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2020年1月の時事問題解説:受験対策、定期テスト対策で子どもを賢くするネタ帳

台湾総統 一国二制度を拒否

1月1日:★

台湾の蔡英文総統(さいえいぶん)総統が新年の談話を発表し,その中で中国の圧力に屈せずに民主主義と自由を守ると述べ,一国二制度の信頼は既に破綻していると指摘。

台湾は中国という国の一部ということになっていますが,中華民国という独立した国として支持している国も存在します。中国は「」という国の後に,中国共産党が「中華民国」という国を作りました。そこをソ連の力を借りた中国共産党が乗っ取りに成功して「中華人民共和国」を作りました。追いやられた中国国民党は台湾に逃げて中華民国としての政治を続けたため,台湾は今でも「中国と一緒にするな!」と言い,親日なのです。

台湾が度々ニュースになるのは,この歴史があるためで,教科書で習うときにはサラッとしかやらないため,よくわからない子が多い部分です。台湾のニュースをきっかけに,簡単に歴史的背景について話題にしておくと,子どもがこの単元に入った時に一歩リードできるでしょう。

箱根駅伝 青山大優勝

1月3日:☆

毎年恒例の箱根駅伝について,保健体育の時事問題に出されることがあります。定期テストがある人は1位の大学くらいは覚えておくといいでしょう。

青函トンネル 最高速度引き上げで210km/h

1月5日:☆

JR北海道は北海道新幹線の通る青函トンネル(新青森~新函館北斗間,全長54km)での最高速度を,現在よりも50km引き上げた時速210kmにする方針を決定。JR東日本も東北新幹線の盛岡~新青森間の最高速度を320kmにする方向で検討している。

現在54kmを160km/hで走行しているということは,約20分かけていることになります。それを210km/hに引き上げると,約15分。計算上は5分早く通過できることになります。実際には3分ということなので,210kmでそのままトンネルに突っ込むわけにはいかないためでしょう。時事性は高くありませんが,新幹線ネタは中学受験では割と出てきます。鉄道系は関連事項として意識しておくといいでしょう。

しらせが昭和基地付近へ接岸

1月6日:☆

文部科学省は第61次南極地域観測隊を乗せた観測船「しらせ」が昭和基地付近に接岸したと発表。

観測船の名前が時事問題になることはあります。大きなニュースではないためそこまで重要度は高くありませんが,耳に入れておくといいでしょう。

イラン軍が誤ってウクライナ機を撃墜

1月8日:☆

イラン軍は首都テヘランで墜落した民間機が,技術的トラブルではなく,イラン軍の人為的ミスによるミサイル迎撃だったことを発表。

一般の人が大勢巻き込まれてしまったため,時事問題にはなりにくいと思われますが,イランの問題については根が深く,テキストで習ってもなかなか理解できる子どもはいません。全部覚える必要はありませんが,どんなことがあったかぐらいは耳に入れておくといいでしょう。

イギリスのヘンリー王子夫妻 王室から離脱

1月9日:☆

イギリスのヘンリー王子と妻のメーガン妃が王室の中心メンバーから退くという声明を発表。

お家騒動のため時事性は高くありませんが,イギリスが王国だというのは押さえておいた方がいいでしょう。

蔡英文氏 再選

1月12日:★

台湾総選挙で台湾独立志向の民進党蔡英文総統が当選。香港デモを受けて,一国二制度を批判したことが支持につながった。

中国は中国国民党が立ち上げた中華民国と呼ばれる国だったのですが,今の中国共産党に追いやられて台湾に逃げてきた歴史があります。そのため一国二制度には反対なんですね。台湾,台湾関係は定期テストで出たという話を聞くことがあるので,念のため押さえておきましょう。

タール火山 噴火

1月12日:☆

フィリピン・マニラにあるタール火山が噴火し,噴煙の高さが1万~1万5千メートルに達した。これにより広範囲に火山灰が観測され,500便の飛行機が欠航した。

タール火山自体が時事問題にはなりにくいと思いますが,場所は知っておくといいでしょう。タール火山は日本と同じ環太平洋造山帯に属しており,すぐ北には1991年に大噴火を引き起こしたピナツボ火山があります。この噴火で山の上部が吹っ飛び,約300m近く標高が低くなりました。

中国との合意文書 第一段階に署名

1月15日:☆

米中両政府は貿易協議を巡る第一段階と呼ばれる部分合意の文書に署名。これにより中国は大豆などの米国産農作物の購入を増加させ,米国は制裁関税の税率を一部引き下げる。

貿易協議はまだまだ課題が多く,これからも継続していくため,ここだけが時事問題として出ることはあまりないでしょう。しかし貿易戦争とまで言われている問題のため,周辺事項は関係してくる可能性が十分あります。貿易関係は折に触れて話題にしていきたいところです。

