目次
ファイの時事問題の特徴と使い方・注意点
サピックスや四谷大塚の全国大会出場者を始め、中学受験、高校受験の上位の子、及び保護者が多数利用しています(≧▽≦)
単純にテストに出る所を押さえたものではなく、親子で話題にして欲しいネタ、ポイントを紹介。
必要のない部分、細かい数字は極力減らし、小学生・中学生でもわかりやすい簡単な言葉で印象付けしておくことで、関連事項が押さえやすいようにまとめています。
また、中学受験対策・高校受験対策・定期試験対策としても使いやすいように、重要度を★マークで表示。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。
親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めないように!
2021年7月の時事問題
熱海で土砂災害 線状降水帯による豪雨
7月3日:★
静岡県熱海市で大雨による土砂災害が発生。梅雨前線が本州より南の太平洋側に停滞している影響で、線状降水帯が発生したことによる豪雨と考えられる。専門家は調査により、7月1か月分の雨量を超え、100年に1度あるかないかの水分量になったと指摘。
線状降水帯という表現は、開成中でも出題されています。また、災害に関する用語は難関中の時事問題の題材として狙われる傾向にあります。大規模災害とその要因については気にかけておくといいでしょう。
アメリカザリガニ 特定外来生物に指定
7月6日:★
環境省はアメリカザリガニとアカミミガメを特定外来生物に指定し、野外で繁殖しないように規制する方向で検討。特定外来生物に新たな区分を設け、ペットとして飼うことは認めるが、輸入や販売、放出を禁止する。今までは外来生物法で定める特定外来生物には指定されていなかったため、規制がなかった。早ければ来年の通常国会に改正法案を提出し、2023年から規制される。
外来種は時事問題としても、入試の題材としても使われます。しかし、アメリカザリガニが外来種だと知っていても、規制されていないことを疑問に思った子も少なくないでしょう。その理由が、特定外来生物に指定されているかどうかです。全ての特定外来生物を覚える必要はありませんが、身近な外来種は押さえておくといいでしょう。
東京五輪 無観客に
7月8日:★
東京オリンピック・パラリンピックの東京、神奈川、千葉、埼玉の会場では、全て無観客にすることが決定。
⇒のちに北海道、福島の会場でも無観客とすることを表明。宮城と静岡だけが観客の人数を絞っての開催を検討。
ワクチン接種が間に合わず、感染拡大を止められなかったことから、無観客がかなり現実的になってしまいました。ここで大切なのは、無観客になる事実ではなく、無観客となったオリンピックがどうなるか、です。オリンピック史上初めての試みなので、このことから人類が経験したことは時事問題になりやすいでしょう。ぜひ気にかけてみて下さい。
世界遺産の端島炭鉱 ユネスコが改善要求
7月13日:☆
軍艦島の愛称で知られる世界遺産の一つ、端島炭鉱について、ユネスコの世界遺産委員会が朝鮮人労働者に関する表示が不十分だとして改善を求めてきた。しかし実際には朝鮮人に過酷な労働を強いていた実態はなく、韓国側の主張を全面的に受け入れたユネスコの対応に疑問が広がっている。
WHOにせよユネスコにせよ、世界機関としての役割が履行できず、国際連合の在り方にボロが出始めたようなニュースですね。
このニュース自体の時事性は高くありませんが、軍艦島が世界遺産に登録されていること自体は非常によく出題されています。軍艦島をはじめ、「明治日本の産業革命遺産」には他に何が含まれているのか、調べておくといいでしょう。
中国 3人目以上の出産の罰金を廃止
7月20日:★
中国共産党は、3人目以上の出産に対する罰金を廃止することを決定。これにより、実質的な産児制限全廃につながる可能性が出てきた。
中国は40年続いた一人っ子政策を2015年に廃止し、2人まで子どもを持つことを決定。これは人口が増えすぎるのを押さえるための政策だったが、今度は少子高齢化が進んでしまったため、廃止した。しかし出生数は2017年以降減り続けたため、3人目の罰金を廃止したと考えられる。
中国は一人っ子政策により人口増加率自体には歯止めをかけたものの、人口自体は増え続けており、依然として食糧問題はくすぶっています。そして中国は世界中から食料を買いあさっている状況にあり、日本の食料も他人事ではない状況です。また、高齢化も大きな問題となっています。
一人っ子政策自体は教科書にも載っている政策なため、関連事項として押さえておいた方がいいでしょう。また、できればなぜ一人っ子政策が必要だったのか、も考えてみるといいでしょう。
外国出身の市町村議員が初めて誕生
7月20日:☆
山形県の町議補選でエジプト出身のスルタン・ヌール氏が当選。外国出身の市町村議員の誕生は初めてとみられる。
この話が出た時に、「外国人って日本で議員になれるんですか?」という質問を何人かから受けましたが、日本国籍を持っている人でないと、日本の議員にはなれません。つまり、今は日本国籍を有している、元外国人ということになります。なお、国会議員では元外国人が当選した例が何件かあります。蓮舫議員もその一人ですね。
