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新型コロナウイルス、新型肺炎って何?広がるとどうなるの?

受験にどう役立つ?

感染症大流行の歴史は度々あり,それらが直接歴史として問題になることは少ないものの,大流行が歴史に影響を及ぼした事例は多く,知っていると歴史上の重要な場面での転換点の背景としてつながることがあります

WHOも動いていることから,国連の役割もイメージしやすくなります。
また,長い歴史を見ても,大流行は珍しいことではなく,ある程度間隔をあけて起こってきています。

つまり,珍しいことではなく,今後も新しい大流行が起きる可能性が高いのです。

自衛のためにも知っておくと役に立つでしょう。

理科としては細菌とウイルスの違いを知っていると,生物の単元で出てきたときにイメージしやすくなります。

新型コロナウイルスの現状

まずは2020年1月末時点での現状について。

新型コロナウイルスが蔓延し始めたのは中国の湖北省武漢市

この地域では1月末時点で新型コロナウイルスによる肺炎の死者が100人を突破し,患者の数は4500人を超えたと発表。

中国以外の患者も17カ国,60人以上に拡大。

中国本土でも感染が疑われる例が7000人近いと発表。

中国政府はなるべく人との接触をさける時差出勤や在宅勤務を推奨,祝日も延長して対応している。

WHO世界保健機関:World Health Organization)は新型コロナウイルスが世界に及ぼすリスクを中程度としていたが,誤りを認めて「高」に訂正。

時系列

12月31日
新型コロナウイルスがWHOに報告された。

1月16日
日本国内で初めて患者が確認された。

1月24日
中国政府は国内の団体旅行を禁止。

1月27日
中国政府は海外への団体旅行を禁止。

1月28日
日本政府が指定感染症にする方針を閣議決定。感染者は全世界で6千人を超えた。これは2002年に流行したSARSを超える人数。

1月30日
WHOが「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言。

3月11日 追記
WHOがパンデミックを宣言。

コロナウイルスって何?

いわゆる一般的な風邪を引き起こす原因となるものの1つがコロナウイルスで,見た目が太陽のコロナのような形であることからコロナウイルスと命名されました。

ところがこのウイルスは時々強いウイルスとなり,大流行を引き起こします。

2002年に発見されたSARS(サーズ:重症急性呼吸器症候群)はSARSコロナウイルスによって引き起こされ,全世界で約8千人が感染,致死率10%の大流行となりました。

2012年にはMERS(マーズ:中東呼吸器症候群)がMERSコロナウイルスによって引き起こされ,約2500人が感染,850人が死亡しました。(致死率3.5%)

いずれも新種のコロナウイルスによって引き起こされた病気で,今回の肺炎も新種のコロナウイルスによるものでした。

なお,今回のウイルスは,ウイルスに感染しているにも関わらず症状が出ないこともあるということが確認されており,潜伏期間中に他の人に感染させてしまうこともあります。

潜伏期間はまだハッキリしないものの,他のコロナウイルスと同程度なら最大14日程度と言われています。

コロナウイルスに関する詳しい情報は厚生労働省のHPをご覧下さい。

細菌とウイルスの違いって?

細菌とウイルスは同じもののようで全く別物です。

ウイルスはそのまま日本語として用いられているため,いわゆる日本語訳がありません。

細菌に当たる英語は「バクテリア」ですね。

ウイルスとバクテリアなら何となく違いが分かる子もいるのではないでしょうか。

そう,細菌(バクテリア)の方が大きいのです。

厳密にいうと,細菌は単細胞生物の仲間で,自分の細胞を持ちます

細菌が原因となる病気としては,結核,ペスト,コレラ,赤痢,サルモネラなどがあります。

それに対してウイルスは細菌の50分の1ぐらいの大きさで,自分の細胞を持ちません

インフルエンザ,ノロなどがこれに該当します。

インフルエンザウイルスは赤血球の50分の1ぐらいのサイズですね。

ウイルスに抗生物質がきかない?

