました。
この辺りは子どもには難しそうですが,話して見ると意外と理解できるものです。
みんなが欲しいと思えば価格は上がっていきますが,みんながいらないといえば,株価は下がっていきます。
オリエンタルランドの株は,みんな下がると予想したために,売りが加速し,勝ってくれる人が少ないために暴落していきました。
なぜ感染拡大で石油価格が暴落する?
実は今回の石油価格下落は,新型コロナウイルスの感染が拡大される前から始まっていたため,きっかけにはなっていますが,直接の原因にはなっていません。
石油価格はOPECをはじめとする産出国が協力して産出量を調整することで,価格を維持しています。
しかしここにOPECとは関係ないシェールガスという資源が登場します。
以前からシェールガスというものはあったのですが,発掘が大変で,採算が合わないため行われていませんでした。
しかし技術が進歩し,低価格で産出できるようになってしまったために状況が一変。
あまりに安かったため,シェールガスが流行ると,石油を買ってくれくなる恐れがあったのです。
そこで石油の産出量を増やすことで価格を下げ,シェールガスに対抗しようとしました。
そんなときに新型コロナウイルスが蔓延し,様々な会社が石油を使わなくなりました。
実際中国ではトラックや自動車の使用を禁止したため,大気汚染が激減したとも言われています。
石油が使われないと,石油は余っていきます。
石油が余る,つまり売れないと石油産出国は困るため,価格を下げます。
しかし価格をいくら下げても全然買ってくれません。
しかも石油の価格を下げると,シェールガスも価格を下げてくる。
そのため石油価格が大暴落を引き起こしたのです。
どれもこれも難しい話ではありますが,この感覚が身につくと,公民の勉強がもっと楽になります。
わかる範囲で十分ですから,子どもと話してみて下さい(^^)/
コメントを残す