芥川賞「背高泡立草」,直木賞「熱源」

1月15日:★★

芥川賞に古川真人さんの「背高泡立草」,直木賞に川越宗一さんの「熱源」が選ばれた。

芥川賞,直木賞は中学校の定期試験の時事問題として出やすいため,中学生は押さえておく方がいいでしょう。

チバニアン 正式命名

1月17日:★★★

国際地質科学連合は約77万4千~12万9千年前の地質時代を「チバニアン(千葉時代)」と命名することに決定。地球が誕生してから46億年。その歴史の中,その時代の代表的な特徴が認められる場所を国際標準模式地(GSSP:Global Boundary Stratotype Section and Point)としており,日本の地名が初めて採用されることになった。今回の地層は千葉セクションといい,地球の地磁気が南北で逆転した痕跡が残っている場所。同様の現象はイタリアでも確認されており,命名権を争っていた。

チバニアンについてはこちらを参照(^^)/

 ⇒ チバニアン(千葉時代)って何?

伊方原発3号機 運転差し止め

1月17日:☆

愛媛県の伊方原発3号機の運転禁止を求めて住民が起こした裁判で,四国電力の地震や火山リスクに対する評価や調査が不十分とし,運転差し止めとなった。安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は誤りであると指摘。

この問題自体が時事になることは少ないでしょうが,原子力規制委員会の判断が誤りだと司法が判断したことには大きな意味があります。原子力規制委員会の存在意義が揺らぎますからね。日本は原子力発電技術を国策として海外へ売っていこうとしていますので,気にはかけておくといいでしょう。

タガメ 売買禁止に

1月17日:★

環境省はタガメトウキョウサンショウウオカワバタモロコの3種を特定第2種国内希少野生動物植物種に指定した。これにより販売目的の捕獲や売買が禁止される。

タガメもトウキョウサンショウウオも受験で必須の生物の1つです。生態系の問題は割と出やすく,勉強もしやすいため,予備知識として知っていると有利になるでしょう。

自殺者数 10年連続減少

1月17日:☆

厚生労働省と警察庁は全国の自殺者数が約2万人弱となり,10年連続で減少したと発表。2万人を切ったのも初めてのこと。

自殺ネタが時事問題になることはありませんが,自殺者が多いことは問題視されています。ここ10年連続で減少しているのは喜ばしいことではありますが,依然として過労による自殺が多いことには違いはなく,まだまだ問題になりそうです。

EU離脱の関連法案 賛成多数で可決

1月20日:★

イギリスの下院はEU離脱のために必要な関連法案の採決を賛成多数で9日に可決。上院も賛成多数で可決したため,1月末に離脱することが確実になった。

長らく混迷していたブレグジット問題が一応の解決を見た形です。とはいえ,今年中は離脱しても今まで通り行う移行期間となるため,本格的に変わってくるのは来年以降。ブレグジットという名称は度々時事に出されているため,押さえておきましょう。

すかいらーく 全店で24時間営業廃止

1月20日:☆

すかいらーくホールディングスが50年続けてきた24時間営業を全ての店で廃止することを決定。大手の決断だけに,今後も他の会社で脱24時間の動きが加速すると思われる。

すかいらーく自体が問題になることはないと思いますが,24時間営業の問題点とメリットについては話してみるといいでしょう。全然見当違いなことを言っていても叱らないように(笑)

大学入学共通テスト 国語80分に

1月29日:☆

大学入試センター試験に変わって2020年度から行われる大学入試共通テストについて,国語の試験を100分から80分に短縮することが決定。リスニングの配点は高くなる。

安倍政権が推進する大学入試改革の内,英語の民間試験活用と記述式問題の導入という2本柱が折れることになりました。時事性はありませんが,大学受験がどう変わるかは勉強方針にも関わってくるため,気にかけておくといいでしょう。

新型コロナウイルス WHOが緊急事態宣言

1月30日:★★★

WHO(World Health Organization:世界保健機関)が感染が拡大している新型コロナウイルスについて,「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言。日本では28日に指定感染症にすることを閣議決定しており,2月7日から施行される。

WHOが何をしているところか,どこからどう感染が広がっていったか,ウイルス名は何か,また指定感染症とは何か,といったところは押さえておきましょう。

 ⇒ 新型コロナウイルス、新型肺炎って何?広がるとどうなるの?

中国に渡航禁止 アメリカ

1月30日:☆

米国務省は中国全土に関する渡航情報について,最大の危険度を表す「渡航してはいけない」に引き上げた。WHOの緊急事態宣言を受けた措置で,中国への渡航を控えるよう呼びかけている。国務省が発表する渡航情報は4段階あり,これまでは2番目に高い「渡航を再検討せよ」だった。北京の米大使館など中国国内の公館職員や家族についても国外退避を許可。

渡航禁止によって経済も滞ります。今までは感染だけでしたが,今後は経済の混乱も起きてくるということです。前回のMARSの時は収束までに3か月程かかりました。今回はどれくらいになるかわかりませんので,しばらくは景気が悪化するかも知れません。

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