抗生物質というのは,細胞壁を破壊する効果があります。

※細胞壁というのは,植物細胞にあるものと同じ名称ですが,細菌と植物とでは成分が異なります。

細菌は自身の細胞を持っているため,細胞壁を破壊されると生きていけません。

それに対して人の細胞には細胞壁が存在しないため,細菌だけを攻撃できるというわけです。

ところが,これではウイルスには効果がありません。

なぜならウイルスは自分の細胞を持っていないからです。

細胞を持っていないということは,細胞壁も持っていないということになるため,抗生物質が効かないのです。

この辺の仕組みはガッツリ踏み込むと難しくなりますが,この辺ぐらいまでなら小学生でも理解できます。

指定感染症ってなに?

感染症法という法律があり,医療機関では該当する感染症の患者を見つけた場合は,国に報告する義務があります。

感染症は1類~5類に分類されているのですが,新しい病気でどこに分類していいかわからないけれど,とりあえず発見したら必ず報告を,という場合に暫定処置としておかれるのが指定感染症です。

1類,2類に分類されたものを発見した場合は強制入院させることができ,指定感染症もこの扱いに準じます。

つまり,指定感染症に設定することで,強制的に出歩かないようにすることができる,ということです。

ちなみに1類にはエボラ出血熱,ペスト,ラッサ熱が属し,2類には結核,SARS,MERS,鳥インフルエンザが属しています。

同じコロナウイルスの仲間であるSARS,MERSが2類に分類されているところを見ると,今回の新型コロナウイルスもこれに属する可能性があります。

なおインフルエンザは5類に分類されています。

今までの世界的大流行(パンデミック)は?

ところどころ歴史にも関係するものをあげておきます。

天然痘

古来からあった病気で,近代では1600~1800年代に大流行。日本でも1946年までに度々大流行を起こし,多数の死者が出ています。

有名なのは聖武天皇の時代。

聖武天皇はこの大流行から仏教への信仰を加速させていることは有名です。

1980年にWHOが世界根絶宣言を行い,根絶に成功した最初の感染症となりました。なお,今現在根絶に成功したのはこの天然痘のみです。

ペスト(黒死病)

ペストも古来から度々大流行を起こしており,1300年代にはヨーロッパ中で大流行,人口の3分の2近くが死亡したと言われています。

日本でも明治時代に度々大流行しており,この治療法を確立したのが北里柴三郎です。

インフルエンザ

毎年受験シーズンにやってくる恒例の病気ですが,やはり新型が出た時は大流行します。

1918年:スペインかぜ(死亡率2.5%)
1957年:アジアかぜ
1968年:香港かぜ
2009年:H1N1型

スペインかぜは人類が最初に直面したインフルエンザのパンデミックと言われ,その死者数から第一次世界大戦どころではないということで,早期終戦につながったとも言われています。

麻疹(はしか)

日本では平安時代の文献にも登場するくらい古い病気で,995年には藤原道長もいた平安京を直撃し,政治が混乱しています。

赤痢

1897年に日本で大流行し,志賀潔が赤痢菌を発見しています。

下水が整備されていないような不衛生な環境で発生しやすいため,日本では次第に感染者は減少しています。

コレラ

不衛生な水から感染する病気で,世界的な大流行を度々おこし,現在でもコレラは特定の地域で流行しています。

日本では江戸時代に流行しています。

非常に感染力が強く,日本での感染者は数名程度ですが,豚コレラは度々話題になります。

結核

高杉晋作沖田総司正岡子規が結核が無くなったのは有名でしょう。

日本では1935年には結核が死亡理由1位になるほど猛威を振るいましたが,ストレプトマイシンという抗生物質ができてからは減少しています。

ところが現在,その耐性菌が出現しているとのことで,未だに感染者が大勢出ています。

マラリア

ハマダラカ(蚊)により感染する病気で,現在も世界中で死者が多数でています。

現在日本では流行していませんが,海外にいた日本人が感染して帰って来る例はあります。

50年ほど前にマラリアを根絶しようと殺虫剤を散布しましたが,殺虫剤に耐性のあるハマダラカが出現してしまい,根絶には至っていません。

ハマダラカは世界中で一番人間を殺している生物と言われています。

天災,疫病が様々な神を生み出した

疫病神(やくびょうがみ)という言葉がある通り,日本でも疫病は度々流行しています。

覚える必要はありませんが,歴史を勉強していても生物を勉強していても,公民を勉強していても関連してくることがあります。

話題になった時には気にかけるようにしてみるといいでしょう(^^)/

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