日本発のピクトグラム 五輪開会式で話題に
7月23日:★★
東京五輪の開会式が行われ、その中で、競技のピクトグラムを表現したパフォーマンスが話題となった。また、ドローンを2000台近く使った東京五輪のロゴマークも話題となった。
ピクトグラムといのは、文字ではなく、イメージで伝えるための記号で、1964年の東京オリンピックで採用されたのを機に広まっていきました。そのためピクトグラムは国語や英語、社会でも教科書に載るような話題となっています。今回のパフォーマンスが注目を浴びたことで、ピクトグラム関連の話題は関連事項として出題される可能性があるため、身近なピクトグラムはマークしておくといいでしょう。例えばトイレのマークや救護施設のマークといった、街中を歩いていてもよく目にするマークですね。
奄美・沖縄が世界自然遺産に登録決定
7月26日:★★★
ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、鹿児島県と沖縄県にまたがる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界自然遺産に登録することを決定。絶滅危惧種となっている固有種が多数生息していることが評価された。これで日本の世界自然遺産は合計5件となる。
なお、これで政府が候補にあげた自然遺産は全て登録されたことになるため、現状ではこれが国内最後の自然遺産となる可能性が高い。
イリオモテヤマネコといった非常に有名な固有種が生息しているため、それらの有名な生物と島の場所を合わせて押さえておいた方がいいでしょう。特に中学受験では必須ともいえる内容なので、周辺事項も含めて確認しておくといいでしょう。
北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録決定
7月27日:★★★
ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、北海道、青森、岩手、秋田にまたがる「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に登録することを決定。日本の世界文化遺産はこれで20件目となる。
この構成資産には、教科書にも載っており、受験でも必須となる青森県の三内丸山遺跡が含まれています。こちらも中学受験では必須ともいえる内容なので、周辺事項も含めて確認しておきましょう。
ヒラリー氏 日本に象牙取引全面禁止を要求
7月27日:★
アメリカのヒラリー・クリントン元国務長官がワシントンポストの寄稿で、日本政府に象牙取引の全面禁止を要求。国際的な犯罪集団の資金源になっていると指摘した。象牙の国際取引は1990年のワシントン条約により世界各国で原則禁止となった。しかし日本ではそれ以前に輸入していた象牙が流通しており、国内取引自体は認められている。今回ヒラリー氏が指摘したのは、その国内取引が流通規制の抜け穴となり、密猟につながっていると指摘したもの。
象牙というのは、その漢字の通り、像の牙で作られた素材のことで、日本では印鑑の素材として用いられることが多く、今も象牙の印鑑は出回っています。もちろん新たに外国から輸入することは禁止されていますが、闇ルートで日本に持ち込まれて売買されている可能性が高いという指摘です。日本としては、そんな闇ルートはないと言いたいところですが、発覚していないから闇ルートなわけで、犯罪の温床になっていない証明にはなりません。
今回の件は何か決定したわけではなく、あくまでそういう要求があったというだけなので、時事問題にはならないでしょうが、ワシントン条約と、そこで規制されているものは中学受験でもよく出てきます。これを機に話題にしてみて下さい。
台風8号が宮城県に初上陸
7月28日:★
台風8号が統計開始(1951年)以来、初めて宮城県に上陸。また、2020年は台風の上陸がなかったため、2019年の台風19号以来の上陸となった。
なお、東側から上陸したのは1989年に千葉県の銚子で上陸した台風と、2016年に岩手県に上陸した2例のみ。
台風の宮城県への上陸というのは、滅多に起きることではないのですが、その理由は進路にあります。宮城県は東北の東側に位置するため、ここへ上陸するためには東側から侵入しなければなりません。しかし通常本州付近における台風の進路は西から東です。
統計を開始したのが1951年ですから、この東からの上陸の確率は、近年増えているとも考えられます。これが温暖化の影響なのか、たまたまなのかはわかりませんが、異常気象が多くなっているのは事実です。そしてそういった異常気象は中学受験のネタになりやすいものです。こういった珍しい事例は、覚えておく必要はありませんが、話題にはしておきたいところです。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項を